中国の山奥の村に、代用教員としてやってきたミンジ。彼女の目的は金のみである。正式な先生が戻るまでに生徒を一人でも減らさなければお金がもらえるという約束になるが、貧しい家庭のホエクーが町に出稼ぎに行ってしまう。どうするミンジ。
ものすごく中国ったらしい映画。最後にはいかにもな貧困山村の現状めいた言葉がサラッと、そりゃもうそういう映画なのですよと言わんばかりにサラッと乗っかってて、なるほどと思うとともにそれまでの展開と併せてものすげぇ中国臭かった。なんでも、貧困山村から毎年100万人の児童が出稼ぎに行かざるを得ない状況になり、そのうちの2割ぐらいがなんとか財団のおかげで学校に復帰してるそうです。大変だね。
で、こういう風に画面はだいたいが貧乏ったらしい。これは「貧乏ったらしく見せる」とかじゃなくて、もうそのまんまナチュラルボーン貧乏ったらしなのである。そういえばおぼっちゃまくんのビンボっちゃまは、正面だけスーツを着て後ろが尻丸出しというおもろい格好をしてたね。
そしてまあこのミンジという少女がまたすごい嫌なやつで、とにかく無理矢理でも自分のいい方に持っていこうとする。これは粘り強いというか、正直自分に対してあんな理不尽なことをされるとムカついてくるのでまずこのミンジに全然ついていけなかった。
それに冒頭では思いっきり綺麗なチョークを踏みにじり、それを全部ホエクーのせいにしてあやまれあやまれとぬかしやがる、そのくせ町に出ると墨汁を大事に使うというこの変わり様、いやこの変わり様こそなんだということなのかもしれんが、あんな理不尽野郎がどんな苦労しようがどうせ理不尽我が侭で解決するんだろうと、それまでの流れから思ってると案の定うまくいきすぎな展開、話全体に自分がついていけなかった。
というわけでこのミンジの性格がまったく駄目で、見ててもう納得いかないことだらけで感動どころじゃありません。最後の村長まで「寄付で新しい校舎を建てます。」だと。なんでこんなに貧乏ったらしさが徹底してるんだろう。「これを機会に貧困山村を援助する団体がもっと増えろてめえ」とか「我々の最低限の取り分以外はほかの農村にまわせ」とかどうして言ってくれない。自分勝手すぎる。
そういう自分勝手な奴らの行動に子供の思いも消失、残ったのは後味の悪さだった。