フィオレンティーナは中田の移籍交渉を行っており、8月16日火曜日にはサインが行われる可能性がある。中田英寿(28)が無料レンタルの形でイングランドのボルトン・ワンダラーズへ移籍するまで、あとはいくつかの詳細を詰めるだけという状況だ。
ここ数週間にわたって行われてきた交渉は、大きな転機を迎えた。中田本人が待望の「イエス」の返事をしたことで、ボルトンは8月16日火曜日にメディカルチェックの予定を組むことができるようになった。
ボルトンのサム・アラーダイス監督は中田を非常に高く評価しており、間もなく彼が加入することを本当にうれしく思う、とコメントしている。
(C)SPORT
サッカー
[ スポーツナビ 2005年8月12日 11:24 ]
イヴァン・カンポやJJオコチャなどキャラ立ちありきのチームだったボルトンが今シーズンはUEFAカップに出るって事で、FWの核にあやしいメキシコ人ボルヘッティを獲得、ディウフを完全移籍させ、とどめ(か?)に中田を無償レンタルと、あいかわらず金のかからない効率的な補強をしている。無償レンタルてことは「マジでいらんから、タダでとりあえず一年やるから、給料だけてめえんとこで払え」方式なので、高額の年俸がかかる中田はやっぱ主力として考えられているんだろうが(支払い割合がわからんので一概には言えないが)、果たしてスピードと組むのか、オコチャと両立させるのかで話は結構違ってくるなあ。
投稿者: bitch
破戒無慙八月@極東最前線
其処カラ何ガ見エルカ
の6曲目「破戒無慙八月」は非常にLIVE向きの曲だ。
破!戒!無!慙!
↓
パパン・パパン・パパン・パン X 4
これは多くの人にやって欲しい。いや、eastern youthのLIVEに来てる奴なら少なくとも半分の5割程度は自然とやるべきだ。
俺の周り約100人と、中央にたむろしているメインの集団は少なくとも絶叫~手拍子を一切やっていなかった。
其処カラ~はあんま売れてないんだろうか。それともアルバム買っても後半の曲は聴かないんだろうか。8月のLIVEなんだから当然やるだろう、事前に押さえて来いや。
破戒無慙八月はPVもあって、吉野が女装しているので是非見て欲しい。また絶叫~手拍子の録音過程の映像は「DVD ROCK 魂!」~エモーショナルロック編~このDVDを参照。
ビエイラ移籍会見「胸を張ってここを出て行くことができる」=プレミアL
「アーセナルのサポーターのみんなに感謝したい。彼らは素晴らしかった。最近、道でサポーターに、『もし移籍することになったら、この9年間本当にご苦労様、と言いたいよ』と声を掛けられた。これにはすごく感激したし、また、クラブのために自分が精一杯やってきたんだなという気持ちを抱かせてくれたね。僕は胸を張ってここを出て行くことができる。アーセナルでは毎日の練習で、そして参加した試合一つ一つで自分自身のベストを尽くしてきた。また、べンゲル監督、デイン氏(アーセナルの副会長)とも良い関係を保った上で移籍できるということ、これは僕にとって非常に重要だった」
パトリック・ビエイラは、彼のユベントスへの移籍が正式に発表された後に行われた記者会見の席でこう語った。
ビエイラの移籍でアーセナルが失うものは計り知れない。何しろ、クラブの歴史に大きな足跡を残した選手の一人が去るのだから。ビエイラはまた、アーセナルを象徴する選手の一人でもあった。彼が在籍した9年間で、アーセナルはプレミアリーグ3回優勝(1998年、2002年、2004年)、FAカップ優勝4回(1998年、2002年、2003年、2005年)、この2冠を2回達成(1998年、2002年)し、コミュニティ・シールド(旧チャリティー・シールド)も4度制覇(1998年、1999年、2002年、2004年)したのだ。
とにかく、べンゲル監督とアーセナルのメンバーにとって、これから新しい時代が始まるのは確かだ。もちろん、ビエイラほどの強力な選手がいなくなることに対する不安は大きい。イングランドのサッカーの頂点を極めた選手の代わりは、そう簡単には見つからない。それはべンゲル監督も認めている。
「アーセナルのみならず、イングランドのサッカー全体に及ぼしたビエイラの影響はとても大きなものとなるだろう。サポーターたちの悲しみには私も同感ですが、逆に、だからこそこれからも私たちを信じて、応援し続けて欲しいと思う。次のシーズンはさらにパワーアップするよ。ビエイラが私たちの元を去るのは悲しいことだが、トップに上り詰めた時点で去るのは良いことだね」
