愛のコリーダ ★★★★☆

アベサダ。
なにぶん直接的な表現をする方が適切である場合が多く、ただそれにつけピンポイントで不愉快である方もいらっしゃるでしょうから、伏字を多用します。意志を介在させときゃいいでしょう。
えーーーと、アベサダ事件。テレビか何かで見たにしろどこかで聞いたにしろ、知っている人も多いと思うけど一応簡単に補足しておくと、昭和10年頃阿部定という人が愛人を殺してそのちんちんをちょん切ってしまったという、当時にしても仮に今の事件であってもかなり衝撃でかい事件です。さらにその続きがあって、数日後に彼女は逮捕されるわけであるが、そのときの表情が恍惚の表情を浮かべていたという・・・。実際テレビで当時の写真を見たことがあるが、確かに恍惚ってた。
本作はその事件を題材にしたっちゅうか、まんまなんです。それ以上にいろいろな事柄がまんまなんです。まず本作はそのほとんどが結合シーンの連なりで描かれているわけであるが、それが「やってるふり」じゃなくて「マジでやってる」てのが一つ。そして主演である藤竜也のちんちんには一応ボカシがいれられているもののそのおおよそは想像がつき、でなぜかサオにはボカシあるにもかかわらず、キャンタマふぐりは丸出しという不可解っぷり、さらに定とか舞妓のほうの万個はもうそら、まるみえっていうか、まるみえ。
で、以上のような特異部分はまあよしとして内容をきちんと見てみると、これはかなり見応えがある。まあまず普通の成人男子であれば、ちんちんは吉のように勃起しっぱなしであろうし、その結合云々よりもシチュエーションでやられている感じでエロいのです。ラストにかかる盛り上がりもよくわかるし、定が行き着いたところはおそらく自分自身にはないであろうけれども、否応なしに客観的には見れない、定と吉の語り合いをうまく最後のところで描いていると思う。そらまぁ、ちんちんぶった切ってもアリなんじゃないかと。それが彼の本望であるし、彼女の想いであると考えるのが自然なのでしょう。
あとこれは全然関係ないですが、どうも見てる最中に気になったところが、本作と単体系AVとの違いはなんなのだろうかと。単体系って大体どうしようもないドラマがあるでしょう。加藤鷹が先生役でAV女優がその生徒役とか。そこんとこが、フランス人も大絶賛した「芸術性」とかいうやつなんだろうか。

クンドゥン ★★★★☆

ダライラマ14世の話。
まずストーリー云々の前に、学校の世界史ではかなり軽視される、今生きている我々にもリアルタイムで関わっているであろう現代の歴史をこういう映画を通してリマインドする意味というのは大きい。自分が行ってた高校の世界史の教師がかなりイカレた野郎で、二日酔いで酔っぱらって授業してるような奴だったので、最後の方は時間が足りなくなりかなり適当にやられてしまった。なので現代史ほど授業で習うというより本やニュースで知った印象がある。
で、本作はそのダライラマ14世がチベット仏教の慣習通り見いだされ即位した後、中国の理不尽でインドに亡命するまでの話である。おそらく今なおインドに亡命したままだったと思うが、今までの中国、国際社会からすれば経済的にも中級でただ国土がだだっ広く人が多いヤリマン大国の中国から、いよいよ経済立国を目指している現代の中国へと変貌するにあたって、そろそろ台湾とこのチベットの問題が大きくなる時が来るだろう。
つまりどこがいけないかというと、たぶん中世とかならば中国の行為は単なる領土拡大行為、正当なる戦争行為だったと思うが、現代のようにマスコミが発達した国際社会のコンセンサス、大義名分がなければそういうことは許されないという大昔との違い、そして明らかにWWIIの終結のどさくさに紛れてやっちゃったこと、このへんは日本の北方領土とも似ているが、本編でもあるように実際にチベットに攻め込まれボスが亡命するほどのことだからこちらの方がでかい。
そしてまたその亡命シーンがうまいこと作ってあり、なんというかたぶんダライラマも抱いたであろう観念的なリアルさが感じられるというのがいい。美しく見せすぎということもなく、逆にそれがストレートにさらっと入ってくるような感覚で、このリアルさは凄いと思う。
それ以上に、冒頭にも書いたとおり現代の今起こっている歴史的事実を振り返るという意味でまず見る価値がある。いい映画だと思います。

