キャスト・アウェイ ★★★★☆

Fedexで働いているバリバリのリーマンが貨物飛行機に乗っていると墜落してしまい無人島へ。ろっ骨マニアどうしてるかなぁ。
よくよく考えるとありそでなかった「無人島」映画。題材として作りやすいし、例えば漫画「サバイバル」のようにほっといてもずんずんと展開し、まぁまぁおもしろい話が作れそうだからもっとあってもよさそうなのに、恐らくこのジャンル見るの初めてです。
でまぁ本作も同じようなもので、都会生活に慣れた主人公が無理矢理原始的な生活を余儀なくされ、そこには当然「初めての火」とか「初めての食い物」とか定番のイベントが待っているわけで、それはそれで見てておもろい。やっぱ作りやすいよどう考えても。ほんと、ほっといてもおもろくなるもんなぁ。
ただこの映画でユニークでおもろかったのはジョンソンを置いたことか。彼はしゃべりもしないし、しかしずーっと映ってるし、見てる側がジョンソンの他愛もない登場から、そして別れのシーンまで感情移入できるように作ってあるのは見事だと思った。
ただ時間の関係もあってか、急に4年分を端折ったり、トントン拍子に事が進んだりと「無人島もの」にしては見応えが薄い。もっと、例えば「彼にとって一日の快楽は排便の時だけだった」とかサトルみたいなダメっぷりを描くと人間くさくて良かったのに。あれじゃあ、あんまりにもあのふぇでっくす野郎が格好良すぎる。

LIAR LIAR ★★★★★

世の中嘘ついたもん勝ち、悪いことは嘘で切り抜けることが普通になっている弁護士。それがたたって妻とは離婚、唯一心が通っている息子とも約束をやぶりまくるという始末の悪さ。誕生日に来れなかった父に息子が願ったこと、それがかなって色々。
アメリカのいまんとこ喜劇のトップスター、ジムキャリーが主役の映画。というかそれオンリで成り立ってしかもおもろいから凄い。方法としてはドリフ系の顔芸なんだが、それはもちろんおもしろい事になるわけで、という風におもしろい。
これを卑怯と言うべきか。いや、単純に見てて笑えるのだからOKだろう。ジムキャリーの顔芸やアドリブは役者の芸なんだろうなぁ。
なのでこの映画はストーリーや全体の雰囲気で笑わせるコメディではなくて、ジムキャリーというトップスターが持つ瞬発力、それが全開なのです。しかもそれで笑わせるので凄い。

サボテンブラザーズ ★★★★☆

ハリウッドのおもしろトリオ、アミーゴス。彼らは映画会社をクビになり、行く当てのないところにメキシコからのオファーが。しかしこれが誤解で彼らは見せ物でなく、本当に悪党と戦う羽目になる。
なんちゅうかヘンテコです。まず全体的な流れは勧善懲悪ものなんだけれども、このバカトリオがイチイチおもしろいので、なんだよ垂れ流し映画かよと見ていると実はかなりおもしろがって見ている自分がいるという、結果的にはまってしまいました私は。
くだらねぇ、ばかばかしいです。歌うサボテンがいて、自分達で呼び出した透明剣士を瞬殺して。あのシーンの淡々とした具合、それでも歌うサボテン、なんだか変ーな映像だった。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
みいご

カポネ大いに泣く ★★★☆☆

栃木の山奥にいる歌舞伎者、海右衛門はナニワブシを習い女房とともにアメリカに行く。そこで出会ったヤクザのガン鉄、アルカポネといろいろ。
あーわからん。なにがって、つながりがわからん。これはもう「あ、清順先生暴走したんだなぁ」て感じだった。
この映画は原作のあるちゃんとしたストーリーを持っているのですがそれは最早放棄、場面場面の愉快さや綺麗さを楽しむような、映画なのかこりゃと思うような作品になってます。
さらに役者が無駄に豪華だけども、あのショーケンの大袈裟っぷりがOKならば結構観れるのではなかろうか。俺はナニワブシはありだったけど、チャップリンはイタかった。田中好子いい。綺麗だった。
しかし、そういう全体の妖しいいかれた雰囲気をぶっ壊してるのが外人部隊であって、変にまともに演技をこうやられると冷めてしまうのが不思議。大袈裟に大袈裟をかぶして、こうなりゃもうわけわからんようにして欲しかった。
要するに、全体がグデングデンなのではなくて、要所要所がグデングデンなのです。だから清順暴走に見える。つーかこんな映画を御老公に撮らせるな。