サポーターたちは、べンゲル監督がその期待を全面的にかける選手の名前が挙がるのをもう待ち望んでいる。もちろん、彼がビエイラをミランから引き抜いた9年前と同じ喜びをもたらしてくれることを願いつつ。今では、移籍不可能なリオ・マブバ、値段が高過ぎるミカエル・エシアンよりも、ニューカッスルのジャーメイン・ジーナス(22歳)の名がたびたび挙がっている。
(C)Athleteline
サッカー
[ スポーツナビ 2005年7月16日 11:07 ]
キャプテンがチームを去るというのは一つの時代の終わりを感じさせられる。かつてヴィエラはフランス代表やアーセナルでのタイトル獲得とともに「世界最高のCH」という称号を得ていたが、ここ1・2年ボール奪取とボールキープが少々衰えていたのも確かだ。本来攻撃の起点となるべきヴィエラが、逆に敵にボールを奪われピンチを招くシーンもいくらか印象に残っている。ただその攻撃力と存在感が無くなるという点は見逃せない。ジウベウト・シウバにかかる守備の負担も増大することだろう。セスク・フラミニ・そして恐らく補強するであろうもう一人のCH、この使い分けも重要だ。1stチョイスであろうセスクにはヴィエラ程の力強さはないが、ヴィエラにはない視野の広さと展開力がある。この移籍はチームのスタイルを変えてしまうほどショッキングなものだ。
ミランがミランの
ミランがビエリ獲得を正式発表=セリエA
クリスティアン・ビエリがミランの選手となる。数日前から交渉の成立は明らかだったが、すでにインテルを退団していた同選手とミランとの契約が合意に達したことが、火曜日にクラブから正式発表が行われた。
ミランの公式サイト上に掲載されたコメントは、短いながらも興奮を感じさせるものだった。
「正式決定! ボボ・ビエリがミラン入り! ミランはビエリ選手の獲得を決定しました。契約期間は2007年6月30日までとなります」
(C)SPORT
サッカー
[ スポーツナビ 2005年7月6日 11:55 ]
ミランのヤンクロフスキ「ここにいれるのは最高だ」=セリエA
ミランの新加入選手たちは木曜日の朝に集合した。その一人は元ウディネーゼのチェコ人マレク・ヤンクロフスキ(28)。興奮した様子でこうコメントしていた。
「とても大きなクラブに来ることができた。今の一番の目標は、けがを完全に治すことだけど、現時点でだいぶ良くなったと言うことはできる。体の調子はいい。水曜日にトレーニングを始めて、走れるようにもなった。練習試合までにいい準備ができることを願っている。ここにいる素晴らしい選手たち、例えばマルディーニのような選手からは多くのことを学びたい。ここにいられるのは最高の気分だ。できるだけ早くチームに馴染みたい。希望するポジションは、中盤でもディフェンスでも(監督の)指示に従う」
また、メッシーナからやって来たギリシャ人GKディミトリオス・エレフセロプロス(28)もうれしそうだった。
「イタリアのサッカーをよく知るために、メッシーナでの1年間はとても大事だった。ここに来ることができてうれしく思っている。夢のようなことだ。目標はとにかく頑張ること。ビリアム・ベッキという素晴らしいコーチと、世界最高のGKの一人ネルソン・ジーダから学ぶことだ。最大限に頑張って、僕を選んでくれた人に誇りに思ってもらえるようにしたい。ミランでプレーできるのは名誉なことだ。アメリカ遠征や毎日の練習が、僕にとって非常に重要になる」
最後はPSVアイントホーフェンからやって来たMFヨハン・フォーゲル(28)。
「2日前からここにいるけど、一番印象的なのは設備面でもチームに関しても素晴らしく組織が整っているということだ。ここに来てから、これまでのキャリアで受けてきた以上の検査を受けた。冗談はともかく、ミランが昨シーズン以上の成功を収めることができるよう、チームに貢献できることを強く望んでいる」
(C)SPORT
サッカー
[ スポーツナビ 2005年7月15日 11:11 ]
ミランのトマソン、シュツットガルト移籍が決定
ヨン・ダール・トマソンはミランを去りVfBシュトゥットガルトへと移る。ミランが発表を行った。「ジョバンニ・トラパットーニが監督を務めるシュツットガルトに彼を完全移籍の形で譲り渡すことが決定した」という発表だった。
