ボーン・スプレマシー ★★★☆☆

記憶喪失になったボーンが自分は何者かを追求していく話。の続き。
前作が「なんじゃこりゃ。」だったので見る前のハードルというか期待感は相当低い。続編らしいので一応なんらかの結末を迎えるんだろうが、CIAのトップが死んでしまってどういう構成にするのかが見所だった。
まずびっくりかついい決断をしたなと冒頭に感じたのが、ボーンの足かせとなっているファン・ニステルローイをあっさり無くしてしまったことだ。これによって、再びボーンがルーツを探るという動機付けにも合理性が出てくるし、なによりああいうあっさりとした切り捨て方は、前回のダメな部分を踏まえていますよという意思表示にも感じられた。
そして、前作ではコメディ映画かと思うほど馬鹿たれの集団だったCIAが意外とまともな集団になっていたことだ。それはもちろん、前回最後に馬鹿すぎて消されてしまったコンクリンよりもあの女ボスの方が優れているというのもあるし、女ボス自体がトレッド・ストーンの事について疑問を持っているという部分も関係している。
またボーンの相手である殺し屋も基本的には強敵一人に絞り、CIA内部にも女ボスと前作にも出てきたじいさんとの間に謎の部分を残し、見る側もボーンと共に段々そういう大きな謎に迫っていくという期待感もあおっている。その過程でボーンは情報を得るために組織と駆け引きをするのだが、その際暗殺者らしい気の利いた行動が随所に現れ、ストーリー的にもおもしろくなるし、ボーン自身にも感情移入しやすくなる。
結局最後にロシアの黒幕が捕まる部分は、唐突すぎてまたもや無理矢理感があったが、前作に比べれば遙かに見れる映画になっていて驚いた。きっと制作者がスポンサーに前作の試写会で相当怒られたんだな。
ただやはり前作同様、古来伝統のアクションとカーチェイスは未だ健在で、アクションに関しては今回敵が絞られ、世界各国の警察組織と言うことでまだいけるんだが、カーチェイスに関しては長い+車載カメラを使いまくってるので映像がぶれてなにやってんのかよくわからず、気持ち悪いという部分がなんだかなあという感じだった。
まとめると、前作に比べて
     前作                         今作
中途半端なアクション → ボーンVS組織の色合いが濃くなり、ライバルも絞られましな感じに
中途半端なカーチェイス → 変わらず+画面ブレで気持ち悪い
中途半端なラブ      → ファン・ニステルローイはあっさり死亡
中途半端な陰謀     → CIA内部にもさらに含みを持たせて広がった
とこのように、前作ありきで見ると相当進化していると思われる。

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