発売日
定価
メーカー
ジャンル
1985年2月22日
4,900円(税無)
ハドソン・ブローダーバンド
シューティング
ゲームの内容とゲーム進行
プレイヤーはヘリコプターを操り、巨大なバンゲリング帝国を攻撃する。ヘリコプターの武器は通常攻撃である
バルカン砲と、工場および戦艦への攻撃に使用する
爆撃用の爆弾の二つ。帝国内にある
6つの工場を爆撃し、すべて破壊すると面クリア。その際ヘリコプターに対しては哨戒挺・戦車、高射砲や戦闘機、戦艦が工場を爆撃させまいと、とんでもなくえげつない攻撃をしかけてくる。ダメージ累計が100以上になるとヘリコプターは撃沈して一機減るが、この際落ちゆく機体を工場などにぶつける玉砕アタックも可能である。。
さらにもう一つの要素として、自機ヘリコプターの旗艦に対しては
敵の爆撃機(常に二対)が爆撃で沈めよう(SUNK!)とするので、これを阻止するため
ALERTが鳴るたびに旗艦を助けに向かうという、攻撃だけでなく防御の意識も求められる。
ヘリコプターは旗艦に停泊すると爆弾が補給でき(
最大9)、さらにダメージを回復できる。旗艦が破壊されてもそれでゲームオーバーではないが、これがSUNKされてしまうとヘリが帰る場所がなくなるのでほぼ終わりと言える。
つまり全体の流れとしては、ヘリコプターで工場を爆撃しつつ、爆弾がなくなったりダメージを喰らうと旗艦で補給しつつ、旗艦に攻撃があれば一目散に助けに行くという、正直やること多いし時間かかる。
発売当時、本作と「
ボンバーマン」と「
チャンピオンシップ・ロードランナー」が「
バンゲリング三部作」という位置付けでいずれもハドソンから発売され、バンゲリング帝国の外での攻防が「バンゲリングベイ」、中が「チャンピオンシップ・ロードランナー」、そのロードランナーの敵は「ボンバーマン」で、自身はボンバーマンの生まれ変わりだった気がする。こんな感じのことが当時のコロコロコミックの中の、「
ファミコンロッキー」でなんやらやってたような・・・。名人以前にも、ハドソンはコロコロをうまいこと使っていたんですねぇ。
しかししかし、これはおそらく全国規模で「
バンゲリングベイ=キング・オブ・クソゲー」という認識がなされているのである。その証拠に当方が所持するファミコンソフト最安値は、本作と燃えプロの
10円。それは子供時分に本作をプレイした場合、おそらく「なにをやればいいかさっぱりわからん」、子供は当然説明書なんて読みませんから、こんなやることが多く戦略性の高い、しかも超絶な難易度であるバンゲなんぞ、敵をどんどん倒していると勝手にボスにたどり着きそれをやっつけるとゲームクリアという、いわゆる普通のシューティングゲームとは一線を画するシューティングだったのでクソゲーの烙印を押されているのだろう。このへんはナムコの「スターラスター」も同じだと思う。
自分は運のいいことにこれらを定価で購入することはなかったが、焼鳥屋のせがれのH君がたしか、バンゲとスターラスターを同時に所持してて、当然定価で買ってて、おそらく当時小学生なもんだからH君の家で平気で「つまらんやっか」(方言です)とか「いっちょんおもしろうなかぞ」(方言です)とか罵倒しまくってたことだろう。それはバンゲやスターラスターと言うより、それを選んだH君自身に向けられるものだから、キツイ話ですね。
ゲームの特徴
リアルタイム戦略シューティングと呼ばれているように、本作は単純なシューティングではない。スーマリと同じように、
バンゲリングベイであることそれ自体が特徴であるとも言える。
ひとつひとつ見ていくと、まずはその操作性。これが一番の取っつきにくさなんじゃなかろうか。ヘリコプターを操縦するので至極当然のことではあるが、まずバルカン兼用のAボタンで
ホバリング、あとは進みたい方向に十字キーを入力するとその方向に動くという、
8方向の操作系の設計が当時はまったく受け入れられなかった。
つまり、直進していて止まりたい時は、進行方向と逆方向にキーを入れて、ホバリング状態にせねばならない。これが結構微妙な操作を要求され、レスポンスのいいコントローラーでないと微妙なヘリ操縦が難しい。これほんと難しいのよ。さらにダメージを喰らうとその分操作性が悪くなるときたもんだ。
次に、
工場は時間とともに耐久性を増していくので、どの工場から破壊して、どういう経路で攻めるかを考えなければならない。バンゲリング帝国の工場配置は面が進んでも全く変わらないが、工場周りの高射砲とかレーダーが呼ぶ戦闘機なんかがどんどんどんどん増えていくので、とにかくスピード攻略が要求される。そうなるとかなり繊細なホバリングが要求され、最終的には
移動しながら爆撃せねばならなくなるので、面が進むにつれて工場爆撃の能率は落ち、それとともにプレイヤーの精神状態も崩壊寸前、体力や精神力を吸い取る、これぞゲーマーへの挑戦状、漢のゲームである。
あとおもしろ要素として、シューティングのくせに
二人対戦プレイが可能であったということ。どうやるのかというと、まず1P側は通常通り、そして2P側はバンゲリング帝国を指揮することになる。たしか、2Pのマイクで「
