ロリータ ★★★★☆

ある大学に教授として招かれた作家が家を探していた。部屋を間借りする事になったのだが、その家の一人娘ロリータに惹かれ、やがてそれは異常な愛情の形になってしまう。恐らくこの映画がロリコンの語源なのだろう。
この作家のオヤジはまさしくロリコンである。つまり少女に異常な愛情を注ぐのではなく、ロリータが好きなのである。この異常な愛し方は滑稽を通り越して怖い。その理不尽な言動にロリータが抑圧され、それでもロリータはこのオヤジに付いて行くんだから、ブチ切れきれないロリータにヤキモキしてしまう。
それぐらいこのオヤジの異常な愛情は甚大なものである。逆に言えば今の一般的なロリコン野郎ども、ただ少女が好きで、少女という総体に興奮を覚える程度の輩どもは、この”ロリータ”コンプレックスオヤジから言わせれば、ロリコンという言葉を使って欲しくないぐらいその純粋さにおいて足下にも及ばない。このオヤジのロリータへの純粋さは人殺しも辞さず、ぐらいの勢いである。
純粋の中には必然、不条理が伴い、また純粋が故にその不条理をもネジ伏せてしまう力を持つ。これは永遠のテーマでもあり、人間のおかしさ、怖さの本源とも言える。キューブリック最高!

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