クンドゥン ★★★★☆

ダライラマ14世の話。
まずストーリー云々の前に、学校の世界史ではかなり軽視される、今生きている我々にもリアルタイムで関わっているであろう現代の歴史をこういう映画を通してリマインドする意味というのは大きい。自分が行ってた高校の世界史の教師がかなりイカレた野郎で、二日酔いで酔っぱらって授業してるような奴だったので、最後の方は時間が足りなくなりかなり適当にやられてしまった。なので現代史ほど授業で習うというより本やニュースで知った印象がある。
で、本作はそのダライラマ14世がチベット仏教の慣習通り見いだされ即位した後、中国の理不尽でインドに亡命するまでの話である。おそらく今なおインドに亡命したままだったと思うが、今までの中国、国際社会からすれば経済的にも中級でただ国土がだだっ広く人が多いヤリマン大国の中国から、いよいよ経済立国を目指している現代の中国へと変貌するにあたって、そろそろ台湾とこのチベットの問題が大きくなる時が来るだろう。
つまりどこがいけないかというと、たぶん中世とかならば中国の行為は単なる領土拡大行為、正当なる戦争行為だったと思うが、現代のようにマスコミが発達した国際社会のコンセンサス、大義名分がなければそういうことは許されないという大昔との違い、そして明らかにWWIIの終結のどさくさに紛れてやっちゃったこと、このへんは日本の北方領土とも似ているが、本編でもあるように実際にチベットに攻め込まれボスが亡命するほどのことだからこちらの方がでかい。
そしてまたその亡命シーンがうまいこと作ってあり、なんというかたぶんダライラマも抱いたであろう観念的なリアルさが感じられるというのがいい。美しく見せすぎということもなく、逆にそれがストレートにさらっと入ってくるような感覚で、このリアルさは凄いと思う。
それ以上に、冒頭にも書いたとおり現代の今起こっている歴史的事実を振り返るという意味でまず見る価値がある。いい映画だと思います。

みんなのいえ ★★★☆☆

作家夫婦が家を建てる話。
まず全体の感想として映画を見ている気はしなかった。そこらへんのテレビの2時間ドラマを見ている感じ。この映画とテレビドラマの線引きを説明するのは難しいような、見る側の感覚なんだけれども、例えば自分の場合テレビで放映されている映画はまず見ない。CMによって寸断されるから。そういう意味では本作の途中にCMが入っていても特に気にならないと思うので、それくらい画面に引きつけられるものがなかったから、そのへんが線引き。
あと配役がきつかった。★★★の大部分は邦衛が支えている。これまで北の国からとか青大将とかで見せた彼の新作を見れた心地がそうさせるのだろう。例えるなら、サバイバル1-6巻が完結した20年後くらいにサバイバル番外編が出版されて、その内容如何にかかわらず評価は高値安定すると。
 
要するに、パッとせんのです。コメディというわりに全然笑えないし、新旧職人の葛藤もありがちなまとまり方、こぢんまりとしているのがかわいらしいというか、そう、パッとしない。

ひとごろし ★★★★☆

臆病者の侍が、武芸で名をなしている浪人に上意討ち。その作戦が「ひ・と・ご・ろ・し~」
かなり久しぶりにテレビで放映されていた映画を積極的に見た。というのも本作の存在すら今の今まで知らず、しかも松田優作主演だったのでまあしょうがねぇかなと。これから見れるかどうかわからないし。
松田優作作品というのもなにが基点になるかはわからないけれども、確実に以前と以後があるわけで、例えば代表作人間の証明遊戯シリーズ3つ蘇る金狼野獣死すべし、家族ゲーム、探偵物語、ア・ホーマンス、ブラックレイン、あきらかにアクション俳優としてのヒーロー像と、その後のなんでも味が出る松田優作という存在のようなもの、そういう意味では本作は後者に位置する作品であるし、少しコメディチックな面白い映画もOKであると。
なにがどういうふうにおもろいのかというと、まず優作が「ひ・と・ご・ろ・しぃー」と叫ぶシーンがいっぱいあるんだけど、これだけでおなかいっぱいになれる。だっておもろいんだもん。いやもちろん、本作になにがしかの特徴のある独特な雰囲気の斬新な映画かというと決してそうではなく、それゆえ後世に残っていないのだけども、単純な「おはなし」としておもしろかった。ただ、それだけ。

