鑑別所から戻った伸助が帰った地元はすでに、かつての勢力図とは様変わりしていた。それでもなお戦おうとする伸助一味の3人。これがいま映画監督として怪しいポジションにある、井筒監督のデビュー作みたいです。
まず、登場人物が凄く豪華。当時おそらく人気絶頂の頃だったであろう伸助竜介が主役として登場し、今はすっかり大物芸人としてマルチ振りを発揮している伸助と、今はたしか大阪でバーかなんかを経営している竜介のカラミがこの映画では見れる。さらに若い頃の神岡隆太郎も登場し、内容よりもまず当時の配役に笑ってしまう。
で内容だが、セリフがちょっと聞き取りづらくて、正直細部までの含みがよくわかんなかった。さらに俳優が全然わからんやつばっかりなので、勢力争いがメインの映画なのに互いの相関関係の把握にとまどってしまうことも多い。話が進むにつれてだんだんわかっていくような感じである。
全体で言うとあの特攻野郎Aチームのような性格の監督であるから、後々の岸和田でもあったようにこんな風なチンピラ群衆の葛藤なんかを描いてる作品は、よくあるようなビーバップものとは一味違う。大体そういうのは役者と言うよりもまず勝ち気、喧嘩っ早い性格ありきのイケイケドンドン映画になるものなんだが、井筒のは凄くドロドロとした、ちゃんと映画してるのがいい。それだけに過去のを見ててもそんなに痛々しくないです。