江戸時代になると、戦国時代の残りカスである野武士が横行し、各地の農村は被害を被っていた。それを恐れたある村が、一人の武士に用心棒となることを依頼する。依頼された武士は仲間を募って、六人+一人の用心棒軍団ができあがった!
世界のクロサワ渾身の一作。当時としては考えられなかったであろう3時間近くに及ぶ物語は、なんとレンタルビデオで2巻セット、同時代でこんなのは同じくクロサワの「白痴」あるいは「風と共に去りぬ」ぐらいしかすぐには思いつかん。それぐらい「渾身」なんである。
話としては単純明快。野武士がウワーっと攻めてくるのを、用心棒と百姓がウワーっとブッ倒す、それだけ。しかしそこにはクロサワ映画の特徴でもある、人物を切り取ることがある。
日本独特の機微、例えば「百姓」には「farmer」にはない感傷的な響きがあるし、「武士」「野武士」なんて、およそ「soldier」にはないなんちゅうか、背ってるもんが違うぜ的響きがある。少なくとも俺はそう感じる。
そういう感覚的なものを白黒映画の時代から取り入れてきたのがクロサワ。だから世界。世界は普遍。故に面白い。こういうことになる。
3時間は間延びしないし単純におもしろい。あとやっぱ菊千代かな?