MONDAY ★★★★★

月曜日、男は起きるとホテルの一室にいた。なぜそこにいるのか、まったく思い出せない。タバコを取ろうとすると清め塩が。そういえば葬式に行ったのだった。そうして身の回りの物から記憶をたどるうちに、大変なことがわかってしまった。
まず全体を見た感じで久しぶりに楽しめる作品を見た気がした。自分自身が酔っぱらうと寝てしまう質なのでわからんが、悪酔いする人間が限度を超した瞬間、彼はもう感覚のみで行動するしかなく、時に大胆、よくわからん正義感のようなものを振りかざす。それがスーパーデフォルメされている。
それとこれは後半から特にそうなんだが、鉄砲なんてのは格好悪い武器だ。あんなもの酔っぱらいでさえともすればこの映画では神になった瞬間があるのだから、しかも一度捨て去ってもなおそういう武器に依ってくる他者、味気ない一瞬の物事を突きつける他者に対峙して、結局は鉄砲に依った方がいいのだよという認識を得ながらも、ラストでは取るのか、取らざるのか、その選択を突きつける、いや人間ならばあんな野蛮な武器は放棄するということに本来なら賛同するはずで、ヤツが持ってるからワシも持つのかよ?ええ?と圧倒的に問うてくる、突き放した終わり方がいいと思う。
しかしその鉄砲によって緊迫感が出るのも事実。銃口を突きつけあい、どちらが撃つのか、撃たざるのか、その駆け引きなんかは映画でよくあるシーンだ。この映画は後半でそういう緊迫感のある画と、前半ではダンス音楽に乗った奇妙な画と、なんだか変な感じなんである。変だけど面白い。絶対ありえない話であるが、それだけにデフォルメされた連なりは映画という娯楽として正統派だと思うし、それゆえ楽しめるのではと思います。
あと音楽がかっこいい。

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