サハラ砂漠へ出兵直前に除隊した英国軍人ハリーが、4枚の羽根を返しに行く話。
当時羽根を送られるということは臆病者の証だという説明が冒頭にあったし、またハリーのような英国軍人はそんなにも誇りを重んじるのかというのもあるが、まずこのハリーの超人ぶりがよくわかんない。絶頂期のマルコ・ファンバステンそっくりだった顔もアリ・カリミに変貌し、このような怨念めいた羽根に対するこだわりがあるのならば、なら最初から出兵しておこうぜと正直思う。
一見メインは羽根を介しての友情の確認がテーマなんだろうが、やっぱこの映画で一番漢を上げたのは素性のよくわからんアブーだろう。彼のパワフルさが無ければ収容所脱走もかなわなかったし、どっから来るのか知らんがうまいことハリーを助けてくれる。
あと当時の奴隷の扱い方について、これほど具体的に描いた映画も少ないだろう。ギュウギュウ状態での立ち寝、死んでも放置、メシは一定量を毎回奪い合いなど、まさに隷属するべき人々として、ひどい話だが適切に描いてあった。うん、まだメディアのようなものが存在しない時代は、女は身分の貴賤無く当然のように犯され、男はあのような処遇で強制労働やったんだろうなあ。昔ってすげえ。