「ミランに在籍していた期間中、プレーの面で大事な貢献をしてくれた」とミランからトマソンへの感謝の言葉もあった。
アドリアーノ・ガッリアーニ副会長も言っていた通り、トマソンは少し前まではポルトガルのベンフィカへの移籍が濃厚と見られていた。トマソンは1976年8月29日にロスキルデ(デンマーク)で生まれ、オランダのフェイエノールトから2002年にミランにやって来た。ミランではリーグ戦75試合に出場し22ゴールを記録した。
(C)SPORT
サッカー
[ スポーツナビ 2005年7月17日 10:58 ]
ミランがジラルディーノ獲得=セリエA
アルベルト・ジラルディーノはようやくミランの選手になった。パルマ以外ではミランでしかプレーしたくない、という意思を明確にしていた彼をめぐる長い駆け引きはついに終結を迎えた。
トゥラーティ通りのクラブ事務所にミランとパルマの関係者およびジラルディーノの代理人が集まり、18日の夜に交渉が成立。ジラルディーノ本人も移籍の発表の直前にミランの事務所に到着し、2010年6月30日までの契約にサインした。
(C)SPORT
サッカー
[ スポーツナビ 2005年7月19日 12:20 ]
ACミランというチームは、サッカーファンの多くが「来シーズンはここを補強すべきだろう」と考えるポイントを的確に補強し、チーム全体を確実に底上げしてくるチームだ。今シーズンならば左SB・中盤のオプション・シェフチェンコに並ぶFWの獲得と、すでに盤石の補強だ。肝心なのは、補強ポイントを確実に補強できる=多くのトッププレイヤーが行きたくなるようなブランドイメージをミランが持っているということだ。
ハンブルガーSVのファン・ビュイテンが残留=ドイツL
ニューカッスル・ユナイテッド、ベルダー・ブレーメン、またバイエルン・ミュンヘンからも誘いの声がかかっていた、元マルセイユのDFダニエル・ファン・ビュイテンは、昨夏に加入したハンブルグに残ることを決めた・
ベルギー代表でもあるファン・ビュイテン(27歳)はドイツの『ビルト』誌に、「僕はここに残るよ。頭の中も心もハンブルグ一色」と簡潔にその決意を述べている。
(C)Athleteline
サッカー
[ スポーツナビ 2005年7月5日 11:36 ]
マンチェスター・シティ時代から感じていたことだが、ヴァン・ブイテンのようなハイボールの競り合いに強く読みも良いDFはどこの強豪クラブも欲しがりそうなものだが、来シーズンもブンデス・リーガの中堅でやるらしい。こいつはマジでアーセナルに欲しい逸材だ。
A・マドリーにブルガリア人選手ペトロフが加入=スペインL
VfLボルフスブルクに所属するブルガリア人FWのマルティン・ペトロフ(26)が、近々アトレティコ・マドリーと契約を交わすもようだ。
アトレティコ入りを希望していたペトロフは、1カ月間にわたる交渉の末、遂に移籍を果たすことに。契約へのサインは18日中に行われることになっているが、報道陣およびサポーターへのお披露目は今週中、おそらく木曜日となる。
(C)Athleteline
サッカー
[ スポーツナビ 2005年7月19日 10:49 ]
縦に速いドリブルでチャンスを作り、全盛期のデペドロのような正確で鋭いクロスをFWに送り込む。ドイツではリーグの特性としてチーム全体にスペースにボールを送り込む意識が高かったが、スペインでは足下に渡し1対1を挑ませる傾向がある。この違いがどう影響するか。
オールド・ルーキー ★★★★☆
子供の頃大リーグのピッチャーを夢見たジム・モリスが、おっさんになってから挑戦する話。
非常に感動的な映画だ。これが実話を元にしているというのがその一番の要因だろう。大リーグ挑戦というのがどの程度のものなのかはぼんやりしかわからんが、日本野球のスター選手がやたら行きたがるということからも、「おっさんが大リーグを夢見る」ということがどれほど大層な事かわかる。また大リーグ云々とは関係なく、若い頃130k後半しかでなかった球速がおっさんになって160近く出るという事実も驚愕だ。このおっさんは映画の元になったであろう自伝を書くだけでなく、若い頃の怪我からどういう過程を経て「おっさんで160」の境地に到ったのか、そのトレーニング法や怪我からの復帰法を書けば、また一儲けできるだろう。
