人類が現実に絶望しきった世界。若者はAVARONというバーチャルリアリティーの戦闘ゲームに熱狂していた。うおうおうおうおうおう・・・・・。
↑のようなことがまず映画の始まる前に字で説明される。この時点でやばい感じがした。いきなりこういう説明から入るのは、あるいはその内容の膨大さ、またわかりにくさを補うためにしょうがなくやる場合と、あからさまに狙ってやる場合がある。狙ってやるというのは、映画のストーリーの中でニュアンスとして伝えるということが困難な場合に用いられるのが多いようだ。まあそういう作品は往々にしてつまらん。そしてニュアンスで伝えるという方法は映画の冒頭で放棄されるのだから、当然その後のストーリー中にも数多の『説明シーン』が盛り込まれるということだ。ありがたや。
本作は攻殻機動隊で知られる押井守の作品だ。というだけあって、この映画は生身の人間が演ずる実写映画なのだが作り自体はかなりアニメくさい。登場人物はとかく無表情、ニヒルを決め込み全体的に暗い雰囲気の作りだ。こういうアニメ映画ってとても多い。GHOST IN THE SHELLもそうだし、スプリガン、VAMPIREとか人狼もそうだった。なんというか、全体的な方法がアニメの方法なのである。詳しくはわからんが。いきなり説明ちゅうのもアニメでよくある。「20XX年、人類は地球上のうららうららうららららら・・・」とか。
ストーリーもアニメっぽくて、無敵の女主人公がその無敵のさらに上を目指すというもので、適当に敵がでたり仲間がでたりサイドストーリーがあったりする。
で、なんで★ゼロかというと、映画の最初から最後まで見たが全然つまらんかったのです。劇中に盛り上がりが全くないと見て取れたのである。やーるこーとなーすこーと中途半端!こうも平坦に淡々と進まれると、ほんとやっとられん。
さらにいかんのが前に書いた『説明シーン』がやたら多いこと。変な諜報部員のようなやつがでてきてはしゃべり散らし、戦闘、またしゃべり散らし、戦闘、と思ったら台詞なしで垂れ流し、さらにはどうでもいい賛美歌、この『映画中に歌が思いっきり歌われる』というのもやばい。これは非常にやばかった。
つまり、俺にとって実写でアニメの方法をとられるというのが、全然ダメだった。さらに、1.説明シーンの多用、2.歌をおもいっきり歌いやがる、この2点、数年間映画を見てきて『クソつまらんぞ馬鹿野郎』と感じた映画に共通のダメな部分が直球ど真ん中で放られたというのが致命傷。よって俺にとっては”投資不適格”えーーー。だめです。これ。