ハドソン!」と絶叫するとヘリコプターの周りに戦闘機が集まってきたような・・・・。たしか当時のCMが「
ハドソン!って絶叫しろ」みたいなCMだったような・・・。この場合、絶叫ワードは当然「
ハドソン!」に限定される。
ゲームの攻略
1.工場の爆撃順序
まずはMSペイントでテキトーに書いた、バンゲリング帝国の全体図とその爆撃経路を見てください。スタート地点から考えて、また時間とともに増す爆撃回数から考えて、まずはスタートから右の補給所がある2カ所→そしてその下の1カ所→その右の1カ所→旗艦にもどり左の2カ所、こういう順序で攻めるのがいいような悪いような・・・。
1面限定の話ではあるが、まず
(1)を爆弾7-8発で破壊し、上にある補給所で補給、そして
(2)を9-10発で(できれば一回がいいので9発)破壊、また補給所で破壊して
(3)に向かう、たぶんこの辺で最初のALERTがあると思うので
(3)を爆撃後旗艦の救援、そして旗艦で補給して
(4)の爆撃、あとの
(5)と
(6)はそのときの旗艦の場所により変えるとよい。
面が進むにつれて、かなり敵の攻撃がえげつなくなるが、順序はこれ固定でいいと思う。
2.敵の対処
以下のことは、「テキトーでなく
高い確率でピンポイントでバルカン砲を敵に打ち込める」、これが前提。
1.哨戒挺・戦車
1・2面は全く無視してよいが、3面以降のランダムダメージが1から
10に大幅アップ。こうなると無視できない存在になる。ヘタするとランダムダメージだけで50ぐらいいってしまう。なので、3面以降はなるべく倒すか、できるだけ避けて移動するのがいい。
2.レーダー
ある意味最強の敵。画面上で少しでも発見されると、とくに後半戦になるとそれだけで戦闘機が5-6体やってくるという、これに
見つかるか否かで爆撃の能率が全く異なる。できることなら大体の場所を覚えて、避けて移動するべきだがなかなかそうもいかないので見つけられ次第破壊。これしかない。
3.高射砲
1面は工場爆撃の前に周りのをピンポイントで破壊するだけでいいが、2面以降は
誘導ミサイルを撃ってきやがるのでなるべく避けるor迅速な掃討が必要になる。誘導ミサイルは通常とにかく方向を変えながら移動すればまず当たらない。誘導を連射することはないので、誘導ミサイルを避けている間に高射砲や戦闘機を破壊するのがベスト。
4.戦闘機
いざ爆撃しようとするとタイミング良くやってくるバカなので、これはシチュエーションによって色々異なる。まず(1)パワーが十分あり、工場破壊までまもなく(
工場の点滅が止まる)の場合、これは
強引に爆撃に行く。1発ぐらいは喰らっても工場破壊を優先。次に(2)パワーはあるが工場がまだ破壊しきれない場合、これは
戦闘機をやっつけてから爆撃するように。めんどくさいかもしれんが、この心掛けがないとなかなか面クリアは難しい。そして(3)パワーが無いとき。これは
一目散に逃げる。
5.爆撃機
ALERTが鳴った瞬間にこいつらの出現が判明する。通常はその段階で救援に向かう。これ基本。こいつらの怖いのは旗艦のSUNKだけなので、腕に自信があれば目先の工場爆撃を優先させてもいい。ただ、通常は基本通りに、
ALERTが鳴ったら即旗艦救援。
6.戦艦
画面上に「WARNING」が出たとき、それは戦艦の建造に取りかかったという合図であるが、この段階で戦艦を爆撃して粉砕することもできる。ただしこれは結構めんどくさいので放置してもまあかまわない。それに、戦艦との対決はいい腕試しにもなるし。ただ戦艦が怖い理由が、誘導ミサイル以上に
旗艦を発見次第それを破壊しようとする特性。この辺もスピードクリアが求められる理由でもある。
3.ヘリの動きをマスターせよ
以上のように、まずは通常爆撃に必要である、的確なピンポイントのホバリング、そして後半戦の、高射砲が壊しても壊しても復活しさらにそこに戦闘機が5体ぐらい攻撃してくる中で、それらを破壊しつつホバリング爆撃あるいは移動しながらの爆撃ができるだけの、繊細なテクニックが要求される。またそれが可能にさせる
レスポンスのいいコントローラー、これも重要。
4.それでもねぇ・・・・。
今まで偉そうに書いてすいません。正直、
6面までが最高。これエンディングは果たしてあるのだろうか。すごく気になる。
総評
今までプレイしたなかで、そりゃもうファミコンだけで500本近く(初プレイ即リセット込)やってるしそのほかも当然色々やってるわけで、そんな膨大なソフトの中で
私は一番おもしろいゲームを「バンゲリングベイ」であると、仮に人に聞かれたならば即答することでしょう。よっぽどの名作が現れない限り、これは揺るぎないと思う。
その理由は、つまるところその強烈なゲーム性と難易度に伴うエンドレスプレイが可能という点で、しかもまったく理不尽ゲームなんかではない、すべて撃沈されるや否やは己の腕次第という、かなり
漢気溢れる姿勢がたまらんわけです。
しかしまぁ、このバンゲの漢気を気付かされたのも大人になってもう一度プレイした時なわけで、是非幼少期にトラウマっている方々ももう一度プレイして欲しいものです。
本稿を読みまして興味もたれた方は、是非こちらの
「バンゲリング帝国復興計画」を訪れてみてください。そして精進あるのみ。