門外不出の少林寺拳法を破門となり、その力で富を築いたハーンが武術大会を開いた。各地から強いヤツが集まる中、少林寺からリー(ブルース・リー)が参戦。目的はハーンを倒すことだった・・・。
ブルース・リーのハリウッド進出最初にして最後の作品。
70年代初期に制作されたこの映画が、今なおある時は真剣に、ある時はお笑いの一要素として良くも悪くも題材とされるのは、それだけブルース・リーという人物の凄さが不偏的だからだ。
彼が「ジャッキー以前」として語られるのではなく「ブルース・リー」たるのは、彼がアクション活劇スターではなく真の格闘家だからなのだろう。ジャッキーの場合アクションスターだから、ガラスを突き破ることが求められる。5階ぐらいから落ちることが求められる。それはまあ当然のことで、アクションだからだ。あくまで活劇である。
そうはいっても基本的にはこれもアクション映画だから、「アチョ~ォウ」的なものがあったり、ヌンチャク振り回したりはする。しかし格闘家として彼が得た境地、かいつまんで言えば「武道に流派なぞ関係ない」「武道は己に克つことを目的とする」こういった哲学的なものが随所に見られる。
この考え方は古くからは宮本武蔵が五輪の書に記しているし、グレイシーなんかはそれを追求してきた。ブルース・リーもまた格闘家として達人の域にあるのだろう。ムキムキの体に血管が浮き出ているし。
とまあ、映画として単にアクションにとどまらない本作ではあるが、如何せんこの映画を観る前にお笑いの方でそのパロディをかなりみてるので、ブルース・リー独特のステップや「アチョ~ォウ」には正直笑ってしまう。テーマ曲(ターーーー、タッタってやつ)の、ターーーー、タッタのあとに「アチョ~ォウ」っていわれたら、正直「何でアチョウだよ」って思っちまうんだな。
あとブルース・リーがノータッチの部分。ハーンが客人をもてなすシーンは明らかにアジアを馬鹿にしてる。てゆうか真ん中のスモウレスラーはなんだありゃ。日本なめんな。そういうハリウッドスタッフに-1。