舞台がテキサスということでカントリー調の挿入歌が鼻についたが、それも払拭できるほどストーリーがうまい具合にできていた。まーあのスクールキッズどもの関わり方は正直苦手な感じなんだが(特にあのアフロ気味ピッチャーのポジショニングは相当きつい)、それもモリスの夢に比べれば大事の前の小事だと切り捨てることが出来た。また当然あのピッチングフォームでは160出せないというのも無視できる。ここは俳優なんだししょうがない。そして映画は感動的に終了。
だが見終わった後変な感覚になった。これは映画が感動的・面白いのではなくて、ジム・モリスの実話が感動的・面白いのではないか。ノンフィクションにしてその指摘は本末転倒だとも思ったが、こういう感覚に陥らせる一番の原因はやはりノンフィクション以外の部分、映画における演出や、どの部分をハショりどの部分を重要視するかと行った取捨選択だ。
そう考えると、前述したうざいカントリー丸歌いや、スクールキッズの関わり方のきつさ、調子乗ってるガキ、大リーグ挑戦を決めてから達成するまでの話がかなり薄い事(どちらかといえば本人の頑張りよりも家族との関わりを重視している)など、嫌な部分が思い出されてくる。←こういう一般に良いとされるであろう演出を気持ち悪りーとかきもいとか感じるから俺はダメ人間なんだろうなあ。
ただ、それをも上回るこの実話のすごさ。結局は感動的な映画だった。
コラテラル ★★★★☆
殺し屋を乗せたタクシーの運転手が、その仕事にコラテラルされる話。
殺し屋にしては事前・事後の処理がものすごく雑だ。殺る前にロケーションを一切確認せず、殺った後もスナイパーならともかく死体を放置したままその場を立ち去るプロなんてありえない。挙げ句ストリートで絡んだチンピラを殺してしまい、それまでも放置して去るなんて馬鹿の極みだ。だがしかしこういうずさんな部分がなければマックスがこのセミプロ殺し屋に巻き込まれる状況もないだろうし、それこそ、本当に不動産屋の得意先回りに付き合って一晩比較的稼ぎの良いタクシー稼業を全うした気になっているだけの映画になってしまう。
だがこの映画にはそういうダメな部分よりも「がんばれマックス」的な感情の方が上回ってしまう。それは、ヴィンセントというイレギュラーな状況を持ち出すことでマックスの背景をかなりかっちりと描いているためだろう。普段ターゲットのバックボーンなんぞしったこっちゃないために平気で殺せるヴィンセントが、背後を知ってしまったマックスだけは奇妙な親近感を得ているというのもなんとなくわかる。←だとしたらこれも殺し屋的にはダメなやつなんだが。
ラスト、前フリとして「ロスの地下鉄で死んだ奴が○時間放置された」みたいなことを語ったのを受けてのああいう状況なので、マックスは地下鉄のドアが閉まる直前にヴィンセントを担ぎ出すのかなあなんて思ってたら、なんとそのまま放置していきやがった。オチとしてまとまりやすい安直な人間らしさよりも、ヴィンセントの孤独感を最後まで貫いた形になった。その分オチは尻切れで、せづねえ感じになっている。
ただヴィンセントは6年しか殺し屋稼業やってないんだよなあ。ここは結構重要だ。だとすればずさんな事前事後処理も(経験不足という意味で)ある程度理解できるし、この風貌からして確実に「6年前=殺し屋になる前」の背景が、見えにくいがヴィンセントにもあるということだ。
要するに対比だ。生きることがアホらしくそれ故自分の命も他人の命もたわいないものとするヴィンセントと、タクシーをやりながらいつかハイヤー会社の立ち上げを夢見て、正直12年もルーティーンをこなして生きながらえているマックス、このように考えると最後に描かれる孤独感も非常に後味良いものだ。
全体で見ると前述したダメ殺し屋の部分や、クライマックスあたりからのマックスの(一般善良市民にしては)超絶な頑張りっぷりなど、はっきり言ってストーリーの荒は多い。だがしかし、マックスとヴィンセントの関わり方(タクシーの中での会話など)・大都市を舞台にしたもの悲しい感覚を中心に見ると結構楽しめた映画だった。
KillBill vol.2 ★★★★★
結婚式で親族を惨殺された嫁が復讐の旅に出る話。の続き。