白い巨塔 ★★★★★

浪速大学医学部助教授、財前五郎は腕の立つ医者である。がしかしその独善的な性格のために、直属の上司である東教授からは毛嫌いされている。そんな財前も東を煙たがっていた。そしてまもなく、東教授の退官に伴う次期教授選挙が行われることに。画策を図る財前陣営と東陣営の権力闘争。昔の日本映画の名作です。
後にテレビドラマでも同じ財前五郎=田宮二郎のキャスティングで放映したほどだから、当時はもの凄い反応があったんだろう。確かに映画での財前の悪い顔を見てしまうと、たとえばテレビドラマで他の誰かがもんのすごく悪ーい顔をしても田宮二郎にはかなわん。それぐらい悪い顔上手だ。
本編を途中まで見た感じでは、ああおそらく財前が教授になるかならざるかがクライマックスだなと思ってたのだけども、もちろん盛り上がりとしてはそこが頂点だと思うが、ストーリーの核は実はその後だった。それまでの財前の性格がもろにはき出され、内部闘争の後の外部との闘争、そしてその終結があまりに残酷。船井教授はナイスプレイヤーだ。
だいたいがこの、見てる側の多くが心持ち応援したくなる里見助教授のような医者であり人間として模範であるところの人が虐げられ、日の目を見ないという展開がいい。これは勧善懲悪といった単純な図式でなくて、もちろん月光仮面ならそうでなければならないが、現実の社会ドラマといった場合は下手にそうすると異常に臭いストーリーになってしまう。それは我々が現代の映画でも、安易に勧善懲悪に走る映画を見てなんの感動も感情も生まれない、惰性でしかない状況を見ればよくわる。
つまり里見助教授は完全な引き立て役。庶民の代弁者とか人間の善な部分な人格者とかでもない。行きがかり上そうなってしまったようなタイプだと思う。むしろそれで悪財前や悪いほかの教授たちがいっそう悪く見えてしまうと言う所に里見助教授のよさがある。
なので最後に悪が勝つという、至極まっとうな結末だけに社会ドラマ、人間ドラマとして見応えがあるし展開の妙というものもあると思う。前に書いた船井教授の法廷での弁、あれこそが白い巨塔の全体を語っているのだろう。さすがに名作というだけあって古くもなくとてもおもしろかった。

ストリートファイター


発売日
定価
メーカー
ジャンル

1987年8月(AC) 1988年12月4日(PCE-SCD)※商品名はファイティングストリート
10円~200円(AC) 5,980円(税無)
カプコン(AC)
ハドソン(PCE-SCD)
対戦格闘風

 ゲームの内容とゲーム進行

かっこいい
プレイヤーは拳法家RYUを操り、日本・中国・アメリカ・オーストラリア、最後にタイと転々とわたり、各地の猛者と戦ってやっつけていくという懲らしめゲーム。自キャラと敵には同じく体力バーがあり、それをすべて減らしてしまうとKO、最大3ラウンドマッチの2KOで次のステージへと移る。
各地には個性的な敵キャラがおり、日本には手裏剣を使う忍者など一辺倒なつくりではない。
 ゲームの特徴

