宇宙から降ってきた隕石に地球外生命体がいた。
これ見ると、やっぱ俺っていわゆるCGにまったく興味ないなぁと思う。だってその地球外生命体全般がCGで描かれているのだけれども、そこには怖いとか、綺麗とかすごいとかなんの感情も生まれず、ただ「ああこれ技術屋のオナニーだなぁ」としか思えない。
そもそも、地球外生命体の進化の過程を地球にあわせるってどういうことよ。発想貧困すぎるぜ。翼付いてりゃ空飛ぶってか。せっかく技術屋がオナニーしようとしているんだから、もうそいつらの思い思いのイメージでクリーチャーを描いて欲しかった。だから最後の最後に出てきた肛門だけはおもしろかったし、ああいうのの小さい版を途中の話の中で取り入れればよかったのに。
途中に挿入される小話みたいのがまた最悪で、「クリーチャーにびびるバカ」というのがふんだんに盛り込まれていて、あからさまに読めるし全然つまらん。あれには何の意味もないし、見ててバカらしく思えるだけだしないがまし。
しかも、俺ああいうタイプの黒人男優大嫌い。やったらオーバーリアクションするし、動きで小笑い取ろうとするし、なんだろう、エディーマーフィーのプロトタイプみたいな黒人俳優、あれいらねぇ。
全然リアリティのない話なんだから、だってそのへんの一科学者が全世界的な危機に立ち向かうなんて、しかも独力でやろうってんだから、そのへんでもう萎え萎えだし、かといって全くおもしろくないからコメディにもなりきれずすごく中途半端である。
こう書いてると、クソつまらん映画のように見えるが、実はその通りだったりする。ただ最後の肛門だけがなんかおかしかった。ただそれだけ。
投稿者: bitch
現金に体を張れ ★★★★☆
競馬場の売上金強奪をたくらむ小悪党とやさぐれ警官としょぼいバーテンと馬券係の話。
スタンリー・キューブリック初期の作品。テイストが当時のヒッチコック映画にかなり似ているのは、当時がそういう方法しかなかったのかあるいは主流だったのかよくわからんが、正直前情報なしにこれがキューブリック映画だとは思えない。また白黒映画では色彩の美しさを表現するのもかなり限界あるようで。
でまあオーシャンズやキャッチミーでも書いたが、悪党が悪いことをするという話自体が勝手におもしろくなるというメリットは昔から知られていたようで、全体の流れは見ていて隙がない。ただこの映画では強奪に参加する4人のそれぞれの背景から性格的なものまでそれぞれ描いており、時間も互い違いに写しだしていてそれがなかなかおもしろい。とくにキーマンの一人であるヘタレ馬券係のヘタレっぷりがあとあと効いてくるような伏線になってるのが効果的だなあと思った。
して肝心の強奪シーンではその日一日のそれぞれの動きを場面ごとに切り取って、時間も結構むちゃくちゃに入れ替えてしまったり、逐一動きがわかるのは面白かったしだれる暇がない。ただその強奪方法が現代の基準ではありえない(バーで暴れるのはいいとしてもあれではごまかしきれてないし、逃げる所では危うく捕まりかけたり)のが、この映画では緊張感という点でちとマイナスだった。もしかしたらああいうズボラな人物という描写もかねて粗い犯行計画なのかもしれんが。
そして結末。最後に悪は勝たないというきつーい現実が待ってTHE ENDの字はその時代っぽくていい。たとえばダイヤルMや穴を最初に見たときの衝撃ほどではないが、面白い映画ではあると思います。
マルホランド・ドライブ ★★★★☆
自動車事故で記憶喪失になった女が、自分は誰かを捜していくうちにぐにゃあ~となる話。
これはまだストーリーというものが一応あるだけましなんだろう。なんつったってイレイザーヘッドの監督だから。そういう意味ではなんでもありなわけよ。特典映像のインタビューでも語っていたが、直観で見て楽しむというのをまず基本とする方がいいみたい。
とはいえこれだけ謎怪な映像がふんだんに盛り込まれていると、どうしても解明したくなり考え込んでしまうのもまた真。記憶喪失からの顛末はもうひとつの理想を追った女の儚く悲しい幻想物語で、箱を開けた瞬間から過去にあった事実(ダイアンの背徳な失恋物語)が描かれている。
