特集は「SVR4入門」。自分がUNIXを触り始めた頃(1997年ごろ)だとUNIXの系統としてSystem-V系とBSD系、という言い方よりは、SVR4系とBSD系という言い方のほうが多かった気がする。そのSVR4が登場したのがこの頃だったよう。System-VにBSDのいいところを取り入れたバージョンだったよう。あとは今ではおなじみの動的ライブラリの話や、オブジェクトファイルのフォーマットがSVR4からELFになったなど、今に繋がる話も入っている。
今につながる、といえば、Linuxという単語がおそらく初登場。386BSDとともにフリーなPC-UNIXとして米国で注目されている、というのはが記事の中にちらっと出てくる。ただしこの著者は「ただしこれらはネットワークでのユーザ自身によるサポートのみですから、主流には成らないだろうと私は推察しています」との意見。もちろん当時の状況ではこの推察となるのは当然だろうが。
1992年の1年分を振り返ると、表紙にある「UNIXとワークステーションの情報誌」という副題にある通り、UNIXを(サーバではなく)ワークステーションとして使うための記事(プログラミングも含む)がメインとなっていた。だがその後の歴史では、この当時からライバルとされていたWindows NTがPC側からUNIXワークステーションを飲み込み、この「ワークステーション」というカテゴリそのものが消滅したのは周知の通り。