ねじ式 ★★★☆☆

売れない貸本漫画家、ツベは自分自身も売れてなかった。よくわからぬ日常とその周辺。フラフラとするうちにわけのわからぬ状況に。そうこれは夢の世界の、アンチメルヘンの世界なのです。
この映画はつげ義春の漫画短編のいくつかを無理矢理つなげて一つの話にしたもので、それぞれにもちろんつながりはなく、そこの部分はかなり意味不明というかよくわかんないのだけれども、そのよくわかんなさ具合もねじ式のメルヘンの世界にうまいこと熔け込んでいるようだ。
映画の前にまず原作を読んだ感想としてわけわからんがおもしろかった。これがアーティスティックだ馬鹿野郎と騒ぎ立てる人が多そうだが、単純にぶっ飛んでる物語としてねじ式は面白いと思う。しかもこれが夢をそのまま書いたというらしいから、このつげ義春という人は変態だと思われる。
つまりはどういうおもしろさか、といえば話は早い、夢のおもしろさなんである。自分は夢をほとんど覚えていない方だが、それでもおもろい夢は何度か見た。八代亜紀がゴキブリを殺そうとして俺の家を追い回すのを家族総出で手伝うとか、おまえそれどういう思いつきだよと言う夢は誰しも見たことがあるはずだ。そう、それがねじ式のことなんだ。
そしてその「おもしろ夢ランキング」なるものがあれば上位にはいるのが、つげワールド。金太郎飴のシーンは最高におもろいし、眼科ありすぎとか、なんなんだこれは一体。
でもやはり、無理矢理映画にせんでも、漫画の方がやっっぱ面白い。なんでだろう、俺にとってつげ作品は漫画の方が色々思い浮かべられて、見せかけのわけわからぬ映像を垂れ流されるよりよっぽどグッときます。

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