ある女が、離婚した夫を殺した容疑で裁判にかけられた。最終的な判断を委ねられたのは12人の陪審員。一般人である彼らは所詮他人事、全員「有罪」で一致するかと思われた時に、本当に有罪で一致した・・・。その時一人の若者が切り出した。「私は議論がしたいんです。」そのあとどうなる?
大元は前に書いた「12人の怒れる男」という映画で、原作というかもともとは三谷幸喜の劇団劇だったらしいが、これは舞台でも大爆笑だっただろう。なにより設定が舞台向きだ。場面転換はほとんどなくそのぶん舞台のスピード感も増すだろうし、一気にいける。
まず最初の全員有罪がいい。日本人っぽい責任放棄。この辺でなんとなく、ただのパロディでなく日本人を全面に出そうというのが見て取れる。12人はそれぞれに付和雷同、グレーゾーン、弱いものには強い、みんな日本人に「ありそうな」側面を持ってる。
なので、発言するにしても「あなたはどう思いますか?」と聞かれてから「はあ・・・。」こういうのが多い。「怒れる・・・」のパロディだけでなく、これは日本人のパロディなんである。
まあ全体の感想はこんな感じで、肝心の中身はそのクライマックスがとてつもなく凄い。さすが三谷幸喜。「まさかあの言葉が・・・そうなる・・・かぁ~!」。とにかく初見は度肝抜かれる。絶対見るべし。