こう見ると、幻想でのベティとリタの真実追究物語(箱を開けるまで)は、同じ価値観を共有するという恋愛物語として語られていて、リアルワールドでのダイアン(通称ベティ)の愛情が一方通行で、断崖から突き落とされ加減が最後の「ちっちゃい老人ウワー」へと行き着くというのもまたアリ。となると、リアルで接点持った人達を、マンションの管理人だったり映画監督だったり(これはそのままか)カウボーイだったり(これは不明)に割り当てるのも、すべてダイアンの脳内さじ加減一つということか。
ただこれじゃあ全く理解したとは言い難い。こういう本筋とは別の、例えば無駄に3人殺してしまうやつとか、カウボーイとか、末節の部分には及ばないことだから。で結局すべてひっくるめて感じてしまえという話になってしまうんだなあ。
冒頭の奇妙なダンス映像→笑う老人のフラッシュバックですでに足は浸っている。オーディションで、またクライマックス(俺はここだと思った)の歌舞場での独唱で見せられた歌のシーン。どうしてもあれ、ふたこぶ女に見えてぐにゃあ~となってしまうのはリンチワールドに入っていってしまってるからなんでしょうかね。
ストレイト・ストーリー ★★★★☆
73歳のアルヴィンが73歳ぐらいの兄貴に会いに行く話。
感動した。
俺デビッドリンチ強化期間であったこともかなり影響しているが、これまであたまを削ったら消しゴムができただの、像の顔の奴がフガーフガー、ふたこぶ女ダンス、ちっちゃいおばあちゃん、「はあ・・・?」な映像を散々連発し、見る側をぐにゃあとさせてくれたデビッドリンチが普通の映画を撮ってくれたことはとても感動的だ。
本作を語る時は大抵この感動的なストーリー、老いた弟が10年前の仲違いを後悔していて、ほんのちょっとのきっかけでそれを見つめ直す旅に出る、そしてその旅の過程でのロードムービー的人との交わりなど、作品内容自体の形容として「感動」「しみじみ」など用いられるが、むしろデビッドリンチの方にそれらの形容を用いるのがいい。それぐらい”心安まる”映画だ。
内容自体はまあ、いいんだろう。というかこれ例えば新宿のガード下にいる自由気ままに振る舞っている人々のなかから無作為に一人抽出して、同じ様にその人の人生を語らせたり、びっくりなハプニングなんかを八百で用意したりすると適当にリアクションくれたりして、また違った味が出ておもしろいのではないかと。つまり年輪重ねた老人が語る言は相対的に若い自分が体現することは不可能という点で重い言葉だし、それには耳を傾けたいと思うし、なにより最後のあっさり具合がこの、「しみじみかみしめる」という見終わった後の感覚につながっているんだろう。
昔いつだったかこれはマジに、人が捨てたジャンプとかを一冊100円という低価格で路上で売るという、ニッチな価格戦略で業界を席巻しているグループの人と、なんとかスタバでコーヒーおごるぐらいで小一時間トークできないかと考えたこともあったが、臭いが臭かったのと後々面倒くさそうということで、やめた。
わたしは貝になりたい ★★★★☆
俺も貝がいいかもな。
第二次世界大戦の被害者、BC級戦犯として処刑されていった下級兵士の想いを形にしたような作品。これまで自分はWWIIの戦犯といえば東条英機とかの戦争責任者、総じて死刑になってしまったA級戦犯を思い浮かべるだけであったが、それは表面上のことであって、実際はそれら戦争責任者に連なる膨大な数の下級兵士がいるわけで、そういった人たちは本作のように半ば冤罪のような形で裁かれていったのだろう。それとこの映画で衝撃的なのが、戦後の人生がどう転んだのかは紙一重の所だということだ。
本作は1959年に上映された、フランキー堺主演の映画のリメイクであるが、リメイク前の昭和34年にリアルタイムで見た人々はどれほどの衝撃だったのだろう。「もしあの時自分が・・・」そう思いながら見た人々、元下級兵士の人々がたくさんいたと思う。これを見て改めてオリジナルのフランキー堺のほうを見たくなった。それでないとこのリメイク作の感想なんて書けないです。
テルミン ★★★★☆
テルミン(楽器)を発明した博士とその周辺の話。
今もあるかもしれないが、昔ギター雑誌を買っていた頃に石橋楽器の広告でよくみたのがこのテルミンという名のエフェクターだった。たしか「イシバシ楽器がつくりました」てのがセールスポイントで、「かのジミー頁も本番で使用したとかしないとか・・・」みたいな文句が書いてあったと思う。まずテルミンと言われるとそれが浮かんでくるが、それこそ「テルミン」のような奇妙な音がでるエフェクターだったらしい。今調べてみた。