みんなのいえ ★★★☆☆

作家夫婦が家を建てる話。
まず全体の感想として映画を見ている気はしなかった。そこらへんのテレビの2時間ドラマを見ている感じ。この映画とテレビドラマの線引きを説明するのは難しいような、見る側の感覚なんだけれども、例えば自分の場合テレビで放映されている映画はまず見ない。CMによって寸断されるから。そういう意味では本作の途中にCMが入っていても特に気にならないと思うので、それくらい画面に引きつけられるものがなかったから、そのへんが線引き。
あと配役がきつかった。★★★の大部分は邦衛が支えている。これまで北の国からとか青大将とかで見せた彼の新作を見れた心地がそうさせるのだろう。例えるなら、サバイバル1-6巻が完結した20年後くらいにサバイバル番外編が出版されて、その内容如何にかかわらず評価は高値安定すると。
 
要するに、パッとせんのです。コメディというわりに全然笑えないし、新旧職人の葛藤もありがちなまとまり方、こぢんまりとしているのがかわいらしいというか、そう、パッとしない。

ひとごろし ★★★★☆

臆病者の侍が、武芸で名をなしている浪人に上意討ち。その作戦が「ひ・と・ご・ろ・し~」
かなり久しぶりにテレビで放映されていた映画を積極的に見た。というのも本作の存在すら今の今まで知らず、しかも松田優作主演だったのでまあしょうがねぇかなと。これから見れるかどうかわからないし。
松田優作作品というのもなにが基点になるかはわからないけれども、確実に以前と以後があるわけで、例えば代表作人間の証明遊戯シリーズ3つ蘇る金狼野獣死すべし、家族ゲーム、探偵物語、ア・ホーマンス、ブラックレイン、あきらかにアクション俳優としてのヒーロー像と、その後のなんでも味が出る松田優作という存在のようなもの、そういう意味では本作は後者に位置する作品であるし、少しコメディチックな面白い映画もOKであると。
なにがどういうふうにおもろいのかというと、まず優作が「ひ・と・ご・ろ・しぃー」と叫ぶシーンがいっぱいあるんだけど、これだけでおなかいっぱいになれる。だっておもろいんだもん。いやもちろん、本作になにがしかの特徴のある独特な雰囲気の斬新な映画かというと決してそうではなく、それゆえ後世に残っていないのだけども、単純な「おはなし」としておもしろかった。ただ、それだけ。

仁義なき戦い 頂上決戦 ★★★★☆

広能組となんだっけか・・・、なんとか組の戦い 其の四。
やくざ映画と言えば仁義ですね。最近のやくざ映画とは違い、まずやくざ群像劇であるということでストーリーが見応えあるというのがよろしい。最近のは例えば、竹内力先生とか小沢仁志とか清水健太郎とか、とりあえずアイドルありきのやくざ映画ばっかりで、そのアイドルの視点で描かれアイドルがすべて正義であるというのが自分にとっていわゆるやくざ映画を敬遠する大きな理由であるが、このへんは趣向の問題だな。だってかっこよくないんだもん。清水健太郎のあのもみあげどうにかしてほしい。
その点、文太兄ぃの一言一言は重みが違う。広島弁で「シゴウしたれや」「~~じゃけぇのう」とか言われるとそれだけでノックアウトされます。もちろん準主役の達ちゃんとか旭とか、そのほかにも今では名の知れた役者でもその当時はコワッパであった、黒沢年男とか小林年待、そして青大将=邦衛!邦衛さえ出てればすべてがOK!邦衛最高!
ただ難点が、冒頭にそれまでのあらすじのようなことがバーっと述べられるのだけども、もちろん前作までをきちんと見ていればそれはそれで確認のためにいいんだが、当方いきなりパート4から見てしまったので互いの関係を把握するのに手間取った。結構わかりにくいのでこれはパート1から素直に見るのをおすすめします。