ビエイラ移籍会見「胸を張ってここを出て行くことができる」=プレミアL

「アーセナルのサポーターのみんなに感謝したい。彼らは素晴らしかった。最近、道でサポーターに、『もし移籍することになったら、この9年間本当にご苦労様、と言いたいよ』と声を掛けられた。これにはすごく感激したし、また、クラブのために自分が精一杯やってきたんだなという気持ちを抱かせてくれたね。僕は胸を張ってここを出て行くことができる。アーセナルでは毎日の練習で、そして参加した試合一つ一つで自分自身のベストを尽くしてきた。また、べンゲル監督、デイン氏(アーセナルの副会長)とも良い関係を保った上で移籍できるということ、これは僕にとって非常に重要だった」
 パトリック・ビエイラは、彼のユベントスへの移籍が正式に発表された後に行われた記者会見の席でこう語った。
 ビエイラの移籍でアーセナルが失うものは計り知れない。何しろ、クラブの歴史に大きな足跡を残した選手の一人が去るのだから。ビエイラはまた、アーセナルを象徴する選手の一人でもあった。彼が在籍した9年間で、アーセナルはプレミアリーグ3回優勝(1998年、2002年、2004年)、FAカップ優勝4回(1998年、2002年、2003年、2005年)、この2冠を2回達成(1998年、2002年)し、コミュニティ・シールド(旧チャリティー・シールド)も4度制覇(1998年、1999年、2002年、2004年)したのだ。
 とにかく、べンゲル監督とアーセナルのメンバーにとって、これから新しい時代が始まるのは確かだ。もちろん、ビエイラほどの強力な選手がいなくなることに対する不安は大きい。イングランドのサッカーの頂点を極めた選手の代わりは、そう簡単には見つからない。それはべンゲル監督も認めている。
「アーセナルのみならず、イングランドのサッカー全体に及ぼしたビエイラの影響はとても大きなものとなるだろう。サポーターたちの悲しみには私も同感ですが、逆に、だからこそこれからも私たちを信じて、応援し続けて欲しいと思う。次のシーズンはさらにパワーアップするよ。ビエイラが私たちの元を去るのは悲しいことだが、トップに上り詰めた時点で去るのは良いことだね」
 サポーターたちは、べンゲル監督がその期待を全面的にかける選手の名前が挙がるのをもう待ち望んでいる。もちろん、彼がビエイラをミランから引き抜いた9年前と同じ喜びをもたらしてくれることを願いつつ。今では、移籍不可能なリオ・マブバ、値段が高過ぎるミカエル・エシアンよりも、ニューカッスルのジャーメイン・ジーナス(22歳)の名がたびたび挙がっている。
(C)Athleteline
サッカー
[ スポーツナビ 2005年7月16日 11:07 ]
キャプテンがチームを去るというのは一つの時代の終わりを感じさせられる。かつてヴィエラはフランス代表やアーセナルでのタイトル獲得とともに「世界最高のCH」という称号を得ていたが、ここ1・2年ボール奪取とボールキープが少々衰えていたのも確かだ。本来攻撃の起点となるべきヴィエラが、逆に敵にボールを奪われピンチを招くシーンもいくらか印象に残っている。ただその攻撃力と存在感が無くなるという点は見逃せない。ジウベウト・シウバにかかる守備の負担も増大することだろう。セスク・フラミニ・そして恐らく補強するであろうもう一人のCH、この使い分けも重要だ。1stチョイスであろうセスクにはヴィエラ程の力強さはないが、ヴィエラにはない視野の広さと展開力がある。この移籍はチームのスタイルを変えてしまうほどショッキングなものだ。

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