Dead Pigeon 20周年

相変わらず投稿は全然していなかったが、過去の投稿がWebの中に消えてしまうのが忍びなく、環境だけは維持し続けたここ数年。気づけば、この4月で開設から20年が経っていた。。。

2001年4月に、大学時代のダメ人間3人で卒業(あるいは留年)を期に始めたこのサイトも、bitchとkichikuとは音信不通となり、自分は結婚して子供も授かり、ごく平凡な日常を送るうちに、あっという間に20年。気づけばすっかりおじさん。早かったなあ。最近のこのサイトのトピックとしては、仕事に関係していることもあって、自宅サーバからAWSにホスト先を変えたことくらいか(Amazon Lightsailを利用)。投稿はしないものの、インフラ周りは意外といじっていたりする。次にやるのはいい加減https対応しなきゃなーというところか。なお、この記事を書こうとしたらすっかりパスワードを忘れてしまって、去年Lightsailへ移行したときに取得したバックアップからサーバを復元したりしていたので、ここ1年でもしコメントした方がいたとしたら消えています。ごめんなさい。

bitchとkichikuへ

もしここを見ていたら、Twitterアカウント(@koushidahira41)にでも連絡ください。

Software Design 1995年8月号

冒頭のコラム「Pacific Connection」では、この年のSunWorldでJavaがお披露目されたことが書かれている。Java誕生は95年か。今やすっかりレガシー言語扱いされているが(勘違い?)、企業システムのみならずHadoop周りはすべてJavaだし、まだまだ使われそうだ。

特集は「マルチメディアで行こう!」。インターネットと並んでこの頃のIT関連の流行語だ。今やすっかり聞かなくなったが、それはコンピュータで映像や音声を扱うことが当然になったことを示しているんだろう。特集後半のマルチメディア関連デバイスの紹介では見えるラジオ、PHS、プレステ(初代)など懐かしのデバイスが多く挙げられている。今でも健在なのはDVDくらいか。ちなみにマルチメディアパソコンとして真っ先に紹介されているのがPC-9821Cb2/Cx2、いわゆる98CanBeだというのが時代を表している。

SAMBAの短期連載、後半では設定ファイルのsmb.confの書き方が紹介されている。うーん、基本的には今と変わらないね。20年以上このスタイルなのか(まあ変える必要もなかったのだろうけど)。

連載「BSD倶楽部」のFreeBSD(98)では、XFree86(98)の導入が取り上げられている。筆者は97年頃にこれに挑戦してまともに動かせなかったのを思い出す。当時は設定ファイルのパラメータを手修正しては試して調整を繰り返していたはず。今は何も考えずにLinuxのXが動くので隔世の感だね。

BSD on Windows(略してBOW)というのが紹介されている。当時からWindows上でUNIXコマンドを使いたいというニーズはあったようで、これがCygwinなどを経て今のBash on Windowsなどの登場につながっていくのだろう(もちろんそれぞれ技術的には全く別物だけど)。

玉川さんの連載(知っている人だとつい馴れ馴れしく書いてしまう)では今号からDelphiが取り上げられている。筆者が通った大学(文系のみの大学)の計算機概論ではDelphiを使っていたのを思い出す。

Software Design 1995年7月号

特集は「1995 PC UNIX白書」。当時のPC UNIX総ザラ絵といった特集だ。トップはいつの間にかここまでバージョンが上がっていたSolaris 2.4 for x86。その他おなじみのNEXTSTEP、UnixWareなどが続く。Linuxについては特集2つ目の記事でまるまる取り上げられており、当時から勢いの違いを感じさせる。あとはNetBSDとFreeBSDが一緒に紹介され、その次は当時の日本の状況を反映してPC-98上で動くPC UNIXたち。特に以前の号でも頻繁に取り上げられていたPANIXが詳しく取り上げられている。最後はMac。今のMacはUNIXそのもの(ここでのNEXTSTEPの子孫)だが、当時は何種類かMac上で動くPC UNIXがリリースされていたようだ。筆者も後年NetBSDをQuadra 700に入れて遊んでいた記憶がある。

特別企画は「インターネット情報発信術」というお題で、PC上で構築するWWWサーバや当時のプロバイダ事情について取り上げられている。Windows 3.1上のwebサーバなんて恐ろしく不安定そうだ。。。

短期連載「SAMBAで作るUNIX+PCネットワーク」。SAMBA(今だとSambaのほうがしっくり来る…)は言わずとしれたUNIXでWindowsファイルサーバ(SMB)を実現するフリーソフトウェア。この頃からあったんだ。

Software Design 1995年6月号

特集は「フリーソフト大集合」。UNIX、Windows、Macintoshとそれぞれ紹介されている。WindowsやMacintoshは今から見ると懐かしのソフトたちとでもいうべきものが並んでいるが(Eudoraとか)、さすがにUNIXはフリーソフトがシステムの根幹を担っているだけあって、Perl、Tcl/Tk、Pythonといった今でも使われているものを見ることができる(とは言っても言語だけかな?)。Pythonって新しいと思っていたけどこの頃にはすでに出ていたのね。