仁義なき戦い 頂上決戦 ★★★★☆

広能組となんだっけか・・・、なんとか組の戦い 其の四。
やくざ映画と言えば仁義ですね。最近のやくざ映画とは違い、まずやくざ群像劇であるということでストーリーが見応えあるというのがよろしい。最近のは例えば、竹内力先生とか小沢仁志とか清水健太郎とか、とりあえずアイドルありきのやくざ映画ばっかりで、そのアイドルの視点で描かれアイドルがすべて正義であるというのが自分にとっていわゆるやくざ映画を敬遠する大きな理由であるが、このへんは趣向の問題だな。だってかっこよくないんだもん。清水健太郎のあのもみあげどうにかしてほしい。
その点、文太兄ぃの一言一言は重みが違う。広島弁で「シゴウしたれや」「~~じゃけぇのう」とか言われるとそれだけでノックアウトされます。もちろん準主役の達ちゃんとか旭とか、そのほかにも今では名の知れた役者でもその当時はコワッパであった、黒沢年男とか小林年待、そして青大将=邦衛!邦衛さえ出てればすべてがOK!邦衛最高!
ただ難点が、冒頭にそれまでのあらすじのようなことがバーっと述べられるのだけども、もちろん前作までをきちんと見ていればそれはそれで確認のためにいいんだが、当方いきなりパート4から見てしまったので互いの関係を把握するのに手間取った。結構わかりにくいのでこれはパート1から素直に見るのをおすすめします。

スーパーマリオ マイナス面への道

ややこしいことはまったくない。少しコツをつかめればすぐであります。舞台は1-2。前提としてファイアマリオで1-1をクリアする方がいい。方法は、簡単に言えばマリオ(キャラ)の軸ずらしです。
1-2の道中で、マリオの画面に対する中心軸を少しずつ右にずらし、最後のワープゾーン(通常なら2-1、3-1、4-1に通ずる)からマイナス面へ行くのが基本。
具体的には、道中にあるブロックを使って軸をずらすのだが、まず頭上のブロックに対してマリオを半身の状態にする。そしてジャンプするとマリオが少し右にずれるはず。これをラストのワープゾーンまで可能な限り繰り返して、軸をどんどんずらす。最終的には、タイム表示の部分近くまでマリオが進んでいる必要があります。
     ***
     ***  ←ブロック
     ***
   ↑
   ジ  +++
   ャ  +++
   ン  +++ ←マリオ
   プ  +++
   !  +++
これが
     ***
     ***
     ***  
         +++
         +++
         +++  ←マリオ
         +++
         +++
こうなる。
肝心なのは左に移動しないこと!これをやるとそれまで軸をずらしたのが無駄になってしまう。これは気をつけよう。