ボーナス面だ。なつかしー
まだ金字塔ではない。いわゆる「対戦格闘」という言葉が定着した「ストリートファイターII」のベータ版のようなものである。ここから多くの経験と改良点を発見してあのストIIが生まれたと言ってもいい。少なくとも、後々まで受け継がれるシステムはここでいくつか見られる。
まず当時2ボタン式のシンプルアクションが全盛だった頃に、パンチとキック各3つの6ボタン式の格闘ゲームを投入したというのが凄い。さらにそれが弱中強の使い分けで、弱は一発のダメージが小さいけども連打が効く、逆に強は一発のダメージが大きいがモーションが大きいと、プレイヤーに使い分けを求めているのがいい。
そしてこれも革命的だと思うのがレバー逆のガード。感覚的に「ガードボタン」よりも自分の向きと逆を入れると防御するというのは入り込みやすい。実際これ以降の主な格闘ゲームはVFを除いてこのシステムを採用している。
以上、「6ボタン」「レバー逆ガード」の「対戦格闘」というジャンルをもたらした功績はかなりでかい。
自分が中学生ぐらいの頃、近くのユニードのプレイコーナーにこのストリートファイターが登場したのだが、それが「強弱認識機能付き筐体」だった。これは通常6ボタンのところ2ボタンしかなく、それもそのボタン一つがレーザーディスクくらいの大きさで、プレイヤーの力の入れ具合で筐体が弱中強を判別するという、とてもやりにくいけどおおっぴらになにかをぶん殴れるのはいいものだと、当時かなりやってたんだがいつのまにか筐体自体がぶっ壊れて(当たり前)、ふつうのストリートファイターに入れ替わった。
 ゲームの攻略

これゲンです。ゼロ2で復活
1.波動拳!昇竜拳!竜巻旋風脚!・・・・
後にII をやってこっちをやると一番感じるのが「必殺技、でねーよ」
必殺技の入力タイミングがもの凄くシビアで、当時ゲーセンでこっちしかなかった頃は、まぁ必殺技というくらいだから出しにくくて当然、それでも狙っていくもんだと思っていたが、II ではこの点を改良、レバーの後の攻撃ボタンの入力間隔に余裕を持たせることで必殺技がよく出るようになった。これがヒットの要因と言ってもいい。
だからなおさら、I で波動拳が出ようものならとてもうれしくて、当たれこのクソと思っても出そうとして出してるわけではないからよくはずれた。
しかし、ラス前のアドンやラストのサガットは運良く波動拳やら昇竜拳を当てていかないと倒せない。それくらいシビアである。
2.ジャンプ強キック
特に序盤の方はこれでいける。きついのは後のZEROシリーズに登場するGENかな。あとはジャンプ強キックでバンバン。
 総評
金字塔ストIIの前に隠れそうだが、当然 I があって II があるわけで、「山口百恵にもプレイバックPART1ってあったのね」という思いと同じようなものだ。当時まだ格闘ブームの火さえ起こってない頃に投入したカプコンはすばらしい。
そして次回格ゲー関係はストリートファイターII へと続きます。

ねじ式 ★★★☆☆

売れない貸本漫画家、ツベは自分自身も売れてなかった。よくわからぬ日常とその周辺。フラフラとするうちにわけのわからぬ状況に。そうこれは夢の世界の、アンチメルヘンの世界なのです。
この映画はつげ義春の漫画短編のいくつかを無理矢理つなげて一つの話にしたもので、それぞれにもちろんつながりはなく、そこの部分はかなり意味不明というかよくわかんないのだけれども、そのよくわかんなさ具合もねじ式のメルヘンの世界にうまいこと熔け込んでいるようだ。
映画の前にまず原作を読んだ感想としてわけわからんがおもしろかった。これがアーティスティックだ馬鹿野郎と騒ぎ立てる人が多そうだが、単純にぶっ飛んでる物語としてねじ式は面白いと思う。しかもこれが夢をそのまま書いたというらしいから、このつげ義春という人は変態だと思われる。
つまりはどういうおもしろさか、といえば話は早い、夢のおもしろさなんである。自分は夢をほとんど覚えていない方だが、それでもおもろい夢は何度か見た。八代亜紀がゴキブリを殺そうとして俺の家を追い回すのを家族総出で手伝うとか、おまえそれどういう思いつきだよと言う夢は誰しも見たことがあるはずだ。そう、それがねじ式のことなんだ。
そしてその「おもしろ夢ランキング」なるものがあれば上位にはいるのが、つげワールド。金太郎飴のシーンは最高におもろいし、眼科ありすぎとか、なんなんだこれは一体。
でもやはり、無理矢理映画にせんでも、漫画の方がやっっぱ面白い。なんでだろう、俺にとってつげ作品は漫画の方が色々思い浮かべられて、見せかけのわけわからぬ映像を垂れ流されるよりよっぽどグッときます。

