チェンジング・レーン ★★★☆☆

アル中が原因で離婚調停中の保険屋ギブソンと、財団の所有権を巡り裁判中の弁護士ギャビンが車で事故って色々狂う話。
表題チェンジング・レーンは、文字通り車線変更という事と、ふとしたきっかけで人生の道筋が変わってしまうという二つの意味が含まれていると思う。事故によって二人に関係性が生じ、そこから様々な人間や自分の置かれた環境が見えてくるというのがストーリー展開の肝だ。特にギャビンはそれまで人生順風満帆だったはずなのが、この事故により自分や周囲の人物の本性も含めて様々な真実が見えてくる。嫁が遠回しに偽造を勧めてくるシーンは非常に象徴的だ。
で中盤過ぎたあたりから、この映画の結末は両者ハッピーエンドしかありえないという臭いはしてきたが、果たしてどちらが先に譲歩するのかがポイントだった。教会での吐露が決定的な感情の変化に繋がったのかはわからんが、結局この事故でより多くの真実を知ってしまったギャビンの方が、しがらみを振り捨て自分の感情に素直になったというところが大きい。
しかし一時はお互いにぶっ殺そうぐらいの勢いまでいったのによく収まったもんだ。まあ元はと言えばハッカーに頼んでややこしくしたのもギャビン自身だし、傲慢な性格が直って素直になったことだし、ギブソンはなんだかんだで復縁できたわけだし、結果オーライじゃないでしょうか。
とこのように、展開もありふれていて決して悪い映画ではないが強く印象に残るものでもない。ただしかし、ハリウッドによくありがちな「スピルバーグ大先生の教科書」を丸々読んでその通りに作りました的な感じも受けない。ありふれた言葉で言えば「地味な良作」て感じだな。

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