<%@page import="java.sql.*"%> <%@page import="atmarkit.MyDBAccess"%> <%@page contentType="text/html;charset=EUC-JP"%> London Calling
London Calling
発売年 バンド・歌い手 ジャンル
1979年 The Clash UKパンク?

 
洋楽についてだらだらと語る音楽のシチューの記念すべき第一回である。最初はU2の「Achtung Baby」にしようかと思ったのだが、それも何かアレなので、クラッシュの超名盤「London Calling」にした。「アレって何?」と聞かれても困る。自分でも分からないから。ていうか聞いたやつは殺す。そう言えばB’zにも「Calling」という曲があったよな、と思った人、手を挙げなさい。ほら、そこの君、もっと堂々と手を挙げて。気を落とさなくてもいいよ、俺もたった今思ったから。それぐらい「London Calling」という響きが格好いいのだ。そんなの思わねーよ、と思った人。死んでくれ。

さて、ロック、いや、ポピュラー音楽に自分は興味がある人間だと自覚している人なら、このアルバムを、少なくとも名前ぐらいは聞いたことがあるだろう。「ロックの名盤100選」みたいなのにはまず間違いなく載ってるしね。このアルバムは「パンクの名盤」として語られていることが多いが、それ以上に「ロックの名盤」であることをここで強調したい。つまりビートルズやストーンズの最高傑作(それが何かは常に議論の対象となっているけど)と同じ領域に入っちゃってるのだ。 

そもそもこのアルバムがパンクなのかという問題もある。それは各自が勝手に考えればよろしいと思う。パンクの定義なんて千差万別だし。そう言えば昨日買ったBUZZで「読者が選ぶパンクアルバム」みたいなのをやってたけど、フリッパーズとかがランクインしてた。それはさすがにどうかと思うが、現代社会が新世紀に突入して価値観の多様化が進んだ。それに伴ってパンクの定義も多様化の道を辿っていることの表われなのだろう。ってごめんなさい。何かそういう言い方をしてみたかっただけです。 

ただその問題に対する私の個人的な答えは「NO」である。そんなにパンク好きってわけでもないしね。特にラモーンズ直系の勢いオンリーなパンクは実は苦手だったりする。そして言うまでもなく、「London Calling」はそれらの凡百のパンク・アルバムとは一線を画している。まずオープニングのタイトルトラック。最初のコードから背筋ものである。そしてジョー・ストラマーのテンパってる叫び!「テンパってる」と言ってもそれはもちろん音楽的な意味ではない。この人たち、パンクのくせに結構上手いし。特にトッパー・ヒードンは私が最も好きなドラマーの一人である。「テンパってる」というよりは「切迫感があふれてる」と言った方がいいのかも。 

あるいは「Lost In The Supermarket」。ビートルズが歌ってもおかしくない、ナイスなメロディである。あるいは一応シークレットトラック扱いになっている「Train In Vain」。ん、何これ、ディスコじゃん。あるいはポール・シムノンの「The Guns Of Brixton」。去年の夏に友人と何人かで海に遊びに言った時のことである。「何故お前が海に行く?」という質問に答えるほど私は暇ではない。いや、まあ全然暇なんだけど。でもいいじゃん、行ったって。とにかくそこに向かう車の中のことである。私が今まで出会った人間の中で最も音楽の趣味が悪い人間の一人として認めている某K氏がつくったレゲエのテープ(「海に行くならやっぱレゲエでしょ」というその浅はかな発想は、皮肉ではなく、まことに愛らしい)の中に、このベースラインを使っている曲を聞いた衝撃を私は一生忘れないだろう。長くなったが、要するにその後の彼らのダブへの接近の前兆である。あるいは心踊るピアノが印象的な「The Card Cheat」。これが何なのかはよく分からないが、とりあえずパンクではないと思う。あるいは「Rudie Can’t Fail」。スカですな。カバーだが「Brand New Cadillac」。これはもうストレートなロックンロールである。 

それでも精神性がどうのこうの、と言ってパンクだと言い張るのもいいだろう。クラッシュがやれば何だってパンクなんだ、といのも何かイノセントな感じがしていい。前も言ったが、千差万別である。ただこれが普通のパンクアルバムとは違う次元に属していることは、どんなに耳が腐った人間で分かるだろう。特にピストルズを聞いて「これがパンク?ふーん、どうでもいいや」と思ったやつ。ピストルズでパンクを判断するなっつーの。黙ってこのアルバムを聞きなさい。