PARTY7 ★★★☆☆

組の金を持ち逃げしたチンピラ三木。人里離れた怪しげなホテルに身を隠していると、次から次に変な奴らがやってくる。一方で、ホテルには覗きのための隠し部屋があり、覗きマニアのオキタとキャプテン・バナナがそこから部屋の様子を覗いていた。
正直笑えなかった。
まず、ごめんなさい。感覚がダサくてごめんなさい。スタイリッシュじゃなくてごめんなさい。オキタとバナナの掛け合いがなんだか全然ハマッてなくてぎこちねぇなこの野郎と思ってごめんなさい。ハイテンションはいい味だしてるけど、こうワンパターンのハイテンションが続くとクドくてイタイよボケ、と心の中で思ってごめんなさい。
鮫肌男と桃尻女の感想を読んでもらえばわかるが、自分はこの監督さんの撮る映画のタイプは好きな方だ。もっと言えばタランティーノの映画が絶対的に好きだ。
映画の構成として、導入部は初見ではわからない思わせぶりなところ、それを利用したラストにかかる時間ずらし、そのラストまでの物語が基本的に”カスの論理のぶつけ合い”で連なってるところなんか、伝統的タランティーノ映画を踏襲してて基本の部分は凄くいい。こういう作りが自然にできるというのがまず素晴らしいと思う。
それを踏まえて、これは狙ってそうしてるのかもしれんがまず話に骨がないというのが全然ダメだった。骨太の話の中にああいうちょっとしたユーモアが埋め込まれているというのが許容範囲で、ああも敢然と”はい「笑い」ですどうぞ。はい、笑ってね。笑わなきゃスタイリッシュじゃないからね”という青春のメッセージ全開のシーンがてんこ盛りでは耐えきれない。
うーむ。あとどうしても、鮫肌の二番煎じである感は拭えないよな。鮫肌の感想でも次回作が楽しみ、のようなことを書いたがまんまで出てくるとは思わんかった。我集院と洋八のキャラはまんまだし、キャプテンバナナは田抜よりも全然いけてないし、正直あの原田芳雄の振る舞いはおそらくまだキャプテンバナナになり切れてない。
あとはそう脇役がくどい。ズラのボーイはもう最低だ。くどいんだよおめぇはよと叫びたい。こうなると肝心のスピード感もまったく感じられず「どうでもいい面白い話」がただのどうでもいい話となってしまう。
なんだろうな、やっぱこの監督さんはこんなコメディー調の変化球を投げることなんかせずに、タランティーノが作り出した方法に乗っ取って、+彼の笑いの要素を加味したおもしろストーリーをいくらでも作れると思うのです。事実それが鮫肌のおもしろさだとこの映画を観て反面的に思ってしまう。
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以上はこの現代においてスタイリッシュではない私の主観であり、仮にこの映画を観て、とても面白かった、ずっと笑えた、何遍でも何遍でも観たいというあなたはスタイリッシュであり、正解の人です。笑う犬の冒険等を見てそのスタイリッシュっぷりに磨きをかけてください。

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