死霊のはらわた ★★★☆☆

バカタレのティーネイジャーどもが、理由もなく薄気味悪い森の家に宿泊し、そこにいるキモいクリーチャーにやられる。要するに自業自得。
怖くはない。しかしとてつもなく気持ち悪い。汁、汁、汁。汁がプシュっと、臓物がゴリゴリっと登場するB級作品です。そのなかではまぁアリな方ではないかと。
ついでにここで一応説明すると、この感想はB級でない作品もB級作品もごっちゃにしてランク付けしてるので、わかりにくいかもしれんが、当然ながらB級の★★★★★(例:四角いジャングル)とそうでない(色々)のは全く意味合いが違います。B級の場合、いかにくだらぬか、イカレてるか、バカかが重要なポイントになってます。そのへんを加味して見てください。

新網走番外地・大森林の決斗 ★★★☆☆

今回の末広の兄貴は、網走刑務所の大森林伐採場を舞台に、日活新進気鋭のスター、宍戸錠を迎えて大決闘。
やはりこのシリーズにははずれがない。いつものごとく末広兄貴は『コノヤローてめーコノヤローなんだコノヤローやるってえのかコノヤロー』と、随所にテンポ良くコノヤローを織り込んだ調子で、会話相手とともに見る側をノックアウトしてくれる。
もう言ってしまうか。この兄貴は男の中の漢というよりも、ただのバカなんです。勝負しろ勝負しろとあおられては勝負し、周りに迷惑かけまくるわそのくせ自分としちゃあしったこっちゃねぇぞコノヤローと、コノヤローで押してくる始末で、とても楽しいバカだ。
そして見せ場である、網走刑務所からの脱走シーン!今回は朝方の内に用意周到に馬を準備して、なんの包囲網もなく堂々とヤクザの組事務所に乗り込むという大胆さ。なんじゃぁこりゃ。

バーティカルリミット ★☆☆☆☆

ロッククライミングの事故で自らを犠牲にして子を助けた父と、その助けられた兄妹。数年後兄妹は雪山にいた。妹が参加している登山チームが登頂中に吹雪にあい、雪崩にあい、救助にでかける兄。がんばれ兄ら。
えーまず観始めてすぐに失敗したと思った。だって登山の話なんだよねぇこれ。
でまぁ、この映画を観ればもう十分わかるんだけども、「そんな死ぬような状況になるんだったらば、だったらやんなよお前」と。それを言うとそもそもの映画が、無理矢理ヤバイ状況に置いて生死ギリギリの映像を大量に映し出して客を怖がらせようと演出している映画が成立しなくなるのであり、本末転倒であるが、この際映画とは関係なしに、登山はともかく雪山登山ってのは50パーセントくらいの自殺だと思う。
この映画も前に書いたとおり無理矢理怖がらせるという下劣なやり方、これは例えば「U-571」のように仕方なしにヤバイ状況になってそれを切り抜けるというのは見てて見応えがあるが、本作のように「ほんの不注意」とか「バカの煽りに乗った報い」とかだと、正直おまえらそら死んでいいだろと思うんじゃないかなぁ。
これはたぶん中学生あたりが観るととりあえず「怖かった」「ドキドキした」ってなるから、それ狙いでしょ。大人は観なくていい。