幕末の佐幕攘夷主義集団、新撰組に二人の武士が加入した。北辰一刀流の田代と、商家出身の加納惣三郎。美男子である加納に、もともとソノ気のあった田代が、ソノ道を教える。やがて加納にソノ気があるといううわさは組内に広がり、様々の問題が起こる中、統率を重んじる幹部達、近藤勇・土方歳三・沖田総司らは解決に動いた・・・!
大島渚監督の最新作。そういえば、昔過激描写で話題となった「愛のコリーダ」が近々(2000年秋)渋谷のミニシアターで上映されるらしい。機会があれば見たい。でも渋谷嫌いだからたぶん見ない。
まず目を引くのが出演者。話題作りかどうだか松田優作の遺子、松田龍平が事実上の初主演である。ただどうしても優作と比べてしまう・・・・。優作と比べられたらかわいそうだが、あの独特の雰囲気や存在感はなかった。少なくともこの映画では。しかしあの切れ長の目はいい。
映画の内容は簡単な話、衆道(ホモ)の攪乱なのである。しかし事は単純でない。一方で近藤・土方・沖田・伊藤の天然理心流系新撰組オリジナルメンバーを柱とした、いわば軍隊の規律を重んじる部分と、外部からの加納という美男子が持つ妖艶な魅力、これによって互いが互いに不信感を抱いてしまう、少なくとも土方はそういう風に描かれている、肝心なのはこの描写だと思うが、如何せんそこまで引っ張るのが長い。
できるなら、その後の4幹部の関係も見たかった。土方の不信感が特に近藤にどう影響するか?崔洋一は本業は監督ながら結構いい味だしてた。結局クライマックスは一つだけ、なんだか物足りなく感じてしまう。
ストーリーの骨子はかなりいいと思う。しかし・・・・。こういうなんというかやりきれなさみたいなものは、「アイズワイドシャット」を見終わったときのモヤモヤに似ている。