バンゲリングベイ


発売日
定価
メーカー
ジャンル

1985年2月22日
4,900円(税無)
ハドソン・ブローダーバンド
シューティング

 ゲームの内容とゲーム進行

この殺伐とした感じがこれからの闘いを語っている
プレイヤーはヘリコプターを操り、巨大なバンゲリング帝国を攻撃する。ヘリコプターの武器は通常攻撃であるバルカン砲と、工場および戦艦への攻撃に使用する爆撃用の爆弾の二つ。帝国内にある6つの工場を爆撃し、すべて破壊すると面クリア。その際ヘリコプターに対しては哨戒挺・戦車、高射砲や戦闘機、戦艦が工場を爆撃させまいと、とんでもなくえげつない攻撃をしかけてくる。ダメージ累計が100以上になるとヘリコプターは撃沈して一機減るが、この際落ちゆく機体を工場などにぶつける玉砕アタックも可能である。。
さらにもう一つの要素として、自機ヘリコプターの旗艦に対しては敵の爆撃機(常に二対)が爆撃で沈めよう(SUNK!)とするので、これを阻止するためALERTが鳴るたびに旗艦を助けに向かうという、攻撃だけでなく防御の意識も求められる。
ヘリコプターは旗艦に停泊すると爆弾が補給でき(最大9)、さらにダメージを回復できる。旗艦が破壊されてもそれでゲームオーバーではないが、これがSUNKされてしまうとヘリが帰る場所がなくなるのでほぼ終わりと言える。
つまり全体の流れとしては、ヘリコプターで工場を爆撃しつつ、爆弾がなくなったりダメージを喰らうと旗艦で補給しつつ、旗艦に攻撃があれば一目散に助けに行くという、正直やること多いし時間かかる。
発売当時、本作と「ボンバーマン」と「チャンピオンシップ・ロードランナー」が「バンゲリング三部作」という位置付けでいずれもハドソンから発売され、バンゲリング帝国の外での攻防が「バンゲリングベイ」、中が「チャンピオンシップ・ロードランナー」、そのロードランナーの敵は「ボンバーマン」で、自身はボンバーマンの生まれ変わりだった気がする。こんな感じのことが当時のコロコロコミックの中の、「ファミコンロッキー」でなんやらやってたような・・・。名人以前にも、ハドソンはコロコロをうまいこと使っていたんですねぇ。
しかししかし、これはおそらく全国規模で「バンゲリングベイ=キング・オブ・クソゲー」という認識がなされているのである。その証拠に当方が所持するファミコンソフト最安値は、本作と燃えプロの10円。それは子供時分に本作をプレイした場合、おそらく「なにをやればいいかさっぱりわからん」、子供は当然説明書なんて読みませんから、こんなやることが多く戦略性の高い、しかも超絶な難易度であるバンゲなんぞ、敵をどんどん倒していると勝手にボスにたどり着きそれをやっつけるとゲームクリアという、いわゆる普通のシューティングゲームとは一線を画するシューティングだったのでクソゲーの烙印を押されているのだろう。このへんはナムコの「スターラスター」も同じだと思う。
自分は運のいいことにこれらを定価で購入することはなかったが、焼鳥屋のせがれのH君がたしか、バンゲとスターラスターを同時に所持してて、当然定価で買ってて、おそらく当時小学生なもんだからH君の家で平気で「つまらんやっか」(方言です)とか「いっちょんおもしろうなかぞ」(方言です)とか罵倒しまくってたことだろう。それはバンゲやスターラスターと言うより、それを選んだH君自身に向けられるものだから、キツイ話ですね。
 ゲームの特徴

戦艦に挑戦中
リアルタイム戦略シューティングと呼ばれているように、本作は単純なシューティングではない。スーマリと同じように、バンゲリングベイであることそれ自体が特徴であるとも言える。
ひとつひとつ見ていくと、まずはその操作性。これが一番の取っつきにくさなんじゃなかろうか。ヘリコプターを操縦するので至極当然のことではあるが、まずバルカン兼用のAボタンでホバリング、あとは進みたい方向に十字キーを入力するとその方向に動くという、8方向の操作系の設計が当時はまったく受け入れられなかった。
 
つまり、直進していて止まりたい時は、進行方向と逆方向にキーを入れて、ホバリング状態にせねばならない。これが結構微妙な操作を要求され、レスポンスのいいコントローラーでないと微妙なヘリ操縦が難しい。これほんと難しいのよ。さらにダメージを喰らうとその分操作性が悪くなるときたもんだ。
次に、工場は時間とともに耐久性を増していくので、どの工場から破壊して、どういう経路で攻めるかを考えなければならない。バンゲリング帝国の工場配置は面が進んでも全く変わらないが、工場周りの高射砲とかレーダーが呼ぶ戦闘機なんかがどんどんどんどん増えていくので、とにかくスピード攻略が要求される。そうなるとかなり繊細なホバリングが要求され、最終的には移動しながら爆撃せねばならなくなるので、面が進むにつれて工場爆撃の能率は落ち、それとともにプレイヤーの精神状態も崩壊寸前、体力や精神力を吸い取る、これぞゲーマーへの挑戦状、漢のゲームである。
あとおもしろ要素として、シューティングのくせに二人対戦プレイが可能であったということ。どうやるのかというと、まず1P側は通常通り、そして2P側はバンゲリング帝国を指揮することになる。たしか、2Pのマイクで「ハドソン!」と絶叫するとヘリコプターの周りに戦闘機が集まってきたような・・・・。たしか当時のCMが「ハドソン!って絶叫しろ」みたいなCMだったような・・・。この場合、絶叫ワードは当然「ハドソン!」に限定される。
 ゲームの攻略