vol.1は一言で言えば「日本のやくざ映画を撮ってみたいという衝動」の映画だった。して一応ストーリーとしてはその続きであるvol.2は、やや「カンフー映画撮ってみたい病」の兆しもあるが、基本的には復讐のため女が各地を移動し、復讐敵と闘っていくのが主軸となっている。その点例えばカンフー修行からの墓ぶち破りシーンは時間の往来というタランティーノらしさを出しながら伏線の張り方として非常に映画らしいつくりを取っていたり、5点を押す必殺技が最後の伏線になっていたり、vol.1はアクションや音楽へのこだわりを強く感じたが、vol.2ではそれよりもストーリーや見せ場を重視した作りになっている。
そのためvol.1でぼんやりとわかっていたような女と4人の殺し屋の関係、またそれぞれとそのボスであるビルとの関係などが明らかにされて、より登場人物の心理や置かれた立場を掘り下げたものとなっているのも、ストーリー性が重視された印象を受ける要因かもしれない。
見せ場に関してはvol.1であったような大立ち回りのチャンバラはなく、vol.1の冒頭でもあったような、緩急を急激に付ける1VS1の戦いになっていて、スピード感を重視した見せ方をしているので殺陣の間も冗長に感じることはない。それどころか、例えば眼帯女との決闘ではあの殺陣の間にアイデア溢れる攻撃が繰り返され圧倒されるし、もちろんユマサーマンも眼帯女の役者さんも格闘技のプロではないが、編集や画面効果ひとつであれほど緊迫感のあるものが出来るのは驚きだった。
また今回もガチンコ体当たり勝負のユマサーマンは凄くて、特に生き埋めにされて脱出するくだりの緊迫感というか、見てる側も息が詰まってしまうほどのリアルさはあの表情・演技あってのものだし、タランティーノが気に入っているのもわかる。
というわけで、1と2あわせて見てみると、前半1のガチャガチャ加減と後半2の重厚さ+タランティーノ流時間の分断とチャプター方式+ガチンコユマサーマンという組み合わせはよかったし、大変楽しめた映画だった。
ギャング・オブ・ニューヨーク ★★★★★
南北戦争少し前のアメリカはニューヨーク、父親をギャング団の頭目に殺されたその子供が大きくなって復讐する話・・・・という体のアメリカ史映画。
見る前は「プリ男がギャングモノ?あのベビーフェイスでか?」と、いわゆるアクションをメインとした”マフィア映画”を想像していたんだが、実際見てみるとこれが全く違った。
アメリカの歴史についてはざっくりとしか知らない(フランス革命頃に独立戦争があって、1800年代中頃に南北戦争があって、1900年代以降は色々外国とも絡んでくるからまあまあ知ってる)ため、この映画も同様にざっくりとしか楽しめなかったと思う。例えば当時アイルランド移民が経済不況からアメリカに殺到していたという事実は知らなかったし、ニューヨークの自治がどのようになされていたのか、また風習や慣習を含めた文化的背景(奴隷制度とかracismとかそういう事ではなくてもっと細部に到る、服装・流行・喰いもんなど)、こういう点も映画の中から見極めるだけで、自分の中では全く消化しきれていない。史実映画は細部を楽しめるかどうか=その歴史について多少なりとも知っているかどうかがかなり大きなポイントなので、そこは自分自身に大きなマイナスだ。ただ見終わった映画が面白いと、一気にその歴史について知りたくなるという良い部分もある。
比較的歴史好きの自分がどうしてこれまでアメリカ史を知らなかったか、興味なかったかというと、まずその歴史の浅さがネックとなっていた。実際独立戦争前まではいろんなヨーロッパの国が面白半分に植民地にして、勝手に勢力抗争をやっていたので、その時代も含めてそれ以前も、どうしてもヨーロッパ各国の歴史を追っていきたくなる。また新大陸にバンバン送られてくるニガーの奴隷さん達の事をリアルに想像するとかなりせづなくなるので、正直その部分は避けていたというのもある。象徴的な資料としてよく見る「すし詰め奴隷船」の図は酷すぎ。ああいうのを見てリアルに想像すると、当然うんこおしっこは垂れ流しだし、身動き取れないまま新大陸に着くまで自分の一つ上にいるやつのうんこが頭にびっちりかかったまま船に乗ってるのを描いたりすると、ゆううつな気分になる。
歴史認識の有無による差を一つ挙げると、プリ男が自らを「アムステルダム」と名乗った時、真っ先にオランダのアムステルダムが思いついたが、それに対しブッチャーは「俺はニューヨークだ」と含みを持たせて返答している。なぜプリ男がそれを名乗ったかと言えば、ニューヨークがイギリスの植民地になる前、オランダの植民地で「ニュー・アムステルダム」と呼ばれていたということだ。このへんをサクッと知っていればストーリーの中でもっと楽しめたのに。
