今日は二日目
音楽を積極的に聴こう、よりかっこいい・楽しい音楽に触れてみたい、こういう感覚を持ったのは中2まで遡る。その点が曖昧なものでなくおよそ断定的に言えるのは、それまでなんとなく周りに合わせて聴いていたJ-POPと決別し、セックスピストルズに出会ったから。当時学校内でちょっとしたバンドブームのようなものが起こって、それは少なからず「特攻の拓」「金持ちのバカ息子」というワードと関係があるんだけども、そんな中楽器演奏の未熟者が最初に演奏しようとしたのがパワーコード重視で曲展開もわかりやすい70年代UKパンクだった。今聴いてみると彼らの曲はかなりまどろっこしく、遅く、単調なリズムにうんざりしてしまうというのが本音だけど、当時はなんだかスピーディーでとても格好の良いものに聞こえた。パンクのファーストインプレッションなんてそんなもんだろう。
ともかく中2でパンクに出会った。これがそもそもの転落人生の始まり。中3の頃にはアメリカンハードロックに移行し、ガンズ・ディープパープル・レッドツェッペリン・元リークルー・ミスタービッグ・メタ理科・スキッド郎・盆所美・エアロスミスその他色々、高2ぐらいまでこういうの「しか」聴かなかったし、また好んで聴いていたというのがそもそもの間違い。やっと高3ぐらいでブルースロックも範疇に含まれ幾分拡大したものの、基本は変わっちゃいない。要するに、殊音楽における青春の大切な時代、一般にその頃はヒットチャートにどっぷり染まっていなければいけないのだが、その大切な時期を洋楽のみに費やしてしまうというきちがいの所業をやってのけるのである。
その後オルタナティブロック・ブリットポップ・日本語ロック・歌謡曲・アニソン・民謡・みんなのうた・詩吟・まあ音楽という音楽なんでも聴けるようになった。一頃は蔑視していたヒットチャート系の音楽も余裕でスルーできる。様々の音楽に触れ、確実に中2の頃と比べて音楽に対する理解は深まっている。ただし、その過程で犠牲にした大きなものがある。それが今回のテーマである、「作詞(≒歌詞)」だ。ここのニアリーイコールの微妙さは勘弁してくれ。だって最初に思いついたのがこの流れなんだから。
これは様々の人からダメだし喰らい、かなり特殊な音楽との接し方なんだろうが、筆者は歌詞を軽視してるつーか、まったく気にしていない。要は音のつながりしか音楽にない。音のつながりが純粋に好きで、何言ってるか全くわからない洋楽の英語詞を聴きまくったのが原因である。
歌詞に共感できるという聞き手、この曲でこういうことを伝えたいええ是非伝えたいのです私はという音楽作家はまあ、多いけれども、この感覚がまったくないのです。ごめんなさい。CDを買っても歌詞カードはまず取り出さないし、曲名すら知らない大好きな曲も多い。ここ数年間は日本の歌を聴く方が多くなった。もちろん歌詞の言葉も聞き取れるし、まあ空耳も多いけど、意味もわかる。がその歌詞の意味というのは筆者にとってどうでもよく、音しか聴いてないんです。そこに見るのは音の繋がりと、歌ってるやつ・演奏してるやつの佇まいしかないが、これで十分なんだからしょうがない。
あ、歌詞それ自体がおもしろい感じのおもしろソングは例外だな。
次回の予備テーマは【ゴビ砂漠】です。
よろしくお願いします。