我ながらよくできた方
1.工場の爆撃順序
まずはMSペイントでテキトーに書いた、バンゲリング帝国の全体図とその爆撃経路を見てください。スタート地点から考えて、また時間とともに増す爆撃回数から考えて、まずはスタートから右の補給所がある2カ所→そしてその下の1カ所→その右の1カ所→旗艦にもどり左の2カ所、こういう順序で攻めるのがいいような悪いような・・・。
1面限定の話ではあるが、まず(1)を爆弾7-8発で破壊し、上にある補給所で補給、そして(2)を9-10発で(できれば一回がいいので9発)破壊、また補給所で破壊して(3)に向かう、たぶんこの辺で最初のALERTがあると思うので(3)を爆撃後旗艦の救援、そして旗艦で補給して(4)の爆撃、あとの(5)(6)はそのときの旗艦の場所により変えるとよい。
面が進むにつれて、かなり敵の攻撃がえげつなくなるが、順序はこれ固定でいいと思う。
2.敵の対処
以下のことは、「テキトーでなく高い確率でピンポイントでバルカン砲を敵に打ち込める」、これが前提。
1.哨戒挺・戦車
 
1・2面は全く無視してよいが、3面以降のランダムダメージが1から10に大幅アップ。こうなると無視できない存在になる。ヘタするとランダムダメージだけで50ぐらいいってしまう。なので、3面以降はなるべく倒すか、できるだけ避けて移動するのがいい。
2.レーダー
ある意味最強の敵。画面上で少しでも発見されると、とくに後半戦になるとそれだけで戦闘機が5-6体やってくるという、これに見つかるか否かで爆撃の能率が全く異なる。できることなら大体の場所を覚えて、避けて移動するべきだがなかなかそうもいかないので見つけられ次第破壊。これしかない。
3.高射砲
1面は工場爆撃の前に周りのをピンポイントで破壊するだけでいいが、2面以降は誘導ミサイルを撃ってきやがるのでなるべく避けるor迅速な掃討が必要になる。誘導ミサイルは通常とにかく方向を変えながら移動すればまず当たらない。誘導を連射することはないので、誘導ミサイルを避けている間に高射砲や戦闘機を破壊するのがベスト。
4.戦闘機
いざ爆撃しようとするとタイミング良くやってくるバカなので、これはシチュエーションによって色々異なる。まず(1)パワーが十分あり、工場破壊までまもなく(工場の点滅が止まる)の場合、これは強引に爆撃に行く。1発ぐらいは喰らっても工場破壊を優先。次に(2)パワーはあるが工場がまだ破壊しきれない場合、これは戦闘機をやっつけてから爆撃するように。めんどくさいかもしれんが、この心掛けがないとなかなか面クリアは難しい。そして(3)パワーが無いとき。これは一目散に逃げる
5.爆撃機
ALERTが鳴った瞬間にこいつらの出現が判明する。通常はその段階で救援に向かう。これ基本。こいつらの怖いのは旗艦のSUNKだけなので、腕に自信があれば目先の工場爆撃を優先させてもいい。ただ、通常は基本通りに、ALERTが鳴ったら即旗艦救援
6.戦艦
画面上に「WARNING」が出たとき、それは戦艦の建造に取りかかったという合図であるが、この段階で戦艦を爆撃して粉砕することもできる。ただしこれは結構めんどくさいので放置してもまあかまわない。それに、戦艦との対決はいい腕試しにもなるし。ただ戦艦が怖い理由が、誘導ミサイル以上に旗艦を発見次第それを破壊しようとする特性。この辺もスピードクリアが求められる理由でもある。 これ限界。かんべんして。
3.ヘリの動きをマスターせよ
以上のように、まずは通常爆撃に必要である、的確なピンポイントのホバリング、そして後半戦の、高射砲が壊しても壊しても復活しさらにそこに戦闘機が5体ぐらい攻撃してくる中で、それらを破壊しつつホバリング爆撃あるいは移動しながらの爆撃ができるだけの、繊細なテクニックが要求される。またそれが可能にさせるレスポンスのいいコントローラー、これも重要。
4.それでもねぇ・・・・。
今まで偉そうに書いてすいません。正直、6面までが最高。これエンディングは果たしてあるのだろうか。すごく気になる。
 総評

