チェンジング・レーン ★★★☆☆

アル中が原因で離婚調停中の保険屋ギブソンと、財団の所有権を巡り裁判中の弁護士ギャビンが車で事故って色々狂う話。
表題チェンジング・レーンは、文字通り車線変更という事と、ふとしたきっかけで人生の道筋が変わってしまうという二つの意味が含まれていると思う。事故によって二人に関係性が生じ、そこから様々な人間や自分の置かれた環境が見えてくるというのがストーリー展開の肝だ。特にギャビンはそれまで人生順風満帆だったはずなのが、この事故により自分や周囲の人物の本性も含めて様々な真実が見えてくる。嫁が遠回しに偽造を勧めてくるシーンは非常に象徴的だ。
で中盤過ぎたあたりから、この映画の結末は両者ハッピーエンドしかありえないという臭いはしてきたが、果たしてどちらが先に譲歩するのかがポイントだった。教会での吐露が決定的な感情の変化に繋がったのかはわからんが、結局この事故でより多くの真実を知ってしまったギャビンの方が、しがらみを振り捨て自分の感情に素直になったというところが大きい。
しかし一時はお互いにぶっ殺そうぐらいの勢いまでいったのによく収まったもんだ。まあ元はと言えばハッカーに頼んでややこしくしたのもギャビン自身だし、傲慢な性格が直って素直になったことだし、ギブソンはなんだかんだで復縁できたわけだし、結果オーライじゃないでしょうか。
とこのように、展開もありふれていて決して悪い映画ではないが強く印象に残るものでもない。ただしかし、ハリウッドによくありがちな「スピルバーグ大先生の教科書」を丸々読んでその通りに作りました的な感じも受けない。ありふれた言葉で言えば「地味な良作」て感じだな。

フォーン・ブース ★★★★☆

嘘ばっかりついてる調子のいい編集者が、電話ボックスで脅迫される話。
約80分というかなり短めの映画なんだが、冒頭から電話のシーンでわけのわからぬ固有名詞が連発されかなり面食らう。いきなりこの焦り様はなんなんだろうと見ていると、何のことはないこれらワード群には意味が無く、ただステュがそういうせわしない人間なんだという状況説明だけだった。
というのもこの映画の構成は、電話シーン~電話ボックスにたどり着くまでの数10m(数100m?)に彼の嘘つきキャラをねじ込んで、あとは実質電話ボックスでのシーンが続く。これは例えば、冒頭30分かけて「ステュは嘘つきで成り立っている人間だ」というのを描き(家とかオフィスとかカキタレとかで)、その後電話ボックスシーンだとして都合100分の映画にすると緩急の緊迫感がまったくでないのだろう。だって正直この映画は緩急だけなんだから。なので、半ば見てる側を置いていくほど冒頭に畳みかけるのは、全部見終わった後では正解だったのではないかと感じる。
電話ボックスでの理不尽なやりとりが展開される中で、最初は「誰が犯人なのか」が肝になるのかなあと思って見ていたが、結局これは電話マンに踊らされるステュの心理変化+刑事とのやりとりを楽しむ映画なんだと徐々に感じ始めた。中盤過ぎたあたりから自分が電話マン目線でステュを見ているのに気付いて、全くステュに同情する気が起きないのだ。むしろ、嘘で塗り固めた野郎が虚実入り乱れた電話マンの口上と実力行使に圧倒されているのを見ながら結構楽しんでいる。
要するにプレイだ。電話マンはステュという格好のネタ満載野郎を徹底リサーチし、この電話ボックス撤去記念として最初で最後の”ステュ”プレイを楽しんだにすぎない。そしてそれに観客(少なくとも俺)も乗っかったわけだ。
なので、ピザ屋がフェイクだという事は瞬時にわかったが、まさか最後に実物を出すとは思わなかった。あー電話マン的には、ステュにびっくり大どんでん返しを味わわせ、そのびっくり顔を拝んで初めてプレイ終了なのかもしれんな。しかもジャックバウアーて。なんでだよ。

