ギャングのジョーのもとに集まったブラック・ホワイト・ブラウン・オレンジ・ブルー・ピンク(仮名)の6人のチンピラ。彼らは宝石強盗を計画するが、ある一人の裏切りで計画は頓挫、互いが互いに文句をタレる最悪の状態に。刑事は誰なのか?そしてどうなる?
クエンティン・タランティーノ監督作品第一弾。これが後のパルプフィクションにつながるとして見ると、なるほど一作目からそのテイストは溢れている。
まず手法としての時間ずらし。物語の随所に各人物の場面を織り込み、また会話のニュアンスにストーリーの骨子を入れることで、それまでの経緯、その人物の過去などが無理なくわかる。導入が全然わざとらしくないっちゅうこと。
「小話はディティールにこだわれ」とニグロの刑事は言ったがそれは映画についても言える。タランティーノ作品のどうでもいい話、小話のおかしさはそれだと思う。オープニングからそれだから、しかも「like a versin」はデカチン好きなヤツの歌だなんて面白すぎる。またそれについてギャングのおっさん達が真剣に話す、時にはブッ殺す、妙な部分にこだわりがある。
肝心のストーリーは登場人物の言葉で語られ、映像には映し出されない。この映画では人物の描写重視、それだけにラストの破綻ぶりは痛ましいほどだが意外にサバサバした感じだった。