Software Design 1992年4月号

特集は「これからのUNIXエディタ活用法」。毎度お馴染み、vi vs. Emacsから始まり、商用エディタMAX EDITORの話など。viはすでにこの時点で時代遅れの古臭いエディタ扱いされているが、そこから四半世紀たった今でもサーバ管理用途などではまだまだ現役(だよね)。

もう一つ面白かったのは「覆面座談会 X11R5 国際化対応ライブラリ「Xsi」完成の背景」という記事。このころX11R5がリリースされたのだそうだけど、そこで取り込まれた2つの国際化対応ライブラリ(要はインプットメソッド)のうちの一つ、Xsiの開発者らしき人たちの裏話が読める。もう一方のXimpが日本国内のことしか考えていないとかいろいろ辛辣な話題も多い。ちなみにググったらXsiはオムロン1社であるのに対して、Ximpは富士通、ソニー、富士ゼロックス、沖、東芝、日本サン・マイクロシステムズとUNIXメーカーがズラリ。なんか分が悪そう。

ちなみに更にググったら、結局X11R6ではXIMが登場してそちらに統一され、XsiとXimpは削除されてしまったそうな。

Software Design 1992年3月号

毎日更新と言いつつ、早速体調不良で一日飛ばしてしまった。残念。まあこりずにのんびり行きます。

本号の特集は「UNIX活用の要!データベース総点検」ということで、おそらくSD誌最初のDB特集なのかな?一応筆者はデータベース及び関連製品のプリセールスやコンサルティングが本業なので、大好物な分野だ。
記事は当時おそらくまだ珍しかっただろうRDBMSの説明と製品群の紹介などがメイン。面白かったのはRDBMSそのものよりも周辺の開発環境に言及している部分が多かった点。4GL(第4世代言語)なんて今はめったに聞かなくなった単語が頻出し、いかに帳票や画面が手軽に開発できるかという部分に注力を挙げていたようだ。いまだとそちらは汎用的な開発環境に任せ、DBはJDBCから呼び出せばOK、ってことになってもっぱらRDBエンジンの話中心になるので、ここでも時代の流れを感じる。
取り上げられているDBMSは以下の通り。

  • Informix
  • ORACLE
  • SYBASE
  • UNIFY
  • Empress
  • INGRES
  • G-BASE
  • Easy-Call
  • GemStone
  • ObjectStore
  • ONTOS
  • VERSANT
  • Objectivity/DB

なお、GemStone以下はOODBMS(オブジェクト指向DB)だ。知らないものも多いなあ。この中でそのまま繁栄しているのはOracleくらいか。InformixはIBMに買われ、SYBASEはSAPに買われてどちらも虫の息だけど、SYBASEのWindows版はSQL ServerとしてRDBMSの勝ち組に。INGRESからはPostgreSQLが生まれ(Ingresもまだ生きてるし、筆者もバッチリ仕事で関わっているが)、あとはここにはないMySQLが今の代表的なRDBMSか。OODBMSは知識がないのでわからん。

一般記事や連載は相変わらずオブジェクト指向とNeXTが多い。なんとなく記事の著者たちのノリが当時のパソコン雑誌を思い出して、今のSD誌とは違った雰囲気だ。これがここから20年でどのように変わっていくのか、それが一気に読み進める理由だったりする。

Software Design 1992年2月号

本号の特集は「実践第一!こうすればできるネットワーク」。UNIX系雑誌なのでTCP/IPネットワークの話が進んでいく。NFS, telnet, rsh系コマンドなど現在でもおなじみの(rsh系はsshに置き換わったけど)内容が続いて、今読んでも十分役立ちそう。
新連載では「コマンド探検隊」というのがスタート。第1回はcsh (1) とのことで、そういえば昔はcshも結構使ったなあと懐かしく思った。最近はLinuxしか触らないからbashばっかりだもんね。
この頃の本誌にはコラムが多いのだけれども、この頃の主な話題はUNIXの標準化の話(OSF/1 vs SVR4とか)やNeXTの話(技術系の連載にも多い)、あとこれからのCPUはRISCだ、とかの話題。自分がPCに触り始めたのがちょうどこの頃なので、当時の空気感をちょっと思い出した。

ちょっと面白かったのが「ほろ酔いUNIX」という連載にあったこんな挿絵。

どのOSが生き残るのか、というオッズだと思うのだけれど、26年後の今の状況で答え合わせをすると、
・Windows NT
・NeXT(の子孫であるmacOSとiOS)
の2つかなあ。
あとはSVR4系のUNIXとSolarisは息も絶え絶え、そしてこれらを駆逐した、この当時は学生が作ったUNIXもどきのおもちゃでしかなかったLinuxが3つ目の勝者だろうか(そういう意味では「その他」だね)。

Software Design 1992年1月号

再開、と言いつつまた1ヶ月放置していたので、今度こそ本当に再開。
まずは再開以前にやっていたSoftware Designのバックナンバーレビューの続きをやることとする。

前回は1991年まで終わったあと、古い記事は飽きたとばかり2014年に飛んで終わっていた。よって再開するのは1992年1月号から。目標は1日1号。とりあえず手元には2017年12月号まであるので終了まではまだまだ先だが、週ベ60周年企画の創刊号から毎日1号レビュー(単純計算で年50号 x 60年 = 3,000回?)に比べたら全然たいしたことないしね。