ボーン・スプレマシー ★★★☆☆

記憶喪失になったボーンが自分は何者かを追求していく話。の続き。
前作が「なんじゃこりゃ。」だったので見る前のハードルというか期待感は相当低い。続編らしいので一応なんらかの結末を迎えるんだろうが、CIAのトップが死んでしまってどういう構成にするのかが見所だった。
まずびっくりかついい決断をしたなと冒頭に感じたのが、ボーンの足かせとなっているファン・ニステルローイをあっさり無くしてしまったことだ。これによって、再びボーンがルーツを探るという動機付けにも合理性が出てくるし、なによりああいうあっさりとした切り捨て方は、前回のダメな部分を踏まえていますよという意思表示にも感じられた。
そして、前作ではコメディ映画かと思うほど馬鹿たれの集団だったCIAが意外とまともな集団になっていたことだ。それはもちろん、前回最後に馬鹿すぎて消されてしまったコンクリンよりもあの女ボスの方が優れているというのもあるし、女ボス自体がトレッド・ストーンの事について疑問を持っているという部分も関係している。
またボーンの相手である殺し屋も基本的には強敵一人に絞り、CIA内部にも女ボスと前作にも出てきたじいさんとの間に謎の部分を残し、見る側もボーンと共に段々そういう大きな謎に迫っていくという期待感もあおっている。その過程でボーンは情報を得るために組織と駆け引きをするのだが、その際暗殺者らしい気の利いた行動が随所に現れ、ストーリー的にもおもしろくなるし、ボーン自身にも感情移入しやすくなる。
結局最後にロシアの黒幕が捕まる部分は、唐突すぎてまたもや無理矢理感があったが、前作に比べれば遙かに見れる映画になっていて驚いた。きっと制作者がスポンサーに前作の試写会で相当怒られたんだな。
ただやはり前作同様、古来伝統のアクションとカーチェイスは未だ健在で、アクションに関しては今回敵が絞られ、世界各国の警察組織と言うことでまだいけるんだが、カーチェイスに関しては長い+車載カメラを使いまくってるので映像がぶれてなにやってんのかよくわからず、気持ち悪いという部分がなんだかなあという感じだった。
まとめると、前作に比べて
     前作                         今作
中途半端なアクション → ボーンVS組織の色合いが濃くなり、ライバルも絞られましな感じに
中途半端なカーチェイス → 変わらず+画面ブレで気持ち悪い
中途半端なラブ      → ファン・ニステルローイはあっさり死亡
中途半端な陰謀     → CIA内部にもさらに含みを持たせて広がった
とこのように、前作ありきで見ると相当進化していると思われる。