達成した感じが得られる瞬間
今までプレイしたなかで、そりゃもうファミコンだけで500本近く(初プレイ即リセット込)やってるしそのほかも当然色々やってるわけで、そんな膨大なソフトの中で私は一番おもしろいゲームを「バンゲリングベイ」であると、仮に人に聞かれたならば即答することでしょう。よっぽどの名作が現れない限り、これは揺るぎないと思う。
その理由は、つまるところその強烈なゲーム性と難易度に伴うエンドレスプレイが可能という点で、しかもまったく理不尽ゲームなんかではない、すべて撃沈されるや否やは己の腕次第という、かなり漢気溢れる姿勢がたまらんわけです。
しかしまぁ、このバンゲの漢気を気付かされたのも大人になってもう一度プレイした時なわけで、是非幼少期にトラウマっている方々ももう一度プレイして欲しいものです。
本稿を読みまして興味もたれた方は、是非こちらの「バンゲリング帝国復興計画」を訪れてみてください。そして精進あるのみ。

けものがれ、俺らの猿と ☆☆☆☆☆

脚本家、佐志は大物プロデューサーから映画の脚本を依頼され、取材に行くことになるが、そこから先色々変な人みたいな人と会う。
まず映画の全編にわたって言えることだが、もの凄く不愉快な気分になることが多い。さらにいちいちの無理矢理笑わせポイントが丸わかりで、全然面白くないのです。最低だ。わけわからん映像の切り出し方、それに被さる音、すべてが不愉快であり、もしやこういうのが最近の若い人は好きなんだろうか。だとしたら俺は古い人間になってしまうね。
それプラス、映画の前半では佐志の家が何度か登場するんだが、それにともなうゴキブリ風の昆虫の数度のアップ、仮にこれを見て「クリエイティブだ」とか「カッコイイ」とか、「気持ち悪い」という感情以外のものを抱く人はいるんだろうか。まずここでこの映画の作家のセンスを疑っている。まあ自分自身が、子供の頃からカブトムシやクワガタをゴキブリと同一視、また蝶々と蛾を同一視して、昆虫=生理的に受け付け難い気持ちの悪いもの、という一括りにしていたほどの虫嫌いではあるが、とにかくあれは狙って不愉快にさせているとしか思えん。
一通りの感想を書いたので、では大元にさかのぼろう。本作は元々町田町蔵さんの小説を元に作られたらしく、セオリー通り「映画と小説は別物」なのかどうか、原作を読んでいないのでわからないが、少なくとも「夫婦茶碗」という小説を読んだ限りではとても面白い作品だったので、おそらく別物なんだろう。
しかしなんだったんだ一体。映画というより、作者側の一方的な感覚による映像の押しつけと言った方が当たってる。勝手な解釈による映像表現。原作町田、音楽担当がFOEの會田でサウンド陣にブッチャーズ、ゆら帝、ロマンポルシェとかいい感じのがそろってただけに、駄作で残念。
あー今ちょっとFOEのサイトを見たらこれ監督がPV出身だよ。PV上がりは赤影といい、優秀な監督がそろってるなぁ。

