アルゼンチン 6 – 0 セルビア・モンテネグロ

サビオラ・メッシ

アルゼンチンやばい。WC本戦でGAMEではなくSHOWを展開してしまった。この前のスペインもそうだが、それ以上にここまでうまくいった試合は滅多にないんじゃなかろうか。
「死のグループ」の名の通り実力伯仲同士が相対する接戦が予想される試合だったはずだ。いくらセルビアの堅守の要Famous4(安定した4バックをサッカーでは度々こう呼ぶようだ。アーセナルファンとしてはアダムス・キーオン云々でもおなじみ)のうち2枚が欠けてるとはいえ、長期で戦う予選の失点数からしても、バックアップの守備陣がザルではない。しかも情報の不足している数十年前ならいざしらず、素人でもいくらでも情報の入る現代においてだよ。
全体的に目立ったのは、セルビア守備の寄せに対して、素早いパス回しで次々にかわしていき、それに各個の個人技やフリーランニングが合わさって得点が量産されたように感じる。前半の早い内は、セルビアもまけじとパス回しで崩そうと仕掛けていたが、そういう土俵でがっぷりやると、やはり南米のテクニシャン集団に一日の長があった。
6分に早々先取点が決まり、すでに勝ち点3のアルゼンチンと勝ち点0のセルビアにはメンタル面で相当差が生じたと思う。勝つためには最低2点が必要になったセルビアをいなすように、アルゼンチンは余裕のあるパス回しを展開する。ここでキーマンとなったのがやっぱりリケルメで、パス回しの緩急を指揮し、ゲームの流れをコントロールするまさしくゲームメーカーを担っていた。かつ、マスチェラーノとカンビアッソがリケルメの補助として相手の攻撃を潰し、最終ラインも安定していた。
本大会になってようやくペケルマンの意図が少しわかったよ。原さんも指摘してたが、ソリンの馬鹿上がりを前提としているため、変則3バックを想定したサネッティ切りだったんだな。ヘタにサネッティをメンバーに入れていると格からしてスタメンにせざるを得ないし、最初からすっぱり無くすことでチーム内の不協和音を寸断するためだとしたら大したもんだ。
期待を込めてスタメン抜擢したサビオラが前半の3得点すべてを呼び込む。不慮の交代で投入したカンビアッソが流れる展開から得点。あんなシーンがWCで見られるなんて。正直感動した。
乗ってる時というのは凄いもので、後半の交代も恐ろしいぐらい当たってしまう。テベスは当初乗り切れなかったものの持ち前のフィジカルの強さでゴールをむしり取り、メッシはマラドーナの目前で異才ぶりを発揮した。初出場で1ゴール1アシストなんて、こりゃ確かに「2世」、選ばれた人間だわ。
ベストゲーム候補だな。最高だった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA