ギャンブルに破れ多額の借金を負った4人が、悪人から金を奪って返済しようとする話。
いまでこそスナッチで有名なガイ・リッチーの初監督作品。スナッチを見てからこれを見ると、なるほどそのテイストは最初からあったのかと思わせられるが、ガイ・リッチーってなんぞやの頃にこれを見るとかなりの衝撃だっただろう。それだけ、俳優や予算に頼らない「アイデアのみ」「編集・撮影効果のみ」の映画であり、インパクトのポテンシャルはこの映画だろう。
最初のうちは登場人物が多すぎて、しかもいくらかキャラの説明はあるものの基本的にニュアンスでつかめ方式なので、なにがなんだかわからんうちに序盤は進行していく。ただ事の発端であるギャンブルの負け以降、それまで相互に関連性の無かった人物が間接的に関わりを持つことで俄然面白くなっていく手法は見事だ。一言で言えば「因果応報のズレ」をエッセンスに、最後にどかんと集約させるのだが、それがおもしろおかしいほどピースにはまっていく様は爽快で、最後に確実に勝利したのがナイス・バイプレイヤーのクリスだというのもいいし、またラストでああいう結末を残したのもいなせな感じがする。
てことでその因果応報のズレをせっかくなので書き出してみた。こう見ると、意外に「バカ2人」がかなり重要なポジションにいて、「黒人アフロ」はキャラの割に直接的には関与していない。
しかしまあ、「シートベルトは締めておけ」がまさか伏線になろうとは思わなかった。面白い映画だと思います。