文化・慣習について、アイルランド移民を中心とした「デッド・ラビッツ」がカトリック教の神父(プリ男の親父)を頭目にしていることは理解できても、神父なのにぶっ殺しまくるのはアリなのか?とか、ピューリタン(プロテスタント)の「ネイティヴズ」がなぜ「ネイティヴ」を名乗ってるのか(ネイティヴ・アメリカン≒インディアンを排斥したことを皮肉っているのだろうか)、それと関連してそれぞれの宗教に対するポジショニング(行事やお祈り)などもきちんとつかめていない。これはもう、キリスト教徒でないとわからん事かもなあ。
自治について、これは現代アメリカでもまだ影響が残っているであろう「連邦主義」的な発想だ。州ごとの自治が大幅に認められ、それぞれの州に特有の制度があるのは今でも度々取り上げられる。それが1800年代中期のニューヨークではどういう感じだったのか。だから、この映画では終盤まで政治統治よりもギャングを背景にした圧倒的な武力による均衡が描かれていたが、プリ男がヘルズゲートに収監されていた10数年間、つまりブッチャーが街の暴れ者の頭目から、地位を得て街全体に影響を及ぼす政治のフィクサーに変化する間のことが見えてこない。
以上書いてきたことのように、この映画は基本復讐劇の体を借りているが実は史実映画で、その本質は「古い時代から新しい時代への転換」だ。徴兵制を免れようと市民が蜂起した時、それを鎮圧したのは軍隊=国家権力だったし、かつて大通りで決着が付くまで闘うことのできたギャング抗争は、軍による艦砲射撃によって始まることなく集結させられた。ここに、ギャング=武力による均衡から国家による統治に変化していったことを象徴している。
金持ちは「貧乏人同士が同士討ちするだろう」みたいなことを言ったが、まさにその通りになったわけだ。プリ男は個人的に復讐を果たしたが、結果的にはブッチャー共々敗北した形になった。ブッチャーを演じたダニエル・デイ・ルイスはこの映画で役者として一人勝ちした奴だ。プリ男やあの女の現代風な風貌が全く違和感のある中、こいつは1800年代中期を貫いた。この映画にして最高の役者だった。
そしてラスト、テーマソングと共にブッチャーとヴァロン神父がニューヨークを見渡す中、時代が進むに連れてどんどん街は発展していく。最後WTCのツインタワーが映った所で暗転。この映画にしてこの暗転はやはりメッセージ性の強い締め方だ。暗転後GANGS OF NEW YORKの題字が。いい感じのラストだ。ヴォーカルも聞こえてきたが、なんか聞いたことある声だ。歌自体もこの映画のために書き下ろされたような詞の内容だ。まーしばらく見てようとだまっていると・・・・・なんとかかんとかU2。あーーーぼのぼのか。この声そうだぼのぼのだ。流石に『この映画のテーマソングをU2』ここはわかるぞ。なんとも粋な計らいだ。
てことで、是非この映画を最初から最後まで鬼畜に見てもらいその感想が聞きたい。野郎は確か歴史があまり好きではないが(違ってたらごめん)、多少なりとも自分にからんでいるのを見るのは面白いのではなかろうか。
長い文章だな。まあ映画の長さを反映してるんだろう。
==============================
上の感想を書いてから他人の感想を見てみると、やたらに評判が悪い。いくつかみてみると、どうも当時の宣伝では「プリ男と女のラブロマンス」が前面に押し出されていたらしい。そりゃーいかんわ。この映画は史実映画として見てこそおもしろさがわかる映画だし、ストーリーやプリ男をメインに見ると非常に中途半端に映るだろう。「ギルバート・グレイプ」ではなく「タイタニック」あたりでプリ男にハマった婦女子などは、プリ男のプリっぷりを堪能するはずが血と暴力の残酷描写にノックダウンだろうな。
これは、プリ男という集客力のあるアイドルをキャスティングせねば興行収入につながらないであろうというスポンサー・販売会社の思惑と、プリ男をキャスティングしさえすれば潤沢な資金で自分の好きな映画が撮れるという個性派監督スコセッシの思惑が変な形で結びついた結果だ。ハリウッド大作の悲しさだ。そして、スポンサー・販売会社の思惑に飛びついた観客は正直この2時間半以上の映画を良く我慢したと思う。南無。