マン・オン・ザ・ムーン ★★☆☆☆

オオカミ少年系おもしろ芸人、アンディ・カフマンの話。
まず結論から書く。全然面白くなかった。
先に結論を書いたのは、本作の題材が「面白さの追求」だったから。そういう意味でまず面白いか面白くないかを述べたかった。単純に、カフマンがやったとされているギャグというか笑いというのがどこが面白いのか全然理解できない。ナンセンスゆえの理解不能といえばそれまでだが、カフマンという人間のストーリー以前に彼の笑いが全く笑えないというのが非常につらい。
なんでそうなるかというと、早い話が日本人とアメリカ人の笑いの琴線の違い。これは文化的な背景とか、あと言語が持つ余韻のようなもの、そういうのがまったく違ったならば笑いも全然違う。前に日本の芸人の第一人者と言っていい松本人志が「アメリカ人を笑わせに行こう」という企画をやったがこれまた散々な結果で、日本人がアメリカ人に受ける方法を追求した結果、どっちも笑えない中途半端な映像になってしまったことからわかるように、悲しみ以上に笑いの感覚はまず文化圏ごとに、そしてそこから少しずつ人間一人一人が異なるはずです。
ここまでは「笑い」についての感想。では笑いのことは切り離して、「カフマンがアメリカでは非常に受けた、それはそれはもうおもしろ芸人である」ということを前提に彼自信の話の部分、裏切ることが笑いであるという彼の生き方はどうだろう。
正直ここも着いていけない。それは根底に「だっておもろくないだろ」というのがバーンと大きく横たわっているんだけども、それを除いてもこいつの芸はダメだ。だって裏切り方があまりにひどい滅茶苦茶な感じで、なぜこの人が伝説的な芸人になっているのかまったく理解不能。なんかもう童話のオオカミ少年を無視する老人どもの気持ちがわかる。ただのアホたれにしか思えん。
・・・ああもう、これじゃ堂々巡りだ。よし、今からおれアメリカ人。カフマン大好き。サイコー。とってもおもしろい。よしこれが前提。前提だぞ。まあでもストーリーはうまくできてるんだよね。素の自分の笑いが相手にされず、仕方なく迎合した反動で自分自身も笑いの方向がずれていってしまうという皮肉っぷり、この辺はいいと思う。だけどなぁ・・・・。
あと変なとこで、主題歌が歌詞にもアンディ・カフマンがでているREMのMan on the moon だったり(多分REMの方が先)、カフマンの恋人役がコートニーラヴだったり、若干ロック寄りみたいです。

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