ボーン・アイデンティティ ★☆☆☆☆

記憶喪失になったボーンが自分は何者かを追求していく話。
一言で言えば「なんじゃこりゃ」。中途半端なアクションに、中途半端なカーチェイス、中途半端なラブ、中途半端な陰謀、もうこの映画全体に対して、ちゃらんぽらんに「ちゅう~とはんぱやな~」とダメ出しして欲しい。
まずはアクション。主人公のボーンは、ロボコップやターミネーターほどではないが一応超人設定されていて、そこら辺のポリ公はもちろん、同じ殺し屋の中でも圧倒的に強い。なので、アクション自体が見せ場ではなく「ストーリーの進行上なんかしらんがアクションするような状況になってしまった」という感じで、はっきり言えばしょぼいのだ。、ドラマの展開上超強力なライバルドーピング野郎が現れ、しつこくボーンを追い回すような展開ならば、よくあるパターンではあるがそれはそれで勝手に面白くなるし、まあこれだけでも見応えあるものにはなる(「逃亡者」とかはそのまんまだし)。それがなく殺し屋はヘボいのが何人も自動的に送られてくるので、盛り上がりどころがまったくない。ボーンと殺し屋どもの因果関係が希薄というのもでかい。しかも、あの殺し屋紹介シーンの部分はゲームやアニメを想起させるような映像になっていて、作っている側はかっこいいと思ってるのかしらんが、なんかダサい。
次にカーチェイス。2003年の映画らしいが、こういう年になっても未だカーチェイスを続けるのは最早制作側がやりたいからとしか思えん。あんなもんに今更ドキドキするのは映画初見の中高生ぐらいだし、「結局逃げ切るんだからさっさとやれ」的な思いは絶対ぬぐえない。前見た「60セカンズ」ぐらい、カーチェイス自体が主題となっている映画ならまだ見応えあるんだが、この映画の場合は大昔からある古来伝統のカーのチェイスが繰り広げられているだけで、うんこだ。
次にラブ。まず女がいかん。個人的にはどうもあの長めの馬面にファン・ニステルローイの影がちらついて「かわいい」とも「美人」とも思えなかった。して二人の感情の煮詰まり方も特に描いてはおらず、結構急に好きになってるらしい。それおめえ話の都合上女をこれからも連れて行くため、無理矢理ラブシーンしてねえか。
次に陰謀。この映画の特徴でもあり、大きな悪い部分でもあると思うんだが、映画冒頭からすでに黒幕がわかっているというのは何なんだろう。これだとボーンが自分のアイデンティティを求めていって最終的にCIAに行き着くまでの謎めいた感覚が希薄になるし、どうせ「まだ捕まらねーのかよ奴は」とか言ってるだけだったから別に隠しておけばよかったのではなかろうか。
とこのように、映画全体に対して色々な部分でひっかかる箇所があり、これが全体を通していい映画であればそういう部分は差っ引いて見るというかむしろ気にならなくなるのだが、この映画では気になりまくったということで、そういう映画だったと言うことだ。結果的に自分の中に残ったのは映画の内容ではなく「今の時代になぜこの映画を作ったのか」という点だ。

中田、無料レンタルでボルトンへ=イングランド

フィオレンティーナは中田の移籍交渉を行っており、8月16日火曜日にはサインが行われる可能性がある。中田英寿(28)が無料レンタルの形でイングランドのボルトン・ワンダラーズへ移籍するまで、あとはいくつかの詳細を詰めるだけという状況だ。
 ここ数週間にわたって行われてきた交渉は、大きな転機を迎えた。中田本人が待望の「イエス」の返事をしたことで、ボルトンは8月16日火曜日にメディカルチェックの予定を組むことができるようになった。
 ボルトンのサム・アラーダイス監督は中田を非常に高く評価しており、間もなく彼が加入することを本当にうれしく思う、とコメントしている。
(C)SPORT
サッカー
[ スポーツナビ 2005年8月12日 11:24 ]
イヴァン・カンポやJJオコチャなどキャラ立ちありきのチームだったボルトンが今シーズンはUEFAカップに出るって事で、FWの核にあやしいメキシコ人ボルヘッティを獲得、ディウフを完全移籍させ、とどめ(か?)に中田を無償レンタルと、あいかわらず金のかからない効率的な補強をしている。無償レンタルてことは「マジでいらんから、タダでとりあえず一年やるから、給料だけてめえんとこで払え」方式なので、高額の年俸がかかる中田はやっぱ主力として考えられているんだろうが(支払い割合がわからんので一概には言えないが)、果たしてスピードと組むのか、オコチャと両立させるのかで話は結構違ってくるなあ。

破戒無慙八月@極東最前線

其処カラ何ガ見エルカ
の6曲目「破戒無慙八月」は非常にLIVE向きの曲だ。
破!戒!無!慙!

パパン・パパン・パパン・パン X 4

これは多くの人にやって欲しい。いや、eastern youthのLIVEに来てる奴なら少なくとも半分の5割程度は自然とやるべきだ。
俺の周り約100人と、中央にたむろしているメインの集団は少なくとも絶叫~手拍子を一切やっていなかった。
其処カラ~はあんま売れてないんだろうか。それともアルバム買っても後半の曲は聴かないんだろうか。8月のLIVEなんだから当然やるだろう、事前に押さえて来いや。
破戒無慙八月はPVもあって、吉野が女装しているので是非見て欲しい。また絶叫~手拍子の録音過程の映像は「DVD ROCK 魂!」~エモーショナルロック編~このDVDを参照。