86カラットのダイヤを巡って、街のギャングのボス・ボリスと黒人3人組、ロシアの殺し屋二人が争う。一方で裏ボクシングの八百長を巡る、街のギャングのボス・ターキッシュとトミー、そしてトレーラーでくらすパイキー一味。この二つの大筋が折り重なり、ストーリーが成り立つという映画。
まずテンポというか話の流れが速い。人物も多いし話がわかりにくいんだなぁ。見てるうちにだんだんわかってくる感じ。それプラス、最近よくあるスタイリッシュ映画のような臭さがあるけれども、あれらのように無駄に斬新!鮮烈!ではなく、独特の感覚は覚える。タランティーノのまねごとではないと思う。
同系列であるパルプフィクションを最初に観た衝撃と比べたらはやり劣る。パルプは人物ずらしと時間ずらしをうまいこと使って、見終わると衝撃的な印象が残るが、本作は人物ずらしオンリ、しかも人物が多いので互いの相関を一応把握した頃にはあれよというまに最後になっており、そしてクライマックスに一気にはじけるという、なんだそのためかよというすかされた気分になるのである。
クスッと笑えるし、最後はとてもおかしい。ただ詰め込みすぎだと思った。だからもう一度観る気にはならない。しかし、決してこの映画は一過性のエンタテイメントではないと思う。本当におもしろければ時間なんて短く感じるものだから、そのへん割り切ってくれるとなぁ。