復活の日 ★★★★☆

1982年、人類は人類によるウィルスのために死滅した。世界中が廃墟と化す中、ウィルスが零度以下だと機能しなくなるという特性のために生きぬいたのは、南極にいた各国の調査団。人類の生き残りは彼ら八百余名だけである。人類は果たしてどうなるのか、スケールはやたらとでかい。
どうも自分には70~80年代のカドカワ映画が合うみたいだ。今のところ観た映画でハズレはない。まあそういう映画ばかり狙って観てるというのもあるが。最近も「リング」シリーズがヒットしたが、小説の映画化、そして時代の要求を刈り取る、こういうのは得意なんだろう。
それにしても、この映画はスタッフから演者までビックネームが連ねる。監督深作欣二、原作小松左京、撮影木村大作、音楽羽田健太郎、そして演者は、主役草刈雅雄、他の主役級はすべて外国人なんだが、脇役に緒方拳、渡瀬恒彦、千葉真一など、もうすごく豪華なんである。これだけの演者に先ほどのスタッフ、いい映画に仕上がるのが仕組まれてるような感あり、それに被さるは小説家の原作。万全である。外国人演者もかなり良くて、中には「人間の証明」のあの刑事もいる。
肝心のストーリーはしっかりした原作があるので面白い。しかも原作映画の必然であるハショリについては、この映画は2時間半をフルに使い、肝心な部分は遠回しで見せ、ハショれる部分はニュアンスで伝える、これも監督のなせる技で見てて間延びしない。
世に数ある大作のうちそれがポシャるか成功するかは、大作ゆえの自己主張がいかに押さえられるかという点も大きいと思う。この映画では主人公をヨシズミ(草刈雅雄)にしぼり、名優を名脇役として花を添えてもらう、後はスタッフが仕上げる、こういう連携のなせる技でかなり面白かった。ラスト、「Life is ・・・・・・」これがくるとわかっていても感動してしまう、これは面白いという証拠だ。
ただいかんのが、日本映画だけども外国映画ともいえる外国人演者の多さ、それに伴う字幕の多さ、その字幕がメチャクチャ見づらく、これはどうしようもなかった。そんな戸田奈津子系字幕係に-1。

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