本号はまず冒頭に「Microsoft Windows NT 日本語版[ベータリリース]」のスペシャルレビューが14ページに渡って掲載されている。ここ数号でWindows NTがリリースされたという情報が各記事に書かれており、英語版の軽いレビューも以前の号(たしか10月号だったか)に載っていたのだが、ここで日本語版が出たということで大々的に取り上げられている。当時のSD誌のサブタイトルが「UNIXとワークステーションの情報誌」なので、ワークステーションOSであるNTを取り上げるのも当然か。
特集は「これで完璧!UNIX=PCネットワーキング」。PC側にTPC/IPスタックやUNIX互換の各種ツールをインストールしてUNIXにつなげようという趣旨の記事だ。もう忘れている方も多いかもしれないが、Windowsは3.1までTCP/IPスタックをOSで標準サポートしていなかったので、各種サードパーティ製ツールが販売されていた。真っ先に取り上げられているのが「CHAMELEON TCP/IP, NFS」というツール。カメレオンかあ、懐かしいなあと思ったが、自分が知っているのは後に出た廉価版のInternet Chameleonだった。ついでにいうと自分が使っていたのはこれでもなくてTrumpet Winsockだった。。。
Solarisに関する記事で、「Solaris 2.2の使用感」というのが掲載されていた。冒頭でもうバージョンアップかという旨の記載があったが、調べてみると2.1から2.2リリースまでは半年だったようだ。Solaris 10から11まで6年かかっていたことから見ると、当時はまだまだ発展途上だったということがわかる。なお念の為補足すると、1998年リリースのSolaris 7からバージョン番号の2.xが省略されて少数第1位が整数に昇格している。
1年ほど連載していた「平成こだわり倶楽部」が最終回。前回まで2階に渡ってプログラミング言語の歴史、最終回はテクニカルライティングについてと、今でも知っていて損はないネタ。それにしてもおそらく新世代という意味で使われていたと思われる「平成」を関した連載を、平成最後の秋にレビューするのも感慨深い。
さて、ここまでで1993年は終わり。創刊当初のPC雑誌からは様変わりしているが、まだ個人でワークステーションを使うという目線がメインとなっているので、やはり今とはテイストが違う。これが今と同じような誌面になるのはいつになるだろうか。