これは奇妙な音が鳴る楽器を発明したテルミン博士の伝記的ドキュメンタリー映画で、出演者もすべて本人、そういう点で映画を見ているというよりETV特集のドキュメンタリーを見ている感じだった。しかしドラマがあればとりあえず映画の体をなすもので、この博士の万丈人生を振り返る作業は面白い。それを増幅させてくれるのが当の本人が発明したテルミンの音色。しかし色々こき使われたくせに長生きしたなぁこのじいさん。
タクシードライバー ★★★★☆
悶々としたタクシードライバーが一丁やらかす。
若いころのデニーロの出世作とよく言われる作品。また「この頃のデニーロはよかった・・・」ともよく言われる作品でもある。一頃のアクション映画に出まくっていた大量生産デニーロとはちょっと色合いが違うというのは見てわかる。ディアハンターに近いものがあるかもしれん。そういえばあれもベトナム戦争で狂気インフレになった男の話だった。
ずーっとため込んだうちに秘めるオーラパワーをへんな方向に解放したような話で、まったくもって共感はできないが、それまでの事の顛末を見るとなんとなくそうなるかーって思う。「太陽を盗んだ男」の二面性に近い感じ。この殺伐とした悶々とした雰囲気は独特で、なんというかダメ人間の香りプンプンなんですこのタクシードライバー。
ただ自分や自分に近しい人々がそうであるからよくわかるんだが、ダメ人間にも大きく2種類あって、つまるところ良いダメ人間と悪いダメ人間がある。良い方は自分がダメであることを前提に、そのダメさを楽しもうという気概があって、ある部分に精神的な欠陥を抱えているけれども線引きはうまくできる。悪いほうのは、ダメを劣等感とし全く自分の中に閉じこもってしまう。あるいはそれが爆発するとデニーロになるんだろうな。モヒカンにして銃乱射よ。
少林サッカー ★★★★☆
うだつの上がらぬ少林寺拳法使い達が、サッカーで一旗あげる話。
久々に見る前の期待が大きい作品。遡ってみるとPARTY7以来かもしれん。あれはひどい映画だった。しかしこの少林サッカーの場合はちと違う。まず去年の段階で、つまり香港で上映中で日本では公開されていない状況の中で、映画専門誌の「2001年のよかった映画ベストテン」にランクインしたということを聞いていて、なんというか期待してもいいよ光線が出ていた。
映画館で観たのだが、まず驚いたのは映画の内容よりも映画館内と自分との温度差。コメディー映画を映画館で観たのは「ラヂオのじかん」以来だが、今回特に感じたのは総じて女性の笑いの温度が低いこと。わっかりやすい笑いのポイントでどっかんどっかん笑うし、逆にこっちがクスっとくるような、いわゆるシュールな笑いの部分にはまったく反応しない。最近特にレベルダウンが際立つNHKの「爆笑オンエアバトル」の客も女性が多いし、しかもどうしようもなく笑えないネタが高キロバトルだったりする。
で話もわかりやすい。逆にこういう映画が難解なストーリーだとそれはそれで困る。前評判では「ノリがアストロ球団」ということでも期待していたのだが、実際見てみるとアストロとは全く別次元だった。アストロの場合は「一試合完全燃焼」している姿が見ててバカかっこいいのであって、少林サッカーのように笑わせにかかっているんじゃない。そこは期待はずれだった。
しかしまあ、お笑い映画として軽く見るのにはいいのではないでしょうか。
アメリカン・サイコ ★★★☆☆
若くして大企業のCEO、上辺のつきあいに辟易した彼は人が殺したくなったようです。
正直よくわかんねぇ。ああいう結末というのは、これがすべて主人公の妄想であるという夢落ちなのか、それでなければなんなのか謎多きまま終わってしまった。
ただひとつ、主人公は自分が大好きでキチガイてのはよくわかった。
キリング・ゾーイ ★★★☆☆
バカが無計画に銀行強盗する話。
全体的に緊迫感がないのでいまいちのれない。こいつら最初からあんま銀行強盗やる気ないし、もっと言えば成功させようという強い意志が欠如している。職業強盗ではないがゆえになんとなくうまくいったら御の字、捕まったらまあどうにでもなれぐらいに思ってるのか、そういう大馬鹿の銀行強盗を描いているので、見る側も惰性になってしまう。唯一見るべきポイントはジュリーデルピーのアレな映像。