前回に引き続き慶應通信の話でも。今回が評価についての最後の記事となる予定。最後のテーマは試験の難易度だが、例によって「大学通信教育つれづれ」のsanno氏が直近の記事で的確な指摘をされている。この記事を読めば筆者の記事など読む必要はないのだが、せっかくだから書く。
レポートと比較すると、試験の難易度はそれほど高くはない。少なくとも経済学部の専門科目では、大半の科目がテキストの範囲もしくは履修要項であらかじめ試験出題用と指定された参考文献の範囲から出題されており、履修内容とのギャップは少ない。よって試験対策も、過去問で出題傾向を把握した後は何度もテキストを読んで理解する(暗記する、ではない)ことで、基本的には合格点がとれるだろう。
もちろん例外もあって、経済史のように、それってテキストでは半ページしか記載がないだろ、どうやって論述するんだ、という出題があったり、時事問題と絡めた出題をするようなひねりをきかせたがる科目もあるが、全体としては少数派だ。
試験のレベルとしては基本的な事項を問われることが多いようだ。スクーリングの試験の場合だと講義で触れた多少高度な話題が出る場合があるが(多くはない)、講義という手がかりなくテキストをまんべんなく学習させるテキスト科目では、そこまでやるのは酷だと考えているのかもしれない。
スクーリングの話題に触れたところでスクーリングの難易度についても触れておこう。スクーリングの評価は大半が試験でもあるし。
スクーリングは上でも触れたように基本的に講義の内容からしか試験が出題されないため、難易度はそれほど高くないと思われる。特に夏期スクーリングは期間が短いことと基礎科目の講義が多いこともあって、内容的にもそれほど高度なものが出された記憶がない。密度は濃くてもやはり短期間なので、高度な内容を出しても消化不良になってしまうことを講師の方もご存じなのだろう。「発展的な内容は夜間スクーリングでやります」と公言していた講師もいらっしゃった。結果、筆者の周りでは語学以外で落ちたという話を聞いたことがない。筆者自身も評価はすべてAかBである。ただし語学(というか英語)は当たり外れが激しい。筆者はどちらも当たりの講義だったが、外れを引くと悲惨である。場合によっては最初からあきらめてしまう方がよいかもしれない(英語力をつけるなら外れ科目の方がよいのかもしれないが)。
というわけで、以上で評価についての考察を終える。一言言えるのは、筆者の主観では、理不尽に難しいのは例外的にあるかもしれないが、それ以外はごく普通の難易度だということだ。ただ難易度はその人のそれまでの経験によって感じ方が大きく異なるので、高卒から入学した場合は面食らってしまうかもしれないなあというのは感じる。