パッション ☆☆☆☆☆(評価不能)

キリストが処刑される話。
自分は見る映画を選択する際に、基本的には事前情報をほとんど得ない。もちろん看板やDVDパッケージでわかるような「なんとなくの雰囲気」「役者」「タイトルから推察できる内容」や、「チラ見したCM・たまたま目に入った宣伝文句」などまったくゼロという状況は難しいが、例えばそこらへんの雑誌・TVの情報番組・DVDパッケージの裏などであらすじを知るような事はない。だからそういう事前情報の有無により、映画を見た後の自分の評価が他人の評価(全体的な評価の雰囲気)と結構違うこともある。要するにある情報をありきとすることで、評価の視点も違ってくるわけだ。そしてそれも個人的には面白い要素だと思っている。
で本作は、それが完全に裏目に出てしまった形だ。デフレはレンタル屋にも影響していて、5本1000円は当たり前、TUTAYAなど大手でも月1ぐらいは半額セールをやっている。そうなると一度に借りられる本数も増えるので、自分の様な偏屈野郎は「見たいと思ったやつ」だけを借りるのではなく、5本中1~2本、「この店がなんかしらんが推してるから」だったり、まったくランダムで選ぶようになってしまった。その結果は大体ハズレであることが多いが、たまーに良作や癖のある作品があって、これはこれで面白い。参考ブレイカウェイ
なげー前置き。要するにランダムレンタルなんだよな。そして、俺=日本人・無信教(家的には浄土真宗らしいがノータッチ)なやつが、ある宗教を真剣に捉えた映画を見るのはなかなか難しいもんだ。教祖誕生のようにあからさまに拝金主義宗教をパロディでこきおろすようなやつならまだわかるが、この映画の場合恐らく聖書の内容把握が前提とされているようだ。だって最初のシーンからしてなんだかよくわかんないし、結局最後まで「キリストさんがどうして既存の宗教家によって排除されなければならなかったか」についても触れられない。ということで、そういう内容に関する含みが一切無いため、正直この映画は「キリストが裁かれ十字架に吊されるまで」のドキュメンタリーチックな、記録映画のような感覚で見ていた。
前述した事前情報の有無で言えば、聖書・キリストさん拷問の理由・間に挟まれるショートエピソード(たぶん生前キリストさんが弟子にしてきたことを反芻しているのだろう)の意味が無の状態だから、そういうのをひっくるめて、「キリスト教」という事に関して自分はニュートラルな状態である。そういう自分がこの映画で受けた印象は、信念もって主張を貫いたキリストさんと、それに感化される少数の人間の心理変化、なげー拷問シーン、昔って相当理不尽な裁判やってたんだなぐらいのもんだ。
・・・・正直色々書くのは宗教に対する無関心・無知をさらけ出すだけなので終了。あでも自分が宗教に無関心なだけで、「人が宗教にはまるメカニズム・宗教の違いによる発想の違い」みたいなことには凄く関心あります。
※原題The Passion Of The Christのpassionは汎用意味の「情熱」ではなく「The Passion」でキリスト受難を意味するようです。

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