というわけで1992年1月号。特集は「これでいいのか?UNIXの日本語環境」というもので、まだまだ混沌としていた文字コードと入力環境、そして各種アプリケーションの話だ。筆者は勘違いしていたのだが、EUCはShift-JISと並行して普及していたわけではなく、Shift-JISから移行していったのね。Unicodeは1.0がすでに前年に登場していたらしいが、CJKが取り込まれたのは1992年6月とのことなので、この記事では影も形も出てこない。

あと一般記事ではC++とオブジェクト指向言語の話が多めかな。当時もてはやされていたらしいオブジェクト指向言語のEiffelって、今はどうなっているんだろう。
その他に気になったのは、新連載「体験的Interface Builder入門」。このNeXTの開発環境が、OSX / iOSの開発環境として数年前まで使われるくらい長生きするとは。そもそものできが良かったってことかな。

なお、この号では丸山不二夫氏が2本記事を書いていたが、ちょうど今日丸山氏のセミナー(マルレク)に参加していたので個人的にはタイムリーだった。

Software Design 2014年12月号

これでSoftware Design 2014年分のレビューも終わり。まあ実際は2015年1月号も2014年発売だし、既に書いた2014年1月号は2013年発売だけど。

第1特集はDockerの話。筆者も勘違いしていたが、Dockerはコンテナ型仮想化を提供するソフトウェアではないんだね。FreeBSDのjailとか、この手の仮想化は昔からあるので何を今更と思っていたけど、Dockerの真骨頂はdocker hub。出来合いのミドルウェア構築済みイメージを使い捨てで使うためのパッケージなんだね。

第2特集はVPN、というかSoftEtherの話。この記事の内容からは脱線してしまうが、httpsを使ってファイアウォールを抜けるという話を読んで、以前同様のトンネリングツールのstoneを使っていたことを思い出した。作者の仙石さんは長くKlabのCTOだった人。今はwol(wake on lan)のツールにもお世話になっている。

Software Design 2014年11月号

第1特集はInfrastructure as Codeの話、ということで、全体として仮想化やコンテナなどを使ってお手軽にLAMP環境をデプロイする特集かな、一言で言うと。前月号の予告だとLAMPの話となっていたが、実際はLAMPそのものの話ではない。

第2特集はサーバの目利きということで前月からのIAサーバの話の後編。こちらはネットワークとストレージということで、より種類が多くて分かりづらい(ということは商機がある)部分。前号と含めてここまで抑えておけばIAサーバの導入・運用は問題ないだろう。実際、近年だと一般的な構成のサーバであればクラウドを使うのが有力な選択肢となっているわけで、わざわざオンプレミスの危機を入れるのであればそれはある程度パフォーマンスが必要な尖ったマシンであることが多いだろう。そんなマシンをどう剪定するのかという知識は持っていた方が良いと思う。

Software Design 2014年10月号

第1特集はJava。定番ですな。Java8のラムダ式の紹介記事もある。Sparkの本を読んでいるとラムダ式の話がよく出てくるのだが、関数型言語のプログラミングではおなじみ。でもどんなものかを知ると、逆になぜ今までなかったんだろうと不思議に思うくらい自然な式だが。

第2特集はIAサーバのハードウェア入門。モロに今の筆者の仕事とかぶるんだが。今のサーバのハードウェアの基礎を抑えたい人にはオススメ。NUMAとかPCI Expressとか言われてもなんのことかわからん、という人向けかな。

Software Design 2014年9月号

レビューには書いていなかったが、これまで楽しみに読んでいた連載、「enchant 〜想像力を刺激する魔法〜」が今号をもって終了。プロダクトはもちろんだが、ベンチャー企業内部のヒリヒリした人間模様を垣間見せてくれて興味深かった。

第1特集はC言語のポインタとオブジェクト指向の話。筆者がC言語を学んだのがアセンブリ言語の後だったせいか、個人的にはそれほどポインタに抵抗は感じないのだが。X68000の時代だとメモリマップドI/Oに直接アクセスしてたし。
オブジェクト指向の話は、それオブジェクト指向をDISってる?ってくらい原理主義から離れた現実的なスタンスの記事だったので興味深く読めた。まあそうだよね。オブジェクト指向に不向きなところでまで使う必要はないよね。

第2特集のクラスタリングの話は本職に近い話だったのでこっちも興味深く読めた。特にMySQLなんかは。

Software Design 2014年8月号

第1特集はログを読む技術。ログの話を見ていると次のdb tech showcaseでネタとして使えそうなログって何かなとつい探してしまうのは職業病だろうか。
あとFluentdの話が最後に書かれている。ログといえば出てくるプロダクトで、MongoDBも一緒に触れそうだし、今更だけどそろそろ使ってみようか。

第2特集はLinuxカーネルの話。というかforkの話。カーネルというかOSについては一度ちゃんと勉強しなきゃなあと思ってFreeBSDの本を時たま読んでいるんだけど、なかなか進まない。

あとは先月号に引き続きHeartbleedの話とtcpdumpの話。昔のハブはバカハブだったからこういうので人のパケットも盗み見れたよねえ、なんて。

Software Design 2014年7月号

特集はNginx。ApacheとIIS以外使ったことなかったのでまあまあ興味深かったが、Web系のエッジサーバやリバースプロキシを扱うことはまずないからなあ。どちらかというともう一つの特集のDHCPの方が関わりは多そう。
あとはセキュリティ関連の連載で今号と次号で扱っているHeartbleedの話は押さえておきたい。