<%@page import="java.sql.*"%> <%@page import="atmarkit.MyDBAccess"%> <%@page contentType="text/html;charset=EUC-JP"%> トルコ 0 - 0 イングランド
トルコ 0 - 0 イングランド

EURO2004予選の最終日、フランス・チェコ・ドイツなどすでに結果を待たずして一位通過が決定している優勝候補国をのぞき、一位か二位か、ストレートインかプレーオフかが決定する試合が多数組まれた中、試合前からもっとも注目を集めたのがこの試合だった。

イングランドはこれまで7戦6勝1分の勝ち点19、対するトルコは6勝1敗の勝ち点18、単純に考えるとこの試合の勝敗如何で一位・二位が逆転するというものだが、それ以外にも例えばトルコサポーターの凶暴ぶり、イングランドサポーターの入国禁止、アランシアラーが解説としてトルコへ、オーウェン(怪我)リオ・ファーディナンド(メディカルチェック忘れ)の離脱など、周辺の話題が盛り上がったのが注目を集めた主な要因だった。それ以外に内容面に関して、攻守の要であるFWとCBが離脱したことで、トルコが歴史上初めてイングランドに勝利するかもしれないという状況もあった。

イングランド国歌で大ブーイング、トルコ国歌では大合唱というイングランドにして完全アウェイの環境。イングランドは抜けた大看板2枚の穴埋めにヘスキーとジョン・テリー、ヘスキーはともかくテリーではCBとしてファーディナンドのバックアップ足り得ない。しかもGKはウエストハムのジェームズということで、確かに守備面での不安はかなりあった。

一方トルコは現状でのベストチョイスなんだろう。バシュトゥルクやハサンが出場しないのは戦術上のオプションとして、一度代表引退を表明したトルコのパスサッカーの要、トゥガイが戻ってきていたのはうれしい。トップは”電柱”ハカン・シュクルと、昨年の大活躍で一気にスタメン確定させたニハト。

試合開始からトルコのホームゲームとなるのだが、決定機にまで至ることがない。逆にイングランドは少ないチャンスを活かす形で、ベッカムのクロスから度々形を作った。イングランドの両SBはバランスを取る形であまり攻撃参加することはなく、イングランドの堅いディフェンスが続いた。

そして30分過ぎぐらい、トゥガイがジェラードをPAで倒しイングランドPK獲得。蹴るのは当然ベッカムだが大ズッコケしてしまいチャンスを逃した。これでそれまでのおかしな具合が見えてきた。グラウンド状態が滅茶苦茶になっているようである。確かにトルコのボールつなぎは、さばいているうちにミスでイングランドボールとなることが度々あった。トルコのやりにくさも合点がいく。

またトゥガイはいつものようにバランサーとして動いていたが、エムレが中に中に絞ってしまいセルゲンとポジションバッティングしてしまう場面も結構あった。このため左サイドの動きは左SBに任され、サイド攻撃があまり機能しない。

後半になるとイングランドは当初のゲームプランであったかのように0−0の引き分け狙いな感じになっていた。守備の時は全体が自陣に戻り、あまりアタックはかけずトルコのミスを待つ。トルコの肝であるパス回しも劣悪なグラウンド状態のせいでうまくいってなさそう。

トルコはトゥンジャイ・イルハンと2枚FWを入れて攻撃の厚みを持たせたが、またもやグラウンド状態のために持ち前のスピードが活かしきれずに時間は経過する。イングランドは一つのカウンターで決定機まで持っていく感じでかなり効率がいい。ダイアーに交代してからはそのスピードでサイドを突破する場面や、リュシュトゥと激突した場面があった。

結局トルコはイングランドに勝てなかった。イングランドは頼れる2枚がいなくなった分、全体に守備の意識があったんだと思う。またゲーム前から「アウェイであれ負けなきゃいい」という共通理解はあったはずで、そうなると2002年が思い出されるようなカウンターチームとなることも辞さないんだろう。

トルコはタレントがそろっているもののキャラが被りすぎてる感じだった。バシュトゥルクというオプションがあるなら、彼のドリブルをアクセントとして使ってもよかったのでは。あと主審がコリーナということで完全ホームの環境を活かせず、逆にバランスを取る形でイングランドの方に気を遣う判定をしていたのも見逃せないことだ。

この結果トルコはプレーオフに回り、ラトビアと当たるがまず突破は間違いない。ただこの試合を見て、あるいはチェコーオランダでの力強いチェコの様を思いだし、トルコ優勝はもちろんベスト4もきつい気がしてきた・・・。