新連載「ルート養成ギブス」。会社のUNIX管理者になった主人公のお話を枕にしたシステム管理者入門だ。とはいってもテクニカルな話は少なめ(1回目だからか?)で、心がけのようなものがメインなので、今でも十分使える内容。

特別企画「インターネット遊泳術」。当時インターネットを利用していた人たちの通信費を知ることができる。月2〜3万円はかかっていたようだ。

連載「BSD倶楽部」はFreeBSD(98) 2.0のインストール記事。自分はFreeBSD(98) 2.6くらいがPC-UNIXへ入門したときのOSなので、インストール画面が懐かしい。

Software Design 1995年5月号

特集は「めざせ!鉄人UNIXプログラマ」。当時のUNIXなので当然言語はC(自分としてはUNIX=スクリプト、というイメージなのだが)。マルチタスクを意識したプログラミング、デバッグの仕方と便利なツール類といったところは今でも使えるか?もう一つのX Windowプログラミングの基礎知識の方はちょっと古いかな。と思っていたら「スクリプト言語のすすめ」という記事も。やっぱりUNIXはスクリプトが命だね。

「OS/2 Warpでインターネット」という記事がある。昔、秋葉原のバッタ屋でOS/2 Warp Serverというのを買って試してみたのを思い出した。当時はTV CMもバンバン打っていたのを思い出す。結局敗れてしまったね。。。

Software Design 1995年4月号

冒頭のエッセイ「Bart EisenbergのPacific Connection」で取り上げられているのが、有名なGIF/LZWの特許の話。あれはこの頃の話か。もう少しあとの話かと思った(自分がインターネットに繋ぎ始めた1997年以降の話だと勝手に思っていた)。

特集は「UNIX + PCで快適ネットワーキング」。ここで取り上げられているのはPC UNIXではなく、UNIXサーバにPCからつなぎに行くという主旨の特集だ。この頃のPCネットワーク系の記事に共通しているのだが、OSがTCP/IPに標準対応していないのでTCP/IPスタックにサードパーティ製品を使う必要があり、非常に面倒臭そうだということがわかる。

サラッと載っている一般記事「暗号化ソフトウェアPGP」。今やインターネットで何かをやるためには不可欠な技術である暗号化だが、記事でまるまる扱われたのはおそらくこれが最初。

Software Design 1995年3月号

特集は「インターネット入門[最新情報編]」。この頃はとにかくインターネットに関する情報が紙面にあふれていて当時の熱気を感じる。今のSD誌でプロバイダ紹介記事なんて絶対見ないしね。
ブラウザの紹介記事では、今までMosaic1択だったところについにNetscapeが登場した。

阪神大震災発生直後ということで特にエッセイでは最初に取り上げられていた。インターネットが自然災害時の貴重な情報伝達手段となったのはこの頃からか。おそらく詳細は翌月に取り上げられるだろう。

Software Design 1995年2月号

特集は「インターネット入門[情報発信編]」。取り上げられているのはWWW、FTP、Gopher、IRCなど。情報発信編というだけあってサーバの立ち上げの記事がメイン。ちょっとだけ今のSD誌の雰囲気に近いといえるかも。

連載「電網つなぎ方指南」第3回はTCP/IPの話。例のレイヤとプロトコルの話が記載されている。もちろん基本的には今と変わらないが、アプリケーション層のプロトコルが軒並みアンセキュアなもの(Telnet, R系コマンドなど)であるところに時代を感じる。

前月から「SPARC & Solaris 1995」というSUN関連の短期連載が始まっている。今回はマルチプロセッサということでSMP構成の解説。今やスマホもマルチコアだが、これをフルに使うにはアプリケーション側で頑張らなければならない(マルチスレッド化)のは今も昔も変わらない。

DB畑が本職の筆者にとって興味深いのが新連載「クライアント/サーバデータベース工房」。我らが玉川竜司さんの新連載だ。第1回は「Oracleの導入」。いいね!

Software Design 1995年1月号

1995年1月といえば阪神大震災だが、もちろん本誌にはまだ反映されていない(発売も前月のはずだし)。特集は「Windowsの明日」。前評判の割には散々だった(らしい)Windows NT3.1が3.5にバージョンアップしてまともになったとの話。あとはRISCパソコンでWindows NTを使う話も紹介されている。筆者が大学生の頃(1999年くらい)にバイトで会社のサーバールームで機器入れ替えをしたとき、Windows NTが入っているPowerPCマシンを見たことがあるが、自分が実際に使われているのを見たことあるRISC + Windows NTはそれくらいかな。

Perl5の新機能という記事がある。直近の仕事でPerl5が必要になっているものがあるのを思い出した。UNIXのスクリプト言語は息が長い。

Software Design 1994年12月号

特集は「1995はこうなる これまでの1年 これからの1年」。年末年始にありがちな企画ですな。

ただ、取り上げられているのはインターネット、マルチメディア、Pentiumマシン、Windows95と、たしかに今振り返ってもこの業界のターニングポイントとなった年だということがわかる。

インターネット関連の記事では「ダイヤルアップIPサービスによるWWWブラウザの利用 Macintosh編」というのがある。ダイヤルアップ(PPP)接続でWebブラウズというこのあと6〜7年はスタンダードだった接続方法だ。