竜二 ★★★★☆

竜二さんらがいろいろ。
まもなく本作をリメイクしたらしい、竜二Foreverが上映される関係で再び取り上げられるようになったオリジナルの方。リメイクの情報を聞いてオリジナルを見ようと思った口です。はい。
でこの金子正次という役者の存在すらこれまで知らず、そこも期待して見たのだがこれが結構よかった。どっからそんな声出てんだよというかなりの低音嗄れ声、これにまずやられる人多し。かといってそれが通らないわけでもなく、またギャップを感じるのでもなく、振る舞いと一致しているのでかっこいい。
内容もまたいいんだよねぇ。ラスト肉屋で会った瞬間、そうなることはわかっているけれどもあの無音部分の間、間の持たせ方がかなりグッとくる。演者一人ですべてをかっさらっていくのが松田優作タイプだけどもこの人優作以上に鋭い刀持ってます。こわいです。
あと子供が眉間にしわ寄せるのはとてもおもろい。

ストリートファイターII


発売日
定価
メーカー
ジャンル

1991年3月(AC) 1992年6月10日(SFC)
10円~100円(AC) 9,800円(税別)(SFC)
カプコン
対戦格闘

 ゲームの内容とゲーム進行

なつかしー

おそらくこれをもって対戦格闘というジャンルが切り開かれたのだろう。内容は前作のシステムを基本的には踏襲し、それプラス様々な改良点(必殺技のタイミングの柔軟さ、細かい動きなど)を施しその上キャラを8人の中から選べるというワクワク感、当時中学生になりたてだった自分にとっては、「ゲームセンター」に行くのは不良の巣窟にわざわざいくようなものだったのだが、そんなリスクを負ってもそれでもなおやりたいと思わせる、初めてハマったアーケードゲームであった(今思えばゲーセンにいるやつらがただ単に「不良に見えた」だけなんだが)。おかげで一時期はゲーメストを購読していたし、とにかくこれがゲーセンに当たり前のように行ってしまう、きっかけになったという人は多いと思う。
一人プレイのゲーム進行は、リュウ・ケン・ガイル・ブランカ・ダルシム・ザンギエフ・エドモンド本田・春麗の8人の中からキャラを一人選択しそれぞれのキャラと対戦、勝ち抜けばその後バイソン・バルログ・サガット・ベガの四天王と対戦し(後に出たダッシュで四天王も自キャラで使えるようになった)、最後のベガを倒すと自キャラでのエンディングを迎える。
ただし、それまでのゲームでは「ゲームクリア、エンディング」というのが本道であったが、対戦格闘ゲームの本道はやはり対人対戦である。数年後にゲーム筐体を2つ使用した対戦台が登場するのだが、それまでは一人プレイでやっていると全然知らん奴が「あの、ここいいですか」とか「対戦しませんか」とか(こんな丁寧ではない。話し言葉だから「やらん?」とかだと思う)話しかけてきて、お互い気まずそうに対戦し、負けた方が去っていくという、これが毎日ゲーセンに何時間もいるようなやつだとそういう間から知り合いや常連の対戦相手がいたようだが、当時そんな関係がなんだか不良の一歩手前のような気がして、ついにその、ゲーセンだけの仲間というのには無縁であった。学校の友人に話すので精一杯。
 ゲームの特徴

