拳銃泥棒の容疑で尋問を受けたキートン、マクマナス、ホックニー、フェンスター、ヴァーヴァルの五人。彼らはそれぞれ犯罪歴があるのだが、これがきっかけで五人でシゴトをすることになる。ヤクの強奪を成功させた五人に新たなシゴトの依頼が入った。依頼主は「カイザーソゼ」。果たしてカイザーソゼとは・・・?そして彼らはどうなる?
ストーリーが延々と映し出されるものでなく、一人のストーリーテラーのもとに場面場面が切り取って映し出される、そういうシナリオ構成がまずいい。そうすることでサスペンス系に必要な終末に向かうにつれての期待感が増幅されるし、最初はよくわからなくても後で段々わかっくる、こういうのが逆に印象深くするのだろう。
そしてそういう終末への持っていき方があって、その期待感に対するだけのラストが待っていることがまたこの映画の面白さだろう。序盤から断片的に語られる「カイザーソゼ」、こいつは誰だというのがラストに弾けるのが当然だが、実はもう一つのラストが待っていた!
・・・・こういう映画での欺かれる側(この場合は刑事さんかな)が驚愕してしまうのを観て期待感を処理する、サスペンス系に典型のラストの処理だが、この映画はなんとラストに観客をも驚愕させてしまうラストを用意していた・・・!なんとすごい。この映画が単なるサスペンス映画でない感じを受けるのはこういうラストだろう。
つまり我々観客も、カイザーソゼに欺かれていたのだ。ビックリ。