π(パイ) ★★★☆☆

天才数学者が、自然界のあらゆる事象を数式化、その法則を解き明かそうとしてついに216の数列にたどり着く。それは株式の相場をもすべて予測できる法則を秘めており、やがて数字にとりつかれた数学者は、自らも数字によってイカレてしまうという話。
「脳が数字に殺される。」こういう副題が付いていたんだが、観ているこっちは脳が映画に壊されかけた。まず観たときは体がしんどくて、だる~い気分で始まり。モノクロ映画なので、こういう気分の時に例えば走り回る映像があると、当然画面がぶれまくってなんか神経が逆なでされるような気になった。イライラ。
さらに、数学者の精神状態を表そうとしたのか生理的に受けつけがたい音が延々と垂れ流される。電話のベル音とかドリルの音とか。あと全体的にテクノが含んであるんだが、自分の体の状態、精神状態によってはただイライラしてくるだけだというのがよくわかった。結局観るときの気分、体調によって感じ方は大きく異なるということだろう。
考えようによっては観ているこっちも精神が壊れかけたんだから、それぐらい入り込める映画ともいえる。ただしそれは映像の話で、確かに新感覚ホラーなのかもしれん。過去にあったホラー映画の、瞬間的な視覚による恐怖とは異なる、五感を駆使したジワジワくる恐怖というか、恐怖を通り越してイィィィィィーーってなるような、もう精神に突き刺さるものだ。
そう考えると陽気な気分で観てるよりは、最初からだる~い気分で観てる今回は結果的によかったかもしれん。仮に陽気な気分で観てたら・・・・・?想像を絶するな。

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