北北西に進路を取れ ★★★★☆

広告屋のソーンヒルは、カプランという男と間違われて、ある男に拉致されてしまう。殺されそうになりながら、辛くも生き延びたソーンヒル、自己に及んだ厄災の原因を突き止め、拉致した男をみつけだそうとし、キーキャラ「カプラン」とは何者かを捜しに出かける。
展開に御都合的なものはあるけれどもそんなのは枝葉末節、話が進むにつれ盛り上がるように常に盛り上がりを持続させるようなストーリーがまず凄い。物語の序盤にいきなり主要キャラが多く登場し、しかも拉致した側は所々しかその後出ないので最初からとまどってしまう。イマイチわけがわからぬまま物語は進むうちにまたいきなり重要なシーンがなにげなく出される。
そうして、クライマックスに近づくにつれ前のシーンを思い出す、前後関係のつながり、おおおおお!なるほどなるほど。あとは自動的にハッピーエンドへ。ヘコミがない。
21世紀、現代に生きる者がこの1959年製作の映画を楽しんで観れるのは、恐らくこれがこの後の映画作りの教科書的作品になっただろうと思えるから。現代の映画でも脚本骨子はこの方法が主流だと思う。そのオリジナルがこれ。青は藍より出でて藍よりも青いのだが、やっぱり藍も青いんだな。

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