70分頃のリケルメOUTについて、試合後のインタビューではその理由を聞いてくれなかったのでまだ真意はわからんのだが、カンビアッソ投入=守備固めだとすると(俺はそう思った)、アルゼンチンらしくない交代だ。ここまでの戦いではリケルメを中心としたポゼッションを重視して、守備も読み予測を重視した高い位置からの囲い込みを主としていて、守備固めのように「相手の攻撃を受けて防ぐ」ようにはしていなかった。それにもまして、万一同点に追いつかれた場合(実際そうなったんだが)、リケルメ不在による攻撃パターンの激減をペケルマンは想定しなかったのだろうか。そんなハゲちらかしのように無為無策の監督ではないし、そういうリスクを込みでのギャンブルだったとしたら、それほどあのスタジアム内の雰囲気というか、ドイツゲルマン魂の執念を感じていたのかもしれない。
もう一つ重大なポイントとしてはアボンダンシエリの負傷交代だった。レオ・フランコがアボンダンシエリと比較してどうこうではなく、メンタルの準備もない第二GKがいきなり入って活躍できるほど、ワールドカップのトーナメントがやさしい試合で無いことは素人でもわかる。PKまでもつれたら負けは確定だろうとぼんやり考えていた。
しかも最後のカードがフリオ・クルスて・・・・・。おい、インテルのあのボケを、この局面で投入したって勝ちムードねーーーーーーーーーーーーーーーーーーんだよ。メッシだろがーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。結果的にはそれなりに活躍してたんだが、自ら突破を仕掛けることもなく、「勝ちオーラ」「得点オーラ」は微塵も感じなかった。
で、PK。カーンに闘魂注入されたレーマンの自信満々ぷりに対して、レオ・フランコの存在感のなさというか、こういう局面のオーラのなさっぷりはかわいそうすぎた。次々際どいところに決めてくるドイツキッカーに対峙して、右側に自信なさげに倒れ込むだけ。彼を責めることはできない。PKになった時点でこういう展開はそれこそアルゼンチン自身もわかっただろうし、例えばラームの横パスミスカットでマキシシュートなど、90分+延長戦の流れの中で試合を決める以外勝ち目はなかった。
この日ドイツは、アルゼンチンにはガチでテクニック勝負やっても到底勝てないと理解した上で、守備はガッチガチのリトリート、守備ライン+マスチェラーノぐらいまでのポゼッションは許容する代わりに、決定的な部分でのFWやリケルメの動きを封じることに集中した。最終的にポゼッションはARG 60 – 40 GERぐらいだったと思うが、ある意味この結果はドイツの思惑通りだったように感じる。
アルゼンチンはこの流れに身を任せ、自分らの戦術通り最終ラインからのロングフィードはほどんどなしに受けて立った。この点に関しては、エインセが長いこと怪我で不在で、彼の特徴である正確なフィードの有効性をテストマッチで試せなかったのもちょこっと影響しているかもしれない。ともかく、ゲーム自体が非常に緊迫した、言い換えれば動きのない展開に終始したのはドイツの作戦に依るところが大きいし、先制されてからのクリンスマンの采配は見事にハマリ、対するペケルマンはぶっ壊れた。
あとオドンコール投入後、シュナイダーと比べて頭空っぽで突進してくるものだから、それにソリンが手こずったのもじわじわジャブのように影響したのではないかと思う。ああいう空気読まずに突っ込んでくるタイプは攻勢の時活躍するよなあ。
あー負けちまった。前回トルコがブラジルに負けた時はまだ3決があって、しかもホーム韓国に勝って(確かハカンシュクルの最速記録ゴールがあったはず)3位になってくれたもんで結構達成感はあったんだが、今回は優勝も見越せるアルゼンチンがトーナメント戦の巡り合わせにより準々決勝で消えるというのは非常にもったいなく、非常にせづない。これが事実上の決勝だったと言われるように、ドイツには是非頑張って欲しい。