やけにリアル指向だ

まずは、対戦格闘ジャンルを切り開いたこと。そして画面いっぱいのキャラクターが、いろんな必殺技を駆使して相手を倒していくという爽快感。そしてストリートファイターからの変更点で一番大きいのが、必殺技をガンガンに出せるという、ビジュアル的な派手さを追求したのがよかったと思う。正直、初代ストIIくらいならば強パンチ・強キック・投げがコマンド必殺技と同等かそれ以上の威力だったので、単純に勝ちに行くなら敢えて必殺技を出す道理はないんだが、それでもプレイヤーは難しいコマンド技に挑戦していた。それくらい、その「いろんな技を出せる」というのが最大の特徴だと思う。
当時仲間内では3段階あって、まず1.波動拳コマンドが自在に入力できるか、次に2.昇竜拳コマンド、そしてもっとも難しかった3.ザンギのスクリュー一回転コマンド、この順にランク付けがされていた。どの面まで進んだとかハイスコアよりも、いかに自在に技を駆使できるかがバカ中学生らの一番の関心であり、尊敬ポイントだった。
そして、ゲーム自体がプレイヤーの工夫とともに進化していったという点。自分の感覚と合うキャラを自然に使い続けるようになり(自分は初代ストII では本田だった)、そしてそのキャラを追求していくうちに戦略や相性、連続技の開発など、やればやるほど面白くなるものだった。そしてそれが当時唯一の情報源だったと思われるゲーメストで紹介されたり、身近な仲間内で教えあったりと、アーケードゲームでこれほど情報交換したことはこれが初めてだった。
その他の特徴としては、ハイスコアプレイや超神業でエンディングを目指す以外に、ふつうにギャラリーができたということ。そのギャラリーも、やってるやつのプレイを見てそれを試したり盗んだり、たとえばシューティングのハイスコアプレイを見るのは完全なるギャラリーと化していたが、ストIIや後の餓狼を見るのはそれとは違った、なにか体得してやろうという思いが強かった。そりゃまぁ当時はお金もそんなにないし(そのすぐ後ぐらいに金持ちの馬鹿息子というスポンサーが見つかったんだが)、普通のアクションゲームと比べて時間あたりの料金が格段に違う格闘ゲームでは、そんな頻繁に対戦できる余裕はない。
 ゲームの攻略

ボーナス面でアッパー昇竜拳の練習よくやった。

1.誰がいちばん強えぇんだオイ
殊初代ストII に限ると、通説ではガイルVSダルシムが最強対決だとされている。共通するのは、両方とも受けタイプだと言うこと。というかガイル使いが待ち戦法の元祖だろう。というわけで、性分として相手の攻撃を見てそれに対処する、こういう受けタイプのキャラはあまり好きでなかったので当時はほとんど使わなかった。なので詳しい戦法は、しらん。
自分がよく使ったのはまずメインキャラの本田、それに準ずるブランカ、そして一方で腕を上げるためオールマイティのリュウとケン、この4人しかたぶん初代では使ってない。後のはお金の関係とかルックスで無視。
それでは後々に気づいた点も含めてそれぞれのキャラを書いていこう。
1.リュウ・ケン(初代では性能差がないと思う)
これが熱かった!波動拳コマンドはともかく、昇竜拳は誰もが練習したはず。そして竜巻旋風脚、これら3つの必殺技を駆使するのがオーソドックスな戦い方。相手と遠目にいるときは波動拳の強弱撃ち分けで牽制、意表を突いて竜巻、そして対空と接近戦に絶大に強い昇竜、はっきり言ってコマンドがきちんと入力できればかなり強い。
しかしこれ、昇竜拳がまたでないでない。だから慣れるまではむずいのよね扱いが。そういう時はヒヨって対空に敢えて昇竜を撃たず、しゃがみ大パンチ。これがまた効くんだね。
ほんとに強いのは、やはり端っこに追いつめてから。波動拳で牽制し、相手がジャンプしてきたところに昇竜拳、あるいは自分が、飛び込み足払い→波動拳or投げの二択、この連続攻撃はたまらん。
あとはピヨッた時、めくった時に炸裂するアッパー昇竜拳。友達に最初教えてもらったときは度肝抜かれました。たしか初代では半分くらい減るんだよね。
2.本田・ブランカ(同系統なので)
当時はそのパワーで押しに押しまくっていた。少々のダメージは気にせず、とにかく相手を端っこに追いつめて張り手(電気ビリビリ)、飛んだら頭突き(ローリング)、そしてリーチと威力のある通常攻撃と、押しまくるには最適のキャラだろう。
接近戦がメインだが、離れた場合は相手に向かっていくか、相手が近づいてきたら対空。対空は本田なら強パンチ、ブランカは強キックだったねたしか。
3.春麗
スピードがあるので、それを生かしたジャンプ攻撃と、意表を突いた近づいて投げ。ジャンプ攻撃はチクチクと精神的にもダメージ大きいのではまると強い。そしてそういうときに不意に食らう「イヤッ」投げが効くんだなぁ。
地上戦ではリーチのある、しかも出の早いしゃがみ強キックがいい。つうか強すぎ。
4.ザンギエフ
 
