ケミカル51 ★★★★★

ドラッグの調合師がこれまでのつながりを払拭して新天地リバプールで一発当てちゃろうという話。
90分の中にテンポよく話を詰め込んでいるので非常に見やすい。主役の二人以外にもそれぞれキャラ立ってるやつが多く、それがうまい具合にからまってくるという濃い内容を濃縮したためいわゆる「時間を感じさせない」映画に仕上がっているのだろう。
内容はドラッグに絡む非合法組織とドラッグ調合師と殺し屋という重い感じなんだけど、肝心な場面で入ってくる笑いの要素と、現実にありそうなドラッグと若者のカジュアルな関係をモチーフにしているので、例えばトラフィックにあったような麻薬問題に一旗揚げちゃろうみたいな姿勢は皆無だ。スピード感と展開の妙を軸に、おもしろおかしくを最後まで貫いている。
それを外堀から囲むようなのは、細かい部分だがそれぞれキャラのこだわりが感じられるところだ。エルモのスカートと常にゴルフバックというのはじわじわ効いてくるし、フィーリクスのリバプールユニにスーツという組み合わせがいい。
緩急を付けたカメラワークや銃撃戦のライト感は最近のかっこいい系映画を煮詰めた感じ。それこそパルプフィクションのサミュエル・L・ジャクソンと、トレインスポッティングでおいしい役柄にあったロバートカーライルの共演で、それプラスロック・ストックなんたらかんたらを進化させたような作りは見事だ。あと殺し屋の姉ちゃんがすごいかわいいのもよし。
イングランドのリバプールが舞台ということで、サッカーと街の人との関わり方も重要になっている。ユナイテッドサポーターとのやりとりや、フィーリクスがリバプールサポーターであること(昔のファウラーのユニを着ている)、そしてクライマックスのアンフィールド、you’ll never walk aloneなどサッカーファンは少し楽しめる。

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