スクリューパイルドライバー!これしかない!ザンギエフ使ってる感が凄くある。
敢えてスクリューを狙わないというのもある。飛び込み強パンチor強キックで近づき、地上で強攻撃or投げの自動二択で攻めるというのも手。せこいが。対空にWラリアット。
5.ダルシム
こいつが嫌なやつで、まず遠目から通常攻撃やらヨガ炎がばんばん飛んできて、近づこうとしてもなかなか近づけず、もうそうなると相手のペースで進んでそのまま負けてしまう。あとヨガフレイムが結構強いしなぁ。遠目からやられると死角があまりない。
接近戦では、意外に吸い込む投げと通常攻撃の自動二択がよくある戦法。ザンギの次くらいに投げの間合い広いんじゃないかなぁ。あとヨガ炎がらみのドリル系。
6.ガイル
こいつだこいつ。せこいんだよね。まあ「それがガイルの戦法だ」と言ってしまえばそうなんだが。ソニックブームで牽制し、相手が来たところにサマーなりしゃがみ強キックなり。なんでもいいから撃てばいいように転ぶ。そんなキャラです。
しかも投げが強いしなぁ。番外で真空投げか。
ブランカ=ジミー

2.書ききれんわ!
本来なら各キャラそれぞれの相性なりなんなりを考慮して、それぞれごとの戦法を書くべきなんだけども(例えば待った場合、待たれた場合、待たない場合など状況によって当然戦い方は違ってくる。)、それはめんどくさい。よって、上の戦法はとりあえず誰にも使える方法で、もんのすごく雑です。要は、自分が好きなキャラをとことん使い込めば、自ずと道は見えてくるでしょう。
 総評

ゲーセンの様子が前後で変わったのは間違いないのです。またそれを囲む人々の、生活や会話が変わったのも間違いないのです。そしてこれをやってたことで、知らず知らずのうちに友人が増えていたことも間違いないのです。自分も含めた多くの人にとってコミュニケーションツールであった本作、その存在にリスペクトせざるをえない。
そして次回格ゲー関係はスーパーストリートファイターII Xへと続きます。

ガキ帝国 ★★★☆☆

鑑別所から戻った伸助が帰った地元はすでに、かつての勢力図とは様変わりしていた。それでもなお戦おうとする伸助一味の3人。これがいま映画監督として怪しいポジションにある、井筒監督のデビュー作みたいです。
まず、登場人物が凄く豪華。当時おそらく人気絶頂の頃だったであろう伸助竜介が主役として登場し、今はすっかり大物芸人としてマルチ振りを発揮している伸助と、今はたしか大阪でバーかなんかを経営している竜介のカラミがこの映画では見れる。さらに若い頃の神岡隆太郎も登場し、内容よりもまず当時の配役に笑ってしまう。
で内容だが、セリフがちょっと聞き取りづらくて、正直細部までの含みがよくわかんなかった。さらに俳優が全然わからんやつばっかりなので、勢力争いがメインの映画なのに互いの相関関係の把握にとまどってしまうことも多い。話が進むにつれてだんだんわかっていくような感じである。
全体で言うとあの特攻野郎Aチームのような性格の監督であるから、後々の岸和田でもあったようにこんな風なチンピラ群衆の葛藤なんかを描いてる作品は、よくあるようなビーバップものとは一味違う。大体そういうのは役者と言うよりもまず勝ち気、喧嘩っ早い性格ありきのイケイケドンドン映画になるものなんだが、井筒のは凄くドロドロとした、ちゃんと映画してるのがいい。それだけに過去のを見